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「努力革命」を読んで、生成AIを活かせないオジサンは人生の周回遅れが確定

「ChatGPTさえ使いこなせば、今までやって来たようなシンドイ努力なんてしなくても人は成長して成果もあげられるんだよ」

こんな都合の良い話を持ちかけられたら、あなたはどう答えますか?

①あり得ない。努力しない人に成果など生まれない
②賢くて才能がある人の話で普通の自分には関係ない
③胡散臭い。うまい話には乗らないでおこう

こんにちは。まさ@アップデートする情シスです。今日は、伊藤羊一さんと尾原和啓さんの共著である「努力革命 ラクをするから成果が出る!アフターGPTの成長術」の感想と、IT部門の果たすべき役割についてのお話です。

5月22日に幻冬社から発売

努力革命

努力革命 ラクをするから成果が出る!アフターGPTの成長術」という本を読んで衝撃を受けたしまいました。

本を開き、パラパラとページをめくり、初めの導入部分と目次を見ただけで「うーん、凄い」と唸ってしまったのでした。

なぜなら、、、

「ChatGPTさえ使いこなせば、今までやって来たようなシンドイ努力なんてしなくても人は成長して成果もあげられるんだよ」

という何とも胡散臭いことを、冒頭の数ページ読んだだけで納得してしまったからです。

それもそのはず、この本は「1分で話せ」の伊藤羊一さんと、「プロセスエコノミー」や「アフターデジタル」の尾原和啓さんの共著。

スタートアップ・リーダーシップ育成のプロと、デジタル革命・DXのエバンジェリストがタッグを組むと、生成AIの活用という難しい命題も、こうも簡単に言語化できてしまうのか、と感激してしまいました。


1.頭の良さはコピーできる

「あの人は頭が良い」

それは具体的にどういうことなんでしょう?

・知識が豊富で引き出しが多い人
・頭の回転が速くどんな質問にも的確にこたえることができる人
・論理的で聞いた誰もが納得する話ができる人

本書では、次のように「頭の良さ」を言語化しています。

①より多くの事実や事象を捉える
(引き出しをたくさん持つ)
②それらを他の事象につなげる
(推論する)
③それを自分にとって意味ある情報に置き換える(転用する)

例えば「スタバに行列ができる」という事実からその理由を推論せよ、と言う問いを与えられたとしましょう。

頑張って推論してみましたが、以下の文書を書くのに20分ほどかかってしまいました。

▶「話題性のあるイチゴの新商品がスタバのスマホアプリで配信された直後だから。スタバブランドを信仰するファンは多く、彼らは行列をしてでもいち早く購入しようと行動する」

▶「落ち着いた雰囲気の店で美味しいコーヒーを飲みながらミーティングをすると言うスタイルを好むビジネスマンが増えているから。場所は丸の内などのビジネス街。時間帯はランチ終わりの午後1時頃」

これをChatGPTに考えてもらったらどうなるでしょう?

ものの2分で以下の答えを導いてくれたのです

▶プロンプト
あなたは頭の良いビジネスマンです。 「スタバに行列ができる理由」についてもっともらしい根拠を3つあげよ

▶︎回答
もちろんです!スターバックスの行列ができる理由について、以下の3つの根拠をご紹介します。

1.過疎地域における競争相手の少なさ:
スターバックスは、過疎地域に出店することで競合他社が少ない状況を利用しています。例えば、北海道の釧路市では人口減少が著しく、国の過疎地域に指定されています。このような地域では競合他社が少なく、スターバックスの存在が注目され、行列ができることがあります

2.ブランド力と特別感:
スターバックスは世界的に有名なブランドであり、その名前自体が特別感を持っています。人々はスターバックスでコーヒーを飲むことで、自分を着飾ることや特別な体験を楽しむことを求めています。 (以下、省略)

いかがですか?
これが生成AIのひとつ目の特長である「頭の良さはコピーできる」です。


2.経験もコピーできる

生成AIのふたつ目の特長は「経験をコピーする」ことです。

これは比較的分かり易いと思います。

ビジネスマンにとっての経験や工場の熟練工の経験値、コンサルタントや専門家の経験は、インターネット上に溢れています。

しかし、難しいのは、その膨大な情報量の中から「自分にとって最も有用な情報をどう取捨選択するか?」ということと「それをどう要約したり言語化するか」なのです。

取捨選択するだけなら検索エンジンで十分役割を果たしますが、それ以上のことは人間が経験を積んで自力でやらなければいけないのです。

今あるものを探して羅列するだけの検索エンジン」と、「ないものを作り出してくれる生成AI(ChatGPT)」との一番の違いがそこにあります。

早速ChatGPTに経験のコピーをお願いしてみました。

▶プロンプト
イーロン・マスクの本や講演で経営に関する内容を要約して

▶回答

イーロン・マスクは、アントレプレナーシップについて学んだかどうかについては、体系的に学んだことはないでしょう。アントレプレナーシップは純粋に「精神性」に由来するものであるため、  (中略)  以下は、イーロン・マスクの起業と経営に関する要点です

1.目的志向: イーロン・マスクは、ビジョンと目的に基づいて行動します。
2.リスクを恐れない姿勢: イーロン・マスクは大胆なリスクを取ります。彼は「大航海時代の探検家」と同様に、未知の領域に挑戦し、新しい技術やビジネスモデルを開発しています。
3創造性と革新: 彼は常に新しいアイデアを生み出し、既存の枠組みを超えて考えます。 (以下、省略)

