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Tom's Photo Poem

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写真のイメージと詩の協奏を表現できればという試みです。ご覧いただければ幸いです。
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#写真

脳みそと右ネジ

脳みそと右ネジ

忘れじと右ネジで脳みそに固定した

外そうと電動ドリルを逆回し

食い込んだネジはなかなか外れない

染み込んでしまった思い込みに縛られ

同じことの繰り返し

ネジを外そう

ドリルは使わずに

意外に簡単さ

ネジに食らいついた脳みそを柔らかくすればね

「鉛筆とカメラ」

「鉛筆とカメラ」

ラジオからとても素敵な話が聞こえてきた
とっさに鉛筆を探す
メモしておかないとね

今日は子供の入学式
一年生
校舎の前の晴れ姿
記念に一枚、カメラでパチリ
子供の成長、記録しておこう

美術の授業
さあ、鉛筆を持って
石膏デッサン
ヴィーナス像を描いてみよう
あれ、同じヴィーナスなのに
みんな違って見えるね

石膏像をカメラで撮ろう
光をどこから当てようか
レンブラント光がきれいだね
撮り方は人

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気づきの写真術

気づきの写真術

さあ、カメラを持って街に出よう
世界が違って見えるはず
カメラの眼に映る街
おや、ビルの間に面白い景色が潜んでいるぞ

しばらく歩く

花壇の中にカメラを突っ込んで
花の下から仰ぎ見る
視点を変えると世界が新鮮

街には「上を向いて歩こう」の歌が流れる

つられて空に眼を向ける
一風変わった赤い雲
一期一会だね

カメラを持って外に出る
気づけなかった街の機微
隠されていた秘密の扉
シャッター押し

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Sunset meditation

Sunset meditation

喧騒の日々
広々とした河川敷
解放された空間へ

向こうにはスカイツリー
じっと眺めていると
土手の上を通る人が視野を遮る

その影が幻想となって
様々な思いが湧き出る

日々の暮らし
平穏であることの幸せ
その危うさ

日常を歌うことが反戦なんだ
と言ったフォークシンガー
を思い出す

自然の災害は避けがたいが
人間の争いは避けられる

日常を大切に
今を生きる

Sunset meditati

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「夕日のシルエット」

「夕日のシルエット」

世間の喧騒を避けて河川敷に

夕日に映えるスカイツリー

後ろから撮影姿を撮ってくれた

カッコよく撮れたでしょ

ありがとう

私のも撮ってくれる

いいよ

シルエットがいいでしょ

でも、「たぬき」みたい、私はカッコよく撮ってあげたのにな〜

「たぬき」なのは僕のせいじゃないよ

笑い声が夕日に響く

これもシルエット・ロマンス?

「皺と年輪」

「皺と年輪」

あれから何年たったろう
お互い歳をとったね 

皺も増えるわけだ

色々あったね
辛かったこと
苦しかったこと
みんな過去の良き思い出

ひとつひとつ
乗り越えるごとに
小さな皺になって
年輪のように刻まれた

知っているかい
年輪の輪が緻密なほど
木は硬く強いんだ

だから、君はとても
強くなったんだね

そんな君はとても美しいよ

一緒に歩いてくれて
ありがとう

「思う・思い遣る」

「思う・思い遣る」

空を見る
雲が流れる

水辺の梅の花
あなたを思う

梅の花の向こう側は
霞んで
よく見えないよ

思うだけじゃわからない
立ち位置が自分だからね

向こう側はどんな花
あなたの側に立って思う
思い遣るってそういうことかな

川面に雲が流れる
青い空が揺れている

あなたの思いが
わかった気がする
感謝

「水の力」

「水の力」

川沿いのいつもの散歩道
堂々として立派な岩
川の真ん中に陣取っている

あれ
こんな岩あったかな

この間の台風の大雨で流されて来たようだ
重いのに水の力はすごいね

小さな水滴は弱々しいのに
集まると力持ちだね

あんな立派な岩も動かすんだから

「のがをにとへよりからで」(私と格助詞)

「のがをにとへよりからで」(私と格助詞)

「の」
私の、私のと言う私
何でも欲しがる欲張り私

「が」
私が、私がと言う私
どこでも出たがるでしゃばり私

「を」
私をもっと見てちょうだい
自分が一番大切ね

「に」
私に何でも言ってもいいよ
心が広い私だね

「と」
私と一緒にやりましょう
みんな一緒に助け合う

「へ」
あなたへ、あなたへと言う私
思いやりの心だね

「より」
私よりあなたが大切ね
気持ちが外に向かってく

「から」

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「悲しい時は」

「悲しい時は」

悲しい時は思い出そう
優しいあなたの眼差しと
二人で眺めたあの景色
心のアルバム開きましょう

悲しい時は海へ行き
大海原を見渡そう
波の雫に涙をのせて
流してしまおう要らぬ過去

悲しいときは山登り
天の上から見下ろそう
みんな小さく見えるでしょ
風も悲しみ吹き飛ばす

悲しい時は笑いましょう
大きな声で、ワッハッハ
笑顔が悲しみ包み込む
悲しみも笑い出す

「寂しいときは」

「寂しいときは」

寂しいときは 目をつむり
寂しいときは 君想う

寂しいときは 野を歩き
寂しいときは 花愛でる

寂しいときは 空見上げ
寂しいときは 雲に乗る

寂しいときは 目をつむり
寂しいときは 君想う

「しがらみ」

「しがらみ」

どうも身動きできないと思っていたら
蔓(ツル)がからみついていたよ

気がつかなかった
知らないうちにこんなに太くなっていた

切ってしまおう
自由に羽ばたくために

過去に戻ろうなんて思っちゃいないよ
昔話はここまでさ

今から始まる未来
ワクワクするね

旅立とう
しがらみは捨てて

新しい世界が待っている

「髭と母」

「髭と母」

散歩道にて髭のように生えた草に出会う
母を思い出す

母は昭和元年生まれ
生家は名主といわれた豪農
乳母に育てられ女学校にも通う
戦後まもなく農家に嫁ぐ

訳あって父と家を出て母の実家に戻る
住まいは実家の厩(うまや)
私はそこで産まれた
ミカン箱をテーブルにしてスタート
私が物心ついた頃は既に小さな家に引っ越していた

ただよく実家の農作業を手伝いに行っていた
母は子らに貧しさを感じさせなかった

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「人生の節目」

「人生の節目」

生まれてから30年
学校も卒業し
社会人になり
そこそこ働いてきた

我が道を振り返る
自分は何をして来たのだろうか
道を間違えていないのだろうか
ふと、我にかえる

どうやら人間は30年毎に
おのれを振り返るらしい
気を取り直して歩もう

次の30年
働き通しだね
あっと言う間に還暦を迎える
また振り返る

老いを感じる
自分の足跡
これでよかったのだと
言い聞かせる

またまた30年
今度は9

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