日本の若手リーダーは、日本人としてのアイデンティティを取り戻し、世界のバランサーとなってほしい

リスクテイカーというプロジェクトをスタートして、丸2年が経った。走り続ける中でさまざまな人に合い、たくさんの国を回り、いろいろな視点から物事を見られるようになってきたと思う。

最近特に思うことがあり、久しぶりにnoteを書くことにした。陰謀論と思われるような内容も含まれるかもしれないが、僕が大事だと思っていることなので、こうして発信に踏み切った。

第二次世界大戦の敗戦後、日本はどう変わったか

2022年は、ロシアとウクライナの戦争など、マクロ的に不穏なニュースが多く、心を痛めた人も多かったと思う。

一方、海外でコロナ騒動はほぼ終焉を迎えている。メディアで海外の映像などが流れても誰もマスクをしていない。ところが、日本ではいまだにマスクをし続けていて、ワクチンの接種も進められている。コロナに対する意識づけが取り切れていない状況だ。

このギャップはなぜ生まれているのだろうか。

元を辿ると、日本の歴史を遡ることになる。鎖国していた江戸時代から、西洋に取り残されないようにと文明を取り入れて明治維新が起こった。ここまでなら、問題はない。

ところが、第二次世界大戦に敗戦し、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)という組織が日本で占領政策を実施したところから歯車が狂い出す。

東京裁判で日本人の戦犯が裁かれる中、日本をある一定の監視下に置きつつ、経済的には自由にさせておく、という着地点が決められたという。

日本の南麻布にはニュー山王ホテルというアメリカ海軍が管理するホテルがある。都心のど真ん中にある、日本人が入れないホテル。また、日本の空路も、アメリカの軍用機しか飛べないルートがあると聞く。さらに、中学校の歴史の教科書では、南京大虐殺をはじめとする、自虐史観を植え付けられるような教育がなされている。

いろいろなことを調べるにつれ、日本は戦争に負けた時点で、実質的に植民地になっているのだと認識するに至った。

天皇と国民性の関係性は、世界でも類を見ない

ユダヤ人が書いた『あるユダヤ人の懺悔「日本人に謝りたい」』という本がある。日本文化に精通した著者が、戦後の日本を見て、日本人に謝りたい、と書いた書籍だ。

ユダヤ人は、世界でも最も重要な民族のひとつだと思う。世界の歴史をひも解いていくと常に登場し、ユダヤ教はキリスト教の元となった宗教でもある。

ユダヤ教にはタルムードという教えがあり、ユダ人は子どものころからそれを教え伝えられる。その中には、ユダヤ人が理想とするコミュニティが示されているという。書籍の著者であるモルデカイ・モーゼは、ユダヤ人の理想が、敗戦前の日本にあったと説いている。

日本の天皇制が、それを成しえているという。お互いに敬い合う天皇と民衆の関係性は、たぐいまれなる民度の高さを持って成り立っているというのだ。

戦争に負けたとき、当時の天皇陛下は、自分の身がどうなっても構わないから、国民が生活に困らぬように援助をお願いしたい、とマッカーサーに告げたという。そこには、国の頂上にいる天皇が国民を憂い、民衆が天皇を敬うという、ユダヤ人にとっての理想郷があったとモルデカイ・モーゼは書いている。

いまの日本は、家族制度が崩壊され、愛国心は去勢された。高度経済成長とともに、拝金主義が培養され、仕事が第一という価値観が根付いていった。

本来、仕事よりも家族や友達の時間が優先されるのは当たり前ではないだろうか。それこそがトッププライオリティであるべきだと思う。スティーブ・ジョブズでさえ、富を追いかけ続けたことを人生の最後に後悔し、愛情にあふれた思い出だけが本当の豊かさだという言葉を残している。

先日、パリを始めて訪れ、街並みを見るにつれ「敗北感」を覚えた。ブランドのショップはたくさんあるが、現地に住む人たちは誰も持っていない。質素な服装で、自転車に乗り、路上でキスをして、カフェやバーで談笑して楽しそうにしている。さすがに多少のビルはあるだろうと高台に登ったが、ひとつもない。

ヨーロッパの人たちは、拝金主義に染まりすぎず、人間の本来の豊かさを知っていて、今も大切にし続けている。ほかに訪れたトルコも、インドのニューデリーも同様だった。

だが、インドネシアのジャカルタは、東京以上にビルが建ち並び、どこに行っても渋滞やラッシュ。僕にはそれが地獄絵図のように見えた。精神的に全く豊かでないばかりか、結局、ビルの所有者である海外企業に吸い上げられているだけなのだ。

