2時間で完結! バックオフィス部門のための生成AI活用勉強会① 立ち上げ奮戦記
残念ながら、我が社は生成AI活用で出遅れてしまった。
競馬に例えると、府中芝2000mのスタートでで出遅れ、第2コーナーでは後方集団の外側を走っているような感じと言えば分かって頂けるでしょうか…
そんな我が社も半年ほど前、ようやく生成AIを業務で活用するための第一歩を踏み出すことになリました。
「じゃ、あとはよろしくね。」
ある日の業務改善ミーティングの席上で、上司であるブチョー殿は、私にそう言い残し静かに部屋を出て行きました。
その瞬間、予算0️⃣、手弁当の「生成AI活用プロジェクト」がスタートしたのです。
情シス部門の端くれとしては、予算0️⃣だろうが、担当が自分ひとりしかいないとか、色々な事情はさて置き、燃えない訳にはいきません🔥
この記事は、そんなワタクシが無料セミナーを受けまくり、本を読みまくって手弁当で始めた社内向け「生成AI勉強会」の全貌を惜しみなく公開するものです。
組織内に生成AIを導入して社員の生産性向上を図りたい情報システム部門の方が、教材や教育カリキュラムを作成する際の手助けになれば幸いです。
▶バックオフィス部門から始めよう
バックオフィス部門は、総務、人事、経理、経営企画、広報、法務、情報システムなど、事業部門のメンバーが円滑に働けるように会社全体のルール整備や間接業務の代行などを担当する部門です。
しかし、バックオフィス部門の中には、未だに以下のような古い働き方をしているところが多いのも事実です。
経理部門:取引先とのやり取りに紙やファックスを使用している。
人事部門:遠隔地であっても入社手続きは郵送や来社が必要。
法務部門:契約書はすべて印刷→製本→押印→郵送→紙で保管。
こうしたバックオフィス部門こそ、デジタルや生成AIを活用して間接業務を効率化するべきだと思いませんか?
私自身が情報システム部門に属している関係上、まずは身内からと言う格言に従い、人事、経理、総務、経営企画部門を対象とした生成AIの活用プロジェクトをスタートさせたのです。
そこで最初にやった事が勉強会でした。
▶勉強会の流れと構成
私たちの勉強会は1回あたり1時間です。
基礎編と実践編の2回に分けて行います。
え?たったそれだけで良いの?
時間が短いと感じるかもしれませんが、参加者の忙しいスケジュールを考慮した結果、1時間の枠に収めだのです。
決して、参加者のご機嫌を取るためだけに時間を短くした訳ではありません。
以下は2日間の勉強会のカリキュラム例です。
イントロダクション
なぜAIを活用するのか?この問いについて最初に説明します。目的を理解しない限り、技術的な詳細を語っても実際の業務には活かせません。
技術的な詳細に飛び込む前に、「なぜこ生成AIの活用が必要なのか?」に焦点を当てましょう。
AIの理解
AI生成とは何か、従来のプログラミングやロボティックプロセスオートメーション(RPA)との違いを説明します。
具体例を使ってAIに詳しくないユーザにも分かり易く違いを解説しましょう。
プロンプトとは何か
生成AIを活用する上で避けて通れない「プロンプト」。まずはプロンプトとは何かを説明しましょう。プロンプトは、AIモデルに対して出す指示のことです。
適切なプロンプトを入力しないと生成AIは期待通りの成果物を提示しない事、期待ハズレの回答が出た場合、それはAIが悪いのではなく、プロンプト(指示の仕方)が適切でない事が多い事を参加者に伝えましょう。
優秀な部下に的確な指示を出さないと、期待する成果物は得られないことで例えると、共感してもらえるかもしれません。
▶情シス部門の皆さんへ
いかがだったでしょうか?ここまでが、基礎編の前半部分です。
主催者(情報システム部門)の方へ
私たち情報システム部門はシステムやツールの勉強会を主催します。
しかし時に、独りよがりで利用者にとって効果が薄く期待外れの「残念な勉強会」になってしまう事があります。そうならないためにも以下のポイントを心に留めておきましょう。
目的とゴールを明確に示すこと:
間接業務の削減、生産性向上、企業文化の変革など、会社ごとに目的は異なりますが、それを上司と共有し、ゴールを明確にして推進しましょう。技術的な詳細よりも実用的なアドバイスを重視すること
非IT部門の従業員を対象にしているため、深い技術論は不要です。対話と実践を大切にすること
学習効果を高めるために、ハンズオンの機会を設け、参加者同士で感想やアウトプットを共有する時間を設けましょう。
最後に、情報システム部門はバックオフィス部門が生成AIを効果的に活用できるよう、全員がプロンプトの使い方をマスターし、生成AIの特性を理解して業務で活用しましょう。
こういった勉強会を継続して開催することは、その組織変革や風土改革への第一歩だと思います。
大事なことなのでもう一度言います。
まずは自分から
まずは身内から
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次回は、1日目の後半(プロンプトのパターン解説と課題の提示)について書きます。お楽しみに!
▶参考書籍
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