2時間で完結。バックオフィス部門のための生成AI活用勉強会③ 応用プロンプト編
情シス部門が生成AIの業務利用を推進するにあたりまず始めたのは社内勉強会。その準備から講習内容、振り返りも含めてnoteで綴る「生成AI活用勉強会シリーズ」の3回目です。
▶前回までのおさらい
第1回目は企画から準備、そして生成AIとは何か?という基礎編のコンテンツを紹介しました。
第2回目は勉強会の講習内容のキモである「プロンプト」を初心者にどう教えるか、試行錯誤の様子を描きました。「質問/アドバイス」「メールや文章の作成」の基本パターンの基礎と実習用のExcelシートを紹介しました。
さて、ここから少しずつ生成AIとプロンプトの深みに入っていきます。
▶プロンプトの基本パターン③ 文章の要約 [10→1]
今回はプロンプトの基本パターンの3つ目「文章の要約」からスタート。これは、自分で作成した文章や他人の記事を生成AIに要約やまとめを指示する使い方です。
私はこれを、指示の中に長文のテキスト(コンテンツ)を含めてそれより文字数の少ない別のコンテンツを生成する事から「10→1パターン」と呼んでいます。
早速利用シーンを挙げながら解説していきましょう!
利用シーン:経理部門
経理部門が取引先に対してインボイス制度に関する説明会を開くことになりました。この資料作成に生成AIを活用してみましょう。
ステップ1:全体構成を作ってもらう(0→1)
まず最初に、以下のプロンプトで全体構成を作ってもらいましょう。
こんな感じの構成案を作ってもらいました。
さあ、この次は作文してもらいましょう。もちろん最初から作るような0→1パターンのプロンプトで指示を出すことも出来ます。
しかし、出所がわからない文献を要約してもらっても後々困るので、今回は国税庁の公開資料を要約する10→1パターンのプロンプトで説明文を作成してもらうことにしました。
ステップ2:インボイス制度を分かり易く要約してもらう(10→1)
早速「1.主題: インボイス制度の基本的な概要」部分の説明資料を要約して作ってもらいましょう。要約元の情報として、国税庁のホームページや資料を指定します。
対象のページのURLやPDFファイルのURLをプロンプトに含めて指示を出してみましょう。
試行錯誤が必要かもしれませんが、何度かプロンプトを工夫することで生成AIは、求めているアウトプットを出してくれるようになります。
利用シーン:経営企画部門
経営企画部門が作成する事業戦略や市場調査の資料作成にも生成AIは活用できます。
如何でしたか?この調子で違うパターンを試してみましょう!
▶プロンプトの基本パターン④ 文章拡張、表現見直し [1→10]
何を隠そう、私がnoteの記事執筆で実際に使っているのがこの使い方です。自分で作成した文章の構成の見直し、言い回しや表現、誤字脱字などを修正して元のコンテンツをより良くしたり、膨らましたりしてくれます。
私はこれを、比較的少ない文章を膨らませてくれるので「1→10パターン」と呼んでいます。
利用シーン:広報部門
活用例として、社内広報の文章の校正や表現の見直しをとりあげてみます。
ここでも、AIが期待通りの文章に仕上げてもらうためには「スポーツ新聞の記事風でお願いします」や「起承転結の構成で読者の共感が生まれるようなコラムを作成して下さい」「1200文字以内で」など、指示を具体的に書くことが重要でなのです。
▶プロンプトの基本パターン⑤ 文章の変換 [1→1]
最後に紹介するのが文章の変換です。具体的には、文章の言い回しの変換や日本語から英語のような翻訳がこれに当たります。ボリュームを変えないで目的に合わせて変換するので「1→1パターン」と呼んでいます。
利用シーン:情報システム部門
利用者からの問い合わせや、技術的な内容を調査するために海外の技術文献を読まなければいけない場合があります。このような場合も、単にウエブサイトを検索するのではなく、生成AIにその内容の翻訳とまとめを依頼しましょう。
▶まとめ
いかがでしたか?生成AIの勉強会に限らず、情シス部門が利用部門に対して実施する勉強会では「具体的に自分たちの業務でどう使えばいいのか?」をイメージできるようにすることが重要です。
生成AIも同じく、機能や操作の説明よりも「業務での利用イメージとメリット」を伝えてあげることで、学習効果を高めることが出来るのです。
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