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アイデア出しの基本

#07:デザイン/基本に立ち返る

何度ブレインストーミングを重ねても「良いアイデアが生まれない」「意見がまとまらない」「行き詰まって空気が重くなった」。そのような時は「アイデア出しの基本」に立ちかえるようにしています。

■1:情報は採りにいくもの

テーマや資料を与えられてから「さあ、考えよう」では手遅れです。日頃から自分には関係ないものでも僅かながら気に留め、浅くていいから調べるようにします。与えられた情報はもともと興味がないから流れ去って記憶に残らない。逆にいえば常に知りたいアンテナを出していれば興味がないものもかすかですが記憶に残ります。それがアイデアの種(たね)に変わることがあるのです。採りに行く習慣を身につけるとアイデアの引き出しは増えるのです。


■2:情報の鮮度を疑う

「これは使えるかもしれない」とやっと見つけたアイデアの種。でも、それってどこかで、誰かが、すでに使っていませんか? まずはその種の鮮度を疑ってみましょう。
いちばん簡単なのはそれが何次情報かを見極めることです。

1次情報>自分自身が見た 聞いた 体験したこと
2次情報>友人が経験したことを本人から直接聞いた
3次情報>友人から「信頼できる人に聞いた」という又聞き
4次情報>テレビ、新聞や雑誌などメディアで編集された情報
5次情報>不特定多数が発信できるネットでの情報

というように徐々に鮮度が下がっていきます。その情報に介在する人が多いほど時間が経過し、伝言ゲームのように間違いや曲解がおこるからです。

■3:異ジャンルは宝箱

例えば新しいオフィスチェアをデザインするという課題を与えられました。まずはアイデアの元になる資料(種)を集めます。どんな資料が良いでしょうか?

インテリアメーカーの商品カタログやWEB
著名デザイナーの作品集
大手量販店やショールームで実物を見る
博物館や美術館で芸術性、工芸的に優れた作品を鑑賞する

どれも正解で間違いではありません。それによって市場の大まかな傾向はわかるでしょう。ですが、それらが新しい種になるかと問われれば「どれも既存の椅子にあることに変わりない=すでに具現化されたもの」となります。

椅子とは全く関係ない、例えば動物の形態を観察してみます。一見きゃしゃに見える鹿の脚も細い足首から胴の付け根、太ももにかけて大きな筋肉に覆われ力強さを感じる。上部にボリュームをもたせ安定感を出しつつ、下部は強度を確保したうえで全体をスマートに見せるデザインはどうか?

2本脚のフラミンゴは時に1本で立つことがある。だったら新しくデザインする椅子は4本脚じゃなくてもいいかも。いっそフラミンゴのように2本にして、1本脚で自立させることはできないか? 昆虫だったら 草花だと 川の流れや寄ては引く波の形では?
このように異なるジャンルを観察することで椅子という概念にとらわれずアイデアは変化、加速していきます。


1は情報の収集方法について、2は情報の精度をあげる作業、3はクリエイティブにとって最も大切な思考方法。
以上この3つを押さえることがアイデア出しの基本、基礎の基礎だと考えます。

insta. https://www.instagram.com/tommys_graphic/


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