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アメリカ人「駐在妻」はどうしてモヤモヤしていないのか

マンボ!

タンザニア在住ライターのほりとも(@tmk_255)です。

タンザニアで私はいわゆる「駐在妻」、夫の海外赴任に同行してきた妻の立場です。ここではいろいろな国の駐在妻に会うのですが、「駐在妻」と言っても、なんだか私たち日本人の「駐在妻」の立場と違うなあ、と感じます。

今回は、タンザニアで初めて自分が駐在妻となってみて考えた「駐在妻」とは?について書いてみます。


私の「駐在妻」イメージをくつがえした女性たち

知り合いのいないタンザニアに引っ越してきてから、友達作りのためにいろいろグループに入っています。そのうちの1つが「アメリカ人駐在妻会」。私の夫がアメリカ企業勤めのため、日本人の私も入れてもらったグループで、月1でランチ会をしています。

「アメリカ人の駐在妻ってどういう悩みがあって、どんなこと考えてるんだろう?」まるで取材するような気持ちで参加してみました。

私がイメージしてきた駐在妻は、「帯同する前は、日本でキャリアを積み上げてきた、でも、夫の都合で妻は仕事をやめ、海外赴任中は配偶者の会社のルールで仕事もできず、もんもんとした時間を過ごす」というもの。

ところが、このアメリカ人駐妻ランチ会に行ったら、ほとんどの女性が仕事をしているんです。帯同前にしていた仕事をリモートで続けている人、海外転勤歴が長いので、どこでもできるビジネスを自分で始めた人、夫の勤務先で仕事をしている人などなど。「仕事をしたいのに、それができなくてストレスだわー」という言葉はまったく聞かれません。

その一方で、仕事をしていない人もいますが、彼女たちは「仕事をしなくてOK!」と割り切って生活しています。小さい子供がいるから仕事をしない、今後もずっと転勤族だからボランティアをして人の役にたてればOK!など、すっきり、はっきりしています。

私の凝り固まった駐在妻のイメージが大きく覆されました。ちなみに冒頭の「アメリカ人駐在妻会」と私が呼んだグループの本当の名前は「おいしいものを食べて幸せになろう会」。

じゃあ、アメリカ人駐在妻の悩みは

そんなアメリカ人駐在妻、悩みがなくていいなーなんて思っていたら、ある時こんな愚痴を耳にしました。

アメリカ人のジェニファーは夫の仕事で4年前にタンザニアに移住。移住前から勤務していたある国際機関で、今もアナリストとしてリモートで仕事を続けています。

「聞いてよ、この前、イラっとすることがあったわ~」とジェニファー。

用があって立ち寄った夫の職場で、知り合いと立ち話。それじゃあまたね、と言う時に「マイクの奥さん、またね~」と言われたそう。

これを聞いた時に、私は一瞬、何にイラっとするのかわからなかったのですが、
「ジェニファー、またね」と、名前ではなく
「マイクの奥さん、またね」と、夫の付属品のように言われたことが
ダメだったようです。

なるほど。そう言われれば、いやかも。彼女に言わせると、「確かに夫の仕事でタンザニアに来ているけれど、私は夫にくっついてるわけじゃないし、名前がちゃんとある!」ということだそう。

女性大使はひとりだけ

タンザニアには「外国人の配偶者の会」というのもあって、メンバーの90%以上が女性です。つまり、世界的に見ても、配偶者に同行するのはう圧倒的に女性だとわかります。まあ、そりゃそうだよね、というのが私の正直な感想。

このほとんど女性のグループが行うイベントで、稀に男性の姿を見つけます。例えば、先日の30人近く集まったイベントで、一人の男性の姿を見つけました。その男性は、駐タンザニアのフィンランド大使の配偶者。つまりフィンランド大使が女性で、そのだんなさんが帯同して妻についてきているわけです。大勢の女性に囲まれて、なんだかちょっと居心地が悪そうに見えたのは気のせいでしょうか。

それを見たアメリカ人のママ友がこう言ってため息をつきます。
「駐在する配偶者が女性ばかりであるこの状況は変わってほしい」

「駐在するのはまあ女性だよね」「駐在したら女性はいろいろと我慢しないといけない」と思っていた私ですが、アメリカ人ママ友たちの何気ない発言から多くの気付きをもらっています。

おわりに

最近は、「駐在妻」という呼び方を他に変えるべきでは?とか、
「駐在夫」の悩みについても日本で議論がされるようになっています。

私自身も「駐在妻」という呼び方には違和感があるし、自分のことをこの肩書では表現したくないというのが正直な気持ち。

その一方で、アメリカ人のママ友との会話から、駐在妻だとして自分を枠にはめていたのは自分自身だったかもしれない、ということにも気づきました。


#海外生活

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