マガジンのカバー画像

Tom's Photo Poem

22
写真のイメージと詩の協奏を表現できればという試みです。ご覧いただければ幸いです。
運営しているクリエイター

2020年2月の記事一覧

「偶然という約束」

「偶然という約束」

どきどき わくわく
初めてのデートの約束

時間になっても来ないあなた
とても心配したよ

2回目のデート
また1時間遅れてきた
やっぱり心配

3回目のデート
あれ? どうしたの

4回目のデート
どうしていつも遅れるの?

「ごめんなさい」を期待して、怒ってみせた

今度から約束しない

え? 何それ

私、偶然会うのが好きなの

・・・

あれから何年たったかな

いつもの通り、仕事を終えて

もっとみる
「のがをにとへよりからで」(私と格助詞)

「のがをにとへよりからで」(私と格助詞)

「の」
私の、私のと言う私
何でも欲しがる欲張り私

「が」
私が、私がと言う私
どこでも出たがるでしゃばり私

「を」
私をもっと見てちょうだい
自分が一番大切ね

「に」
私に何でも言ってもいいよ
心が広い私だね

「と」
私と一緒にやりましょう
みんな一緒に助け合う

「へ」
あなたへ、あなたへと言う私
思いやりの心だね

「より」
私よりあなたが大切ね
気持ちが外に向かってく

「から」

もっとみる
「悲しい時は」

「悲しい時は」

悲しい時は思い出そう
優しいあなたの眼差しと
二人で眺めたあの景色
心のアルバム開きましょう

悲しい時は海へ行き
大海原を見渡そう
波の雫に涙をのせて
流してしまおう要らぬ過去

悲しいときは山登り
天の上から見下ろそう
みんな小さく見えるでしょ
風も悲しみ吹き飛ばす

悲しい時は笑いましょう
大きな声で、ワッハッハ
笑顔が悲しみ包み込む
悲しみも笑い出す

「寂しいときは」

「寂しいときは」

寂しいときは 目をつむり
寂しいときは 君想う

寂しいときは 野を歩き
寂しいときは 花愛でる

寂しいときは 空見上げ
寂しいときは 雲に乗る

寂しいときは 目をつむり
寂しいときは 君想う

「しがらみ」

「しがらみ」

どうも身動きできないと思っていたら
蔓(ツル)がからみついていたよ

気がつかなかった
知らないうちにこんなに太くなっていた

切ってしまおう
自由に羽ばたくために

過去に戻ろうなんて思っちゃいないよ
昔話はここまでさ

今から始まる未来
ワクワクするね

旅立とう
しがらみは捨てて

新しい世界が待っている

「髭と母」

「髭と母」

散歩道にて髭のように生えた草に出会う
母を思い出す

母は昭和元年生まれ
生家は名主といわれた豪農
乳母に育てられ女学校にも通う
戦後まもなく農家に嫁ぐ

訳あって父と家を出て母の実家に戻る
住まいは実家の厩(うまや)
私はそこで産まれた
ミカン箱をテーブルにしてスタート
私が物心ついた頃は既に小さな家に引っ越していた

ただよく実家の農作業を手伝いに行っていた
母は子らに貧しさを感じさせなかった

もっとみる
「人生の節目」

「人生の節目」

生まれてから30年
学校も卒業し
社会人になり
そこそこ働いてきた

我が道を振り返る
自分は何をして来たのだろうか
道を間違えていないのだろうか
ふと、我にかえる

どうやら人間は30年毎に
おのれを振り返るらしい
気を取り直して歩もう

次の30年
働き通しだね
あっと言う間に還暦を迎える
また振り返る

老いを感じる
自分の足跡
これでよかったのだと
言い聞かせる

またまた30年
今度は9

もっとみる
「本当の君」

「本当の君」

水には色が無いと思っていた

水面の中にたくさんの色を見つけたよ

凄い才能持っているんだね

いつも黙っていたからわからなかった

心が綺麗だね

触れることがなかったから知らなかった

本当の君は素敵だね

表の姿だけしか見ていなかった

本当の君は多彩だね

「アシとヨシ」

「アシとヨシ」

そこにいるのは誰だ

そこにいるのは何だ

何を隠している

善良な心と邪悪な心

人は二つの心併せ持つ

善が勝つか、悪が勝つか、君次第

良い時も、悪い時もある人生

善悪は万物いずれも合わせ持つ

「人間は考える葦である」

だから

葦は、悪しとも良しとも読むという

「春の波」

「春の波」

陽射しに後押しされ
キラキラと
波が小走りに進む

小春日和の午後
ゆっくり進む時間
を楽しむ

空を仰ぐ

「草場の道筋」

「草場の道筋」

ざわざわ

ざわざわ

この道、大丈夫かな

誰かが通った後があるよ

いや、獣道じゃないの

これからどうなるの

これまでの生き方ふりかえりゃわかるさ

変えたいなら今だよ

ざわざわするならね

「春の転生」

「春の転生」

冬の花壇には見るものがない

嘆くなかれ

のぞいてご覧

見えないだけだよ

なぜ枯れるか知ってるかい

明日への準備

生まれ変わるのさ

春はもうすぐ

「梅と桜とあなたと私」

「梅と桜とあなたと私」

梅は、香りで和ませる。

桜は、散って揺るがせる。

梅に桜を望んでも、桜のようには散れないね。

あなたのようにいかないけれど、

私は私の術がある。

梅には梅、桜は桜の務めあり、

金子みすずじゃないけれど、

あなたと私、

みんな違って、みんないい。