若いリーダーや起業家に、日本人としてのアイデンティティを取り戻してほしい

いま、日本人の若いリーダーや起業家たちは、どんどん海外に進出している。円安という状況から、外貨を稼ぐという理由もあるだろう。また、IT業界ではWeb3や仮想通貨が勃興しており、日本の税金制度ではビジネスが成り立たないからと、ドバイやヨーロッパなどで会社を興す。

僕もフィリピンで起業した経験があるので、彼らの気持ちはわかる。どちらかというとリベラルな立場をとっていた。「みんながある程度頑張って、経済的に成功すればハッピーじゃん」という考えがあった。世界のどこかで、内戦含む争いが絶えないことは、ある意味ひとごとに感じていた。

僕は、日本は特別な国だと思っている。

例えば海外に行くと、どこにいってもマクドナルドが支配している。ファストフードの力は強力だ。だが日本では、牛丼屋やうどん屋など、数多くのファストフードを選択できる。こんな国は他ではあまり見たことがない。

それ以外にも、食文化の豊かさは日本が誇るべきことのひとつだと思う。農作の技術は優れており、米も野菜も、くだものもおいしい。農薬をほどよく使いつつ、畑を守りながらサステナブルに農業を続けている。

少しずつ、あるいは急速に失われているかもしれないが、日本は素晴らしい国だったし、今も素晴らしい面がまだまだ残っている。

サッカーのワールドカップでもわかる通り、国と国のぶつかり合いでは、多くの人が何の疑いもなく自国を応援する。「愛国心」という言葉で表さないにしても、それこそが国を愛するアイデンティティの表れなのではないだろうか。

いま、毎日のニュースで流れる戦争の出来事。北朝鮮や中国といった隣国も穏やかではない状況といえる。日本がもし戦争に巻き込まれたら、「自分は愛国心がないから関係ない」というわけにはいかない。

海外に住んでいたとしても、日本人は日本人とみなされる。「日本人としてどう思うか?」と意見を問われる。敵対国にいたら迫害され、他の国にいても日本に帰らなくてはならないかもしれない。よくも悪くも、日本人として生まれ育ったからには、日本国というものを少なからず背負っているのだ。

日本こそが世界のバランサーに

日本人は戦後、平和ボケで骨抜きにされたと言っていい。だが、今こそアイデンティティを取り戻し、日本人だということに目覚めるときではないだろうか。

最近では、幸いにも多種多様なリーダー的立場の人と意見を交わすことが増えている。その時によく聞くのが「世界には時間がない」ということ。第三次大戦の覚悟をしている人も多く、タイムリミットが近い、というのだ。

アルゴリズムに支配された世界では、だれかが核攻撃のボタンを押すと、連鎖的に核攻撃が起こる可能性がある。最悪の方向性だが、可能性がないわけではない。だから、別の方向に引っ張っていくリーダーが必要なのだ。

日本人の若手リーダーや起業家は、日本人としてのリーダーシップに目覚めてほしい。日本人が持ちうる義理や人情、温情、稀有なる職人気質のような能力は、未来に訪れるかもしれない第三次世界大戦を食い止める力があるのではないだろうか。

これまで、日本人はまさに鬼畜のように働いてきた。朝から晩まで働き、アメリカの財布のように使われてきた。だが、だからこそ世界のバランスが保たれていたと言っていい。

少子高齢化が進み日本が貧しく、弱くなってくると、バランスが崩れていく。アメリカが日本からお金を吸い上げられなくなり、つじつまを合わせられなくなってきているのではないか。僕は個人的にそう見ている。

日本人のリーダーや起業家、つまり我々こそが、世界のバランサーになる可能性を持ちうる。我々が各国のリーダーにいい影響を与えていくことが急務なのではないだろうか。

リーダーシップを持っている人間は、日本人として、未来に残していくものを考え直すタイミングに来ているのだと思う。これまで日本で頑張ってきた人たちに守られ、今の豊かな日本がある。

今度は僕たちが、次の世代に渡していかなくてはならないだろう。アイデンティティを持ち、海外に勝負を仕掛けるなら、僕たちリスクテイカーも一緒にやりたいと思っている。志のある方がいれば、声をかけてもらいたい。

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