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のらねこ、写真のテーマなんて壮大なものよく分からない

“写真は風景ではなく物語を撮るもの” という考え方があります。
プロの写真家なら、そういう気概のある人もいそうですよね。

またプロの写真家じゃなくても、日常的に何か物事を評価するとき、「まるで1つの物語だ!」という褒め方をしたりもします。
絵画・音楽などの芸術作品しかり、場合によっては料理なんかにも言ったりします。
とても大きな深みがある、という意味です。

だとすると物語という言葉は、結局のところ “すごく壮大なもの” ってことになる???
であれば素人である我々が、写真で物語を表現するなんてできる?
無理?
どっちなんっっっだいっ!

皆さん、こんにちは。
あるいは初めて見てくださった方、記事をクリックしてくださりありがとうございます。
僕は目標管理Webサービス Project Sylphius の開発・運営をしています、TOMCAT HEART の中島です。

毎日つらいことばかり。がんばってるはずなのに報われない。自分はもう少しハッピーになれてもいいはずだ。
いつもいつも、そんなふうにばかり感じている人に足りないもの。それは “目標管理” です。
目標管理スキルさえあれば、やりたいことは何でもコミコミ全部まるっと解決します!
だって目標管理ができるってことは、達成までの道筋が作れるってことですからね。

この のらねこに何ができる? では、どうすれば目標管理が正しくできるのかをお伝えするため、僕自身が計画を立てて自分で実践してきた色々なことを、連載形式で分かりやすく、なるだけ面白くお伝えする主旨となっております。

現在連載中の “のら写真家に物語は撮れる?” では、物語性のあるいい写真の撮り方を、アマチュア写真家歴20年のキャリアを活かして研究していきます。

全体の執筆計画はこちら:
1. いい写真にはテーマが必要
2. テーマと物語性の関係(今回)
3. 撮影の基礎知識
4. 構図設計のやり方
5. 物語の表現の仕方
6. 写真に写る情報を整理する
7. レタッチの重要性

過去のバックナンバー

1. 自分の気持ちを時間軸で表せば何でも分かりやすくなる

前回は写真撮影におけるテーマの概念の話でした。
“テーマとは: 撮影者自身の気持ちである” という結論でした。

  • 気持ちという概念は頭の中のモヤモヤしたもの

  • いい写真を撮るためにはそれをはっきりと言葉にする必要がある

  • でもそれってけっこう難しいよね

ってところまでだったと思います。

ですが自分の気持ちを分かりやすく表現する方法があります。
それが “物語化” です。
自分の気持ちを物語にすれば、テーマはぐんと分かりやすく、言葉にしやすくなるんです。

別に 小説家になろう! とかじゃなくて、もっと簡単でいいんです。
テーマを言葉にするのは、自分に分かりやすく説明するため。
であれば、物語化して返って難解化してしまったのでは本末転倒です。

じゃあ、物語化ってどうすりゃいいのかって、とっても簡単。

  • 今この瞬間にどういう気持ちだったかじゃなくて

  • こういう気持ちから ⇒ こういう気持ちに変わった、という時間軸で感情を表現するんです

たとえば。
つまらないギャグを言われてイラッとしたときの「イラッ」は、そのまま言葉にするにはちょっと強すぎます。
「ギャグにイラッとした」だと、そんなのただの心が狭い人です。
そうじゃなくて、ギャグに対する「イラッ」はもっと微妙な感情で、人によっては疲労感も伴います。
このニュアンスを正確にピンポイントで伝える言葉は、日本語にはありません。

ですから、「仕事が早く終わって定時で上がろうとした瞬間、上司から『残業、ざんぎゅう、さんきゅ~、ってな! 残業よろしく!』と陽気に言われたときのイラッ」と時系列で表現すれば、イラッの方向性や強さが的確に表現できます。

ポイントは、感情がどんな状態からどんな状態に変化したかを表現している点です。

2. だから物語は壮大じゃなくていい

単に「物語」とだけ言われたとき、一般に多くの人がイメージするものは、こんな感じのものでしょうか。

  • 主人公がいて

  • その主人公がトラブルと葛藤に見舞われ

  • それを解決するまでの道筋があるもの

人にもよるでしょうけど、こんなモンでしょうかね。

でも残念!!
これ、違います! 物語の定義じゃありません!
プロが作る最高の作品はだいたいこんな感じかもしれませんが、でも物語という概念それ自体はもっと簡単でいいんです。

物語とは、

  • 主人公がいる

  • 感情の変化がある

この2つの条件が満たされている状況を “物語” といいます。
といいます っていうか、これくらい簡単じゃないと、素人がいきなりプロ級の写真撮るとか絶対無理です。

なおかつ、ここでいう主人公ってのは何も人間じゃなくたって、擬人化して人間と見做せるならそれでも構いません。
猫、洗濯物、こいのぼり、花、雲、あるいは戦争などの概念とかとか。
あなたが人間のように扱えるものは、何でも人間として扱っていいんです。

で、それらに時間の流れ、つまり感情の変化があれば、何でも物語として扱えるわけ。

プロの描く物語には必ずドラマがあり、葛藤がありますが、素人は別にそっから入らなくていいです。
トラブル不要。
悩み不要。
葛藤不要。
大逆転劇も大団円も、もちろん入会金も更新料もいりません!

