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タンザニアで「太っている」は富の象徴か?

あなたは「やせていたほうが良い」と考えますか?

日本では「ぽっちゃり」よりは「やせている」ほうが良いと考える人が多いのかなと思います。というか、私がそうでした。

タンザニアでは、この逆の考え方が一般的なようです。つまり、太っているくらいのほうが体裁が良い、恥ずかしくない、自信がもてる、そんな日本人とは少し異なるイメージです。

今回はそんな「太っているほうが良い」というタンザニアの方たちの考え方を紹介します。


太っていればちゃんと食べている証拠

私の知り合いでダンスの先生をやっているタンザニア人の女性がいます。
30代前半の彼女の名前はジョアン。ダンスの先生らしく、きれいにひきしまった体でとてもかっこいいのです。

そのジョアンの悩みは親からのしつこいアドバイス。実家に帰るたびにこう言われます。

「ちゃんと食べなさい」
「あんたは、やせすぎで恥ずかしい」

ちなみに彼女には2人の姉妹がいるのですが、写真を見せてもらったら
2人ともジョアンよりはふくよかな体型。この2人は親からは、食事に関するいやみは言われないそうです。

「私はダンサーだから、体が重くなったら仕事にならないわ。でも
親にはそれが通じない。古い価値観で困る」と苦笑するジョアン。

タンザニアでは、やせている=お金がなくて食べるものに苦労している
と考える人が多いようです。

ちゃんと食べさせろ!とどなられる

私の友達(タンザニア人在住のアメリカ人)は、細くしなやかな体が特徴のサイトハウンドという犬を飼っています。犬の散歩で外を歩いていると、通りすがりのタンザニア人によくこう言われてしまうそうです。

食べものをもらってないと勘違いされるワンコ

「もっとエサをあげなさい!」
「犬がおなかすいてるぞ。かわいそうに」

余計なお世話なのですが、こういう体型の犬であるという前に
「やせていてかわいそう」ということが目につくようです。

そういう私も初めてこのワンちゃんを見た時に、「わー、すごいかっこいい体型だな~。細いなぁ」なんて思ったのですが…

やっぱり「やせたい」

こういった話を聞いて、そうか~、タンザニアは今の時代でも太っていることが豊かであることの象徴なのだなーと思っていた私。

でも、タンザニア人女性の悩みを聞くと「健康的にやせたいわ」「産後のこのおなかが…」とよく聞く悩みを持っているのです。ふくよかが良いというタンザニアの元来の価値観は、欧米からの「やせているのが健康的だしかっこいい」という考え方に影響を受けています。そして多くのタンザニアの若い女性たちはダイエットをがんばるそうです。

タンザニアの町で見られるタンザニアの人たち

そんなタンザニア女性の大敵は「フライドポテト」。なぜなら、タンザニアの女性たちはフライドポテトが大好きだから、とタンザニア人の女友達は教えてくれます。一方の男性は「大量に食べないとおなかにたまらない」という理由で、フライドポテトよりは「ウガリ」派なのだとか。

ウガリとは:穀物の粉を湯で練り上げたアフリカ伝統の食品である。タンザニアやケニアなどアフリカ東部や南部で主食として広く食されている

Wikipediaより

まとめ

タンザニアでは「やせている」より「太っている」ほうが良い、という日本と真逆の考え方がある一方で「やせているのがよい」というダイエット文化がアフリカにも押し寄せているようです。

そうはいっても「ふくよかな女性が美しい」という、日本ではほとんど聞かない価値観は、これからもずっと失われずにタンザニアに残っていてほしいなとも思います。

#多様性を考える

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