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【制作秘話】YouTube初投稿作品『星影のエール』【トンボ楽器】

コロナ禍とYouTubeチャンネル開設

2020年、コロナ禍の影響もあり、わが社トンボ楽器でも遂にYouTubeチャンネルを立ち上げることになりました。
ホームページのリニューアルやオンラインコミュニティなど、少しずつ進めていた企画が一気に加速することになったのは、Web担当としては嬉しくもあり、しかし、やはり複雑な気分でもありました。

2020年のNHK朝の連続テレビ小説と言えば『エール』。
主人公は東京オリンピック(1964年)のオリンピック・マーチやプロ野球の応援歌(六甲おろしや闘魂こめて)などを作曲した古関裕而さんでした。
彼は少年時代に出会ったハーモニカをきっかけに音楽へ興味を持つこととなり、偉大な作曲家へと成長していきます。

このドラマの制作に、トンボ楽器もハーモニカに関する時代考証などで協力させていただいたこともあり、『エール』の主題歌『星影のエール』を、トンボ楽器YouTubeチャンネルの初投稿作品として制作しようということになりました…と、それに至るには実はもう少しエピソードがあります。

トンボ楽器の社員とは…

楽器の製造メーカーであるトンボ楽器ですが、社員は皆、何かしらの楽器を趣味としており、ハーモニカイベントではバックバンドとして演奏も行っていました。

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コロナ禍でイベントが軒並み中止となり、『トンボバンド』も活躍の場を失ってしまいました。そんな折、アコーディオン担当のポニーまさよさんから、社内で演奏動画を作成し、YouTubeでアップしましょう、という企画が持ち上がり、それがYouTubeチャンネル開設へと繋がっていったのです。

昔映像の仕事をしていたこともあり、撮影&編集は私が、演奏の録音やMIXは長井課長が担当することになりました。

初の動画作品『星影のエール』が完成

前置きが長くなりましたが、まず一度完成した動画をご覧ください。

単純に演奏をコピーした動画、ではありません。
長さもフルコーラスではなく、テレビサイズです。
やはり動画なので何かしらストーリーがあった方が楽しそうだし、トンボ楽器という会社を少し紹介できればいいなと思い、構成を練りました。
ちなみに冒頭の口笛は長井課長で、バックの効果音はトンボ楽器埼玉工場で日常的に響いている部品製造時の音です。

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『星影のエール』はとてもキャッチ―なメロディで、どこを切り取っても印象的ですよね。

動画はどのようにして制作されたのか

この動画の演奏はハーモニカがメインで、短い中にも3種類のハーモニカが活躍しています。

そう、ハーモニカって一種類ではないんですよ!
過去には今よりもたくさんのハーモニカがありましたが、色々と淘汰されて今残っているのは主に『複音ハーモニカ』『10ホール・ハーモニカ』『クロマチック・ハーモニカ』の3種類になります。(それ以外にはアンサンブル用の特殊なハーモニカなどもあります)

この3種類、どれも吹き方や音の配列が違います。もちろん音色も違いますが、そこは同じリードという薄い金属片が振動して鳴る仕組みなので、大きくは変わりません。
意外とマニア心をくすぐる楽器なんです。

それでは演奏解説に参りましょう。
出だしのAメロはクロマチック・ハーモニカを使用。奏者はシグネチャーモデルの整調も担当する職人、垣渕昭宏氏。弊社Webサイトの匠コーナーでも紹介されています。

垣渕

個人的にYouTubeチャンネルも開設されており、精力的に創作活動をされています。

Aメロの続きは複音ハーモニカ。
高齢者が吹くイメージの強い複音ハーモニカですが、奏者の正井佳瑞麻くんはヤングです! 複音ハーモニカはピッチが微妙にずれた2枚のリードを同時に鳴らすので、トレモロが生じるんですね。これが哀愁感もあって日本人の心に響くのです。
正井くんはコンテストに入賞するくらいの複音ハーモニカの腕前です。もっと若い人にもこの魅力を知ってほしいですね!

正井02


Bメロはこのクロマチック・ハーモニカと複音ハーモニカの2重奏。
工場の正門前で吹いています。一方通行の道ですが、意外と車や歩行者も通るので撮影タイミングが難しかったですね。

Bメロ

そしてサビは10ホール・ハーモニカ。
工場前の公園で、どことなく哀愁を帯びた表情でブルージーな音を奏でるのは増尾武さん。
10ホール・ハーモニカはベンドという音を変化させるテクニックによって、とてもコンパクトな楽器ながら表現力もあり、ポピュラーミュージックでも多く使用されています。
トンボ製のメジャーボーイという機種は、長渕剛さん、ゆずさんなどが愛用しています。
増尾さんもこの10ホールの虜で、色々と演奏されています。

増尾1

その後、我々トンボバンドメンバーも少し登場します。
それぞれメインの楽器を担当し、アンサンブルを盛り上げます。

アンサンブル1

アンサンブル2

後半は各種ハーモニカのユニゾンにアコーディオンも加わります。
色々な場所で吹いてもらったので、工場の内部を少し垣間見ることもできます。

アコーディオンを弾いているのは弊社の社長です。

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知る人ぞ知る、トンボの社長、真野照久氏はアコーディオン・プレイヤーとしても数々のステージをこなしているのです。ちなみに、会長もアコーディオンの優れた奏者で、CDも出しているのです。

会長演奏0

ということで、トンボ楽器のYouTube初投稿作品、
星影のエール(GReeeeN)3種類のハーモニカを使って演奏してみた【トンボ楽器】
は、こうして誕生したのです!

★録音秘話については長井課長に投稿していただきましょう!


TOMBO-ism
文章:Web担当 はらよし


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