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2024年もらっきょうの収穫が始まりました。今年の出来はどうでしょうか……?

毎年、雪もとけ、春の日差しも暖かくなると「今年のらっきょうの出来栄えはどうなんだ?」と挨拶のように会話にらっきょうが上がります。4月にならんと分からんね。GWまで天気が良いといいけど。

と、暖かな気候を期待しつつ、いよいよGWが明けるとカウントダウン開始。そして、毎年5月20日前後がらっきょうの初出荷です。

さて、2024年のらっきょうはどうでしょうか。

5月中旬。

それまでは青々と気持ちよさそうに風に揺られていたらっきょう畑が一転。
畑のあちらこちらでトラクターが出てきたり、畑は賑やかになります。収穫前の準備作業が始まります。

収穫作業が始まると、静まり返っていたらっきょう畑は朝8時になると一斉に動き出します。この時期は中国地方の軽トラがすべて鳥取に集まると言われるほど。収穫しては「切り子」さんのところへと、ピストンされていきます。

畑の畔にはコンテナが点々と置かれて、収穫の準備の始まりです。

らっきょうは砂地にしっかり根を張るので、根っこもこんなに長ーくついています

毎年、4月頃からJAさんが中心となって試し掘りがされ、私たちらっきょうを扱う企業は今年の様子を聞いたり、農家さんの畑の様子を見に行かせてもらったり。今年はどうだろう、、、と気が気ではありません。

昨年の様子を振り返ってみます。

2023年は猛暑で植え付け作業が長引きました。
気温が40度近くなる砂地では、さらに砂の照り返し、砂の暑さではなく、もはや「熱さ」。尋常なものではありません。

少しでも涼しい時間と時間をかけて作業が行われますが、なにせ手作業のため途方もない時間と根気が必要なのです。

そして鳥取市内に大打撃を与えた台風7号がやってきました。橋が崩落したり、孤立集落ができたりと全国ニュースでも大きく取り上げられましたが、川だけでなく実は日本海のすぐそばにあるらっきょう畑にも被害は出ていました。

植えたばかりのらっきょうは無防備そのもの。
そのせっかく植えたらっきょうが台風の風で砂に埋まってしまったのです。

砂と砂の壁の中で少しずつ自然な風でらっきょうは砂の中に埋まっていくのが普通なのですが、、

らっきょうがいくら強い植物と言えども、砂に埋まったままだと、日光不足で芽が地表に出てこられず腐ってしまいます。

砂の中から掘り起こすのは、とてもとても大切な作業なのです。
ちなみに砂を戻すのは、植えてしまったこの畑に大きな機械を入れるわけにもいかないので、すべて手作業に近い形で行われます。

約2週間後、やっと緑の葉がすくすくと成長し始めました

そして、冬を越し春先からは気温が上がって、雨も適度な恵みの雨もあり。
出遅れた分の生育は回復した!

そして、いよいよ大変だけれども待ちに待った収穫が始まったのです。

ちなみに、らっきょうの収穫については、詳しく書いてますので、ぜひこちらも読んでみてくださいね。


掘り起こしてみると、、、

さぁ、掘り起こし、出荷が始まり一週間。

今年は豊作とは言わずともM玉(中ぐらいのサイズ)が多く、平年並みの収量が期待できる、、とみなが口を揃えて言っていたのですが。畑に行くと、どうも様子がおかしい……。

畑が少し黄色いのです。らっきょうは1か月以上かけてすべての畑を収穫していくので、最後の方は畑のらっきょうは葉が枯れて黄色くなります。それが出荷が始まってわずか一週間でこんなに見るのは、あれ?と感じました。

とはいえ、私はらっきょうの生育のプロではないので、こんなこともあるのかなぁと思いつつ、農家さんに聞いてみると。

「今年は枯れが早い気ががする」
「やっぱりーーーー!!」

さらに一週間。出荷が始まって10日ほどすると、今年は終了が早いとの声が聞こえてきました。

どうやら掘り進めていくと、土中でなかなか生育しづらい状態になっているというのです。それがこちら。

ほぼ種球の大きさのまま分球だけがされたらっきょう

らっきょうは1つのらっきょうの球を植えて、その球が太って、そこからいくつかに分球して太っていきます。

それが最初の球の大きさのまま、太らずに分球だけはすごい進むので、結果細ーいらっきょうのままになるそうです。大きさでいうと青ネギの根っこの白い部分くらいの太さしかありません。

これでは、皮を剥いてらっきょう漬けにはとてもできません。もし手間隙かけて食べたとしても芯だけで美味しくない。なんとまあ。。。

しかし、これが農業なんですよね。プロが何十年とらっきょうを育てても起こるのです。

何十年もらっきょう専門農家としてされている農家さんも、らっきょうは一年一年で全く違うと言われます。お天道様にお願いしてもどうしようもない。本当に何かを育てるというのは、一筋縄ではいかない、大変なことなのです。


ということで今年のらっきょうは出荷自体が少し早めに締められるそうです。とはいえ、1550トンのらっきょうが全国に出荷されていきます!!

今日も畑の横にはコンテナにパンパンのらっきょうが山積みされています

これだけ猛暑の中も日本海の寒い冬の間も手間をかけて大事に大事に育てられたらっきょう。

たくさんの収量ではないかもしれませんが、だからこそより大事に皆さまの元へお届けしようと思います。

2024年の申し込みは6/15まで。
あと少しですが、らっきょう好きの方はぜひ!!


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