人間がいて、そこに時間の流れがあれば物語としては成立します。
とにかくまずは、写真という静止画を使って時間の流れを表現できるようになることが、いい写真を撮るうえでの第1歩なのです。

3. 素人でも使いやすい物語の例

たとえばこんなのどうかな。

オッサン、コンビニで凄い商品見つける

そういうテーマの写真。
くだらないと思う?
オッサンがコンビニで買い物してるところ写真に撮っても、何の面白味もないと思う?
でも面白味なくたって、物語の定義は満たしてるでしょ?
凄い商品を見つけて、気持ちがパッと嬉しくなったっていう感情変化があるじゃん。

てことは、少なくとも何の考えもなく撮った写真よりかはマシってこと。
事実、そういう写真がTwitterでバズったりしてるし。

初心者はこれくらいありふれたテーマの方が使いやすいんです。

もしくは、どうしても面白味が欲しければ、感情を捏造したっていいじゃん。
物凄いヘトヘトに疲れてるときに、大・大・大好きだった思い出のお菓子を発見してウルトラスーパーハッピー! とかね。

実際にはそんなに大したもの見つけたわけでじゃなくてもさ、さすがにそこまで写真に写らないって。

“人間” もしくは “擬人化できる何か” を主人公にして何らかの時間の流れを表現できれば、物語のある写真としては成立するわけです。
なので、あくまで例えばですけど、以下のようなアイデアも使えるわけです。

  • 奥さんが美味しそうに食べてるプリンが意外なほどマズかった

  • 雲が面白い形に変わった

  • 以前は蕾だった花ががんばって咲いた

  • さっきまで泣いてた子供が楽しそうに遊んでる

  • こないだまで病気だった犬が跳ねている

とかとか。
被写体なんてそのへんにあるもので十分。

問題は感情の変化を表現できるかどうかだけなわけです。

4. 写真における時間の流れの表現法

これがもし動画の撮影であれば、時間の流れを表現するのは簡単です。
録画ボタンを押して数秒後に停止ボタンを押せばいい。

でも、だとしても、オッサンがコンビニで商品を手に取るところを動画で撮っても、写真で表現するよりも圧倒的に面白くありません。

なんでかってぇと、その動画クリップには確かに時間の流れはあるかもしれないけど、“感情の変化は表現できていない” からです。
ですので写真というのは、感情が変化した瞬間をがんばって表現することが大事になります。

例1. 夕日の中の街並み

たとえば、以下の 写真1 と 写真2 。

写真1
写真2

どっちも夕日の写真であることには変わりません。
けど、どっちが物語を強く感じるかでいえば、圧倒的に街並みが写っている方です。
なぜなら街並みってのは、そこで人間が暮らしてる証拠でもあるからです。
人間が暮らしを営んでいれば、必然的に感情の変化はあります。
仮に、そこに写りこんだ物語が大したものじゃなかったとしても、なんの物語もないよりは遥かにマシです。

同じように、写真で時間を表現するには、時間が経過している証拠を写すことがポイントになります。

例2. 捨てられたぬいぐるみ

道に落ちて汚れたぬいぐるみって、なんかつい撮りたくなっちゃうよね。
なんでかってぇと、なんか面白く感じるから。

写真に撮りたいとまでは思わなくても、「なんでこんなところに?」って想像とかしたくはなっちゃうでしょ?
それはつまり、汚れたぬいぐるみはもともと子供に遊ばれていた証拠だから。

だから道端に普通に落ちてる被写体の中では、石ころや雑草なんかと比べると ぬいぐるみ は撮りたくなりやすいです。
無意識のうちに、みんなそこに元の持ち主の感情変化(物語)を感じてるってことなんだよね。

例3. 釣り餌入れに使われている古びたワンカップ

お酒のコップの中に、虫とかウゾゾとか入ってると、そこに物語を感じます。
オッサンが飲んだあと「ちょうどいいや」ってんでひょいっと釣り餌を入れて、しかもそれを何年も使い古してたりすると、そこに時間の流れを感じるわけです。

ワンカップそれ自体は大したことなくても、“釣りに一喜一憂するオッサン” という感情表現が可能です。

例4. 花のトンネル

全国各地の植物園には、ときおり “花のトンネル” があることがあります。
そういうのって、ただ花壇に咲いてるヤツと比べると、被写体にしたくなます。
だって、“スタッフががんばって作った” っていう感情を感じるからね。

もちろん植物園の植物はみんな1本1本スタッフが世話してるんだけど、でもそこに創意工夫があった方が感情は入り込みやすいのです。


写真で物語を表現するポイントは、

  • 人間または擬人化できる何か を主人公にする

  • その主人公の感情の変化を表現する

この2つを守るだけで、写真はすごくよくなりますよ!
カメラなんて手持ちのスマホで十分なんで、次のお休みにでもトライしてみてくださいね!

ではまた。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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