▶プロンプト
次に、この内容を元にして私が設立するIT企業の企業理念を作成してくれ

▶回答
もちろんです!あなたのITベンチャー企業の企業理念を作成します。以下は、イーロン・マスクの哲学からインスピレーションを得た企業理念の例です。あなたのビジョンや目的に合わせてカスタマイズしてください。

-企業理念:
革新と持続可能性を追求して社会に貢献する
-ビジョン
私たちは、技術の力で世界を変えることを信じています。私たちのビジョンは、持続可能な未来を築り、人々の生活を向上させることです。
-使命
◎革新: 私たちは、伝統的な枠組みにとらわれず、新しいアイデアと技術を追求します。私たちの製品とサービスは、常に進化し、改善されていくことを約束します。
◎持続可能性: 私たちは、地球環境と社会に配慮したビジネスを展開します。 (以下、省略)

これが生成AIのふたつ目の特長である「経験もコピーできる」です。


3.センスまでもコピーできる

「あの人の書く提案書はセンスがある」
「センスないからイラストはプロに任せよう」

実はここでいう「センス」は、絵を書いたり、音楽を作ったりと言うクリエイティブなセンスだけではないのです。

いわゆる「ビジネスセンス」です。

別の言葉で言い換えると

アイデアのたたき台作り

がこれに当たると思います

アイデアのたたき台作りをChatGPTが補ってくれるのは非常に有難いと思いませんか?

早速、やってみました。

▶プロンプト
将棋やチェスの魅力を5個挙げてください

▶応答
もちろんです!将棋の魅力を5つ挙げてみましょう。
戦略と思考の奥深さ: 将棋は、単なる駒の動かし方だけでなく、戦略的な思考が求められるゲームです。
多様性のある戦法とオープニング: 将棋にはさまざまな戦法があり、同じ局面でも異なるアプローチが可能です   (以下、省略)

▶プロンプト
「将棋やチェスの魅力」と「アメリカ人の趣味の特長」。この両者を掛け合わせたアメリカ市場向けの新しいエンタメサービスのアイデアを考えてください

▶応答
もちろんです!将棋やチェスの魅力とアメリカ人の趣味の特長を組み合わせた新しいサービスのアイデアを考えてみましょう。

アイデア: “Grandmaster’s Challenge”

このサービスは、将棋やチェスの魅力を活かしながら、アメリカ人の好奇心と競争心を刺激するものです。具体的な概要は以下の通りです。
将棋とチェスの対局: ユーザーは将棋とチェスの対局を楽しむことができます。プロの棋士やチェスのグランドマスターと対局する機会も提供します。
エンターテインメント要素: 対局はスペクタクルとして演出され、観客も楽しめるようにします。ライブストリーミングやコメント機能を活用して視聴者との対話も行います。
賞金とトーナメント: 定期的なトーナメントを開催し、最高のプレイヤーを決定します。 (以下、省略)

これが生成AIの3つ目の特長である「センスさえもコピーできる」です。


4.周回遅れになるか?ゲームチェンジにのるか?

本書では、生成AIの不得意な一面もしっかり伝えています。


「生成AIは万能ではない。
ウソもつくし、
最新情報は学習されていないから
時事ネタには知らんふりをする」

それでも、本書は今までの努力の概念を変えて、生成AIを使った「これからの新しい頑張り方」を示唆してくれています。

今まで何年もかけて頑張って努力しても手に入れることが出来なかったことは、簡単にコピー出来る時代になりました。

「じゃあ人間は、その次に何を頑張ったらいいかを自分で考えて実行に移しなさいよ」

そんなことを問われているのではないでしょうか?

特に、50歳を超えた
「サードエイジ」の人達は

50歳を超えて、定年が近づいた「サードエイジ」。

体力や記憶力が衰える中、これから何を学び直し、何を捨てるのか。今までの「がむしゃらな頑張り」だけでは、周回遅れになるのは目に見えています。

一方で、「もう50過ぎたから、俺はもう引退。のんびりやるよ」と頑張らない宣言をして達観している人もいたりします。

しかしそんな彼らは、70歳まで住宅ローンを抱えて働き続けないといけない現実とどう向き合うつもりなのでしょうか?

特に我々バブル世代は、あっという間に
周回遅れのオジサンに
成り下がってしまうのです


老害と呼ばれながらも、会社の中で存在感を示して成果を出さないといけないと焦っていませんか?

「もっと頑張れ。俺の背中を見ろ!」なんてこと言って、若手の足も引っ張ってませんか?

だから、もう、生成AIと仲良くして、楽しく楽して成果を出す方向にゲームチェンジしないといけないんですよ!



IT部門の役割

従業員の年齢ピラミッドを考えた時、企業側も当然、40代後半から50代の「サードエイジの戦力化」を望んでいます。

若手社員を対象にしたデジタル推進人材の育成や、外部リソースを活用したDXの推進を推進する一方で、長年貢献した人を見捨てたり、置いてきぼりにするわけにはいかないのです。

しかし、「サードエイジの戦力化」には高い障壁が立ちはだかります。

それは「デジタルに対する苦手意識」です

苦手意識を解消するためには、スマホを扱うのと同じように使いやすいサービスやツールを提供し、さらには粘り強く研修を行い、社内コミュニティなどでユーザ同士で教えあいサポートしあう環境作りをする必要があります。

これからの時代、IT部門がこういった役割を担うことになるでしょう。

IT部門の価値は、人の育成や組織の維持や活性化にまで広がっていると言っても過言ではありませんね。

同じIT部門のみなさん、頑張りましょう!


最後に一言

「何年かかるんだろう….」

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