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知ってるようで全然知らない「らっきょう」の話。[収穫編]

さあ、5月。今年もらっきょうの収穫時期がやってきました。

昨年の夏の暑い中、だらだらと汗を流しながら種球を植え、日本海の厳しい雪を越し、丸々と玉太りしたらっきょう。ついに待ち望んだ収穫です。

ちなみに収穫作業は機械で一気に掘り起こすのが一般的ですが、以前はすべて手作業でした。これがとっても重労働で……。

鳥取のらっきょうは砂の中で育つじゃないですか。土と違って引っ張ったらすっと抜ける姿を想像されるかもしれませんが、、

砂の中にこんなに奥深く埋まっています

実は地中にしっかり根を張っているので、手で引っ張っただけでは抜けないんですね。それはそうです。10か月近くも砂の中でしっかり根を張り、成長し続けてきたのですから、簡単には抜けてくれません。

らっきょうの掘り取り体験で子ども達や一般の方が来てくれることがありますが、みなさん勢いよく葉っぱを引っ張って、上の葉っぱ部分だけがちぎれる、、、というのがあるあるパターン。草取りの時に葉っぱを力づくで引っ張ったら上だけちぎれる、あの感覚です。

手で掘る時は、しっかりと周りの砂を掘って、らっきょうを傷つけないように。慎重に「砂のカタマリから抜き取る」ように、丁寧に掘り出します。これが想像以上に大変で。うちの畑でも1年目は手作業で掘り起こしてましたが、あれはまさに地獄(笑)。今は機械にお任せですから、ほんと文明の利器に感謝です。

さて、らっきょうの収穫前の姿が、こちら。

びっしりと生い茂って生えています

5月頃までは緑の葉っぱが生き生きと伸びています。
この緑の葉っぱが黄色く枯れてきた頃が、収穫の目安となります。

畑全体の色味が変わってきます。黄色く枯れた葉が目立ってくると収穫の季節

この長い葉っぱがあると、トラクターでの掘り起こし作業が進みません。そこでまず緑色の葉っぱをすべて刈り取ります。

伸びていた葉っぱはこれくらいの長さに刈られます

上側がスッキリしたら、ついに収穫開始。タカタカタカタカタ~とトラクターの音がらっきょう畑に響きます。

トラクターの後ろにコンテナが積まれ、トラクターが動き出すと砂の中かららっきょうが跳ね上がり、ポコンポコンとコンテナに入っていきます。 

続々とらっきょうがコンテナに入って楽ちん〜と思いますが、実はそんなに単純ではありません。運転手とは別のスタッフがコンテナの後ろについて歩いて、それぞれのコンテナにバランスよく入るように調整したり、掘り残しや落とされたらっきょうがあれば拾ったり。

広い農地のらっきょう農家さんは2人掛かりでの作業が基本。私たちは小さな畑なので、1人で行ったり来たりして作業します。

片寄ってしまう部分をならしたり、刃に引っ掛かった草を取り除いたりもします

掘り取り部分には砂がたまったり、らっきょうの茎や草が挟まったりするので、数回動かしては機械に支障がないように取り除いてあげたり。文明の利器は大変すばらしいですが、トラクターだけでさっと収穫というわけにはいかないんですね〜(泣)。

そして掘り取りが進むとコンテナいっぱいのらっきょうをトラックに移し運ぶ作業が待っています。1 コンテナ大体20キロ(!)。
これがズラリと並び、、

たっぷり入ったコンテナが畑の隅にドンドン積み重ね並べられていきます

トラックに乗せられ次の工程へと運ばれていきます。

5月~6月。鳥取市内ではトラックに積み込まれたらっきょうをよく目にします。風物詩です。

運ばれる先は、通称「切り子さん」と呼ばれる職人さんたちの作業場。

ここで根っこと茎が切り取られて、見覚えのあるらっきょうの姿になっていくのですが、この作業は令和の時代になっても手作業が主流です。

一応、機械もあるようなのですが、なんというか熟練の職人さんが凄すぎるんです。

大量のらっきょうを立てた包丁の刃に、ガンガン押し当てていく。根っこの固い部分は残さないように、しかし深く切りすぎて芯が抜けないような絶妙なサイズに。堅いところだけをとんでもない速さで切り分けていく姿はまさにスーパープロフェッショナルな特殊部隊のよう!

刃の部分にらっきょうを押し当てて根をカットしていきます

この切り方は漬け上がりの品質にも影響があるので、自分たちでは作業せず、すべて切り子さんにお願いしています。やっぱりね、本当に上手な方との切り方は一目瞭然なんですよ。いつもありがとうございます。

ちなみに掘り起こしたらっきょうは、約1cmほど根を残してあとは切り取った「根つきらっきょう」と、根はすべて切り取り、薄皮も取り除いて、洗い上げた「洗いらっきょう」の2通りで出荷されています。

砂のついた状態の「根つきらっきょう」。新鮮さが感じられます
スーパー等でよく目にするのはJAさんなどが販売されている洗いらっきょう

みなさんがスーパー等で見られるのは、後者の洗いらっきょうが多いのではないでしょうか。まもなく発売となる、とまりのつけもの「土付きらっきょう」は、前者のある程度だけ切り取った状態でお届けします。

そこから先の成形、皮をむいてというのが、らっきょう漬けを楽しみにされている方の作業の醍醐味。

大量のらっきょうを前にして心が折れそうになることもありますが(笑)、一粒ずつ薄皮を剥く作業は無心で集中してできますよ。

砂のついた新鮮な状態でお届けします

そんなこんなで、ここからいよいよお酢で漬けこんでいきます。
漬け方については別の記事でご紹介しますので、ぜひお楽しみに〜!


そしてそして、今年もとまりのつけもので生らっきょうの販売が始まりました!! 

この季節だけの限定商品です!

数量限定ですので、ぜひこの機会にお試しください。発送は6月中旬、最高の状態でお届けするために、朝採れたばかりのらっきょうを土付きのままお届けします。お酢とのセットや、少しだけ自分で漬けてみたい少量セットもご準備していますので、お好みの量を探してみてください。

旬の時期に、自分好みに漬けたらっきょうは最高ですよ。らっきょう好きのみなさま、ぜひお試しください!

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