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「丁寧な暮らし」とは?

村では多くの人が丁寧に 自分なりの「最良の環境に身を置く」努力をしているみたいだ。不便さは時間をかけてコンディションを整える必要性を生む。 野菜を育てる、食事を作る、家を修理する、ものを長く使う。時間がゆっくり流れているから、持続可能な生活のために常に準備し整えることが可能なのだ。

古着や使用済みのテキスタイルは寄付、またはアップサイクル(新しいものに作り直し)。生ゴミはコンポストにして、プラスチックやガラス、缶はリサイクル。自分のモノタイプ版画の制作には、プラスチックや紙ゴミなどあらゆるものが活躍するから、なんでも取っておく。

結果的にゴミ出しは3週間に一度で済んでしまう。寒い季節になると暖炉の火にコンポストにならない生ゴミ(手羽先の骨とか)をぽいぽい放り込んだりして。ああ、火は便利だなあ。うちの暖炉は小さいけれど、古い大きな農家には巨大な暖炉が取り付けられていて、昔、家族は食事の用意からお風呂、団欒まで全部暖炉の回りで行なっていたそうです。まさに「いのちの火」。

天気がよければ(貴重な太陽!)外で 食事をします。湿気やら虫の羽音やら鳥の声やらが一度に感覚に訴えてくる。通りかかる近所の人に挨拶し、散歩中の犬を撫で、名前を覚える。外で飲むコーヒーはなぜ美味しいのかについて考える。 隣の家のおばあちゃんがベンチに座って猫に話しかけている。雨どいが壊れかけているというので、大工仕事の得意なパートナーは早速、長いはしごを持ってきた。そういえば家の前に椅子やベンチを置いている人が多い。座りたかったらどうぞ、みたいな感じで。丁寧な暮らしというのは、周囲の人の生活のペースと同調していくことでもある。


プラゴミで遊ぶ

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