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とまり木のうさぎ小屋 vol.5-五臓「肝」-

こんにちは。ご無沙汰しています。とまり木の見習い相談員のうさぎです。喫茶とまり木のお手伝いをしながら、先生方に中医学を教わっています。

その学習の成果をブログに書いてきて、今回でもう5回目になります。いつも読んでくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします!

今回は「五臓」シリーズの4回目です。「五臓」には何があるのか覚えていますか? ちょっと目をつぶって思い出してみてくださいね。では答えです。 「脾」「肺」「腎」「肝」「心」の5つを五臓と呼ぶのでした。いくつ思い出せましたか?

前回までに「脾」「肺」「腎」についてお話してきました。次は「肝」についてお伝えします。

「肝」って肝臓のこと? と思ったそこのあなた、惜しい! 肝臓は西洋医学における臓器を指します。「肝」は中医学の概念です。実は2つは似たような働きを持っています。

西洋医学の肝臓は解毒作用を持っていることをご存じでしょうか。お酒を飲んだ後、アルコールを分解してくれるのが肝臓ですね。体をクリーンな状態に保ってくれる役割をしています。

中医学における「肝」は臓器そのものではなく、体の持つ機能のことを指します。中医学の「肝」にも、西洋医学の肝臓と同じような「クリーンな状態を保つ」働きがあります。

このお話をするためにまず、「血(けつ)」という中医学独特の概念を紹介します。「血」は体中を循環し、身体や精神を栄養しているとされています。「けつ」って「ち」としか読めないよ、という声が聞こえてきそうですね。私、うさぎもそう思っていました。西洋医学の血液とは異なり、「血」は、あくまでも概念を指します。新しい概念ばかりで頭が混乱してきましたか?大丈夫です、具体例でわかりやすくしていきますよ。

「血」は身体や精神を栄養すると同時に、体中を巡って熱を回収し、それを体表近くで放出する役割も持っています。身体は活動することで熱を産生しています。体表近くで熱を放出する作業は、身体が休んでいて、熱の産生が行われていない時にすると効率が良いそうです。つまり、寝ている時に「血」は熱を放出しているという訳です。

この「血」の話を「肝」の働きと関係させてお話を進めていきます。体中を巡った「血」は最後に「肝」に辿り着くとされています。一日の終わりに肝が「血」を集めてきて、綺麗にし、また次の日に身体を巡るための準備をします。

ここで、お待ちかねの具体例です。夜更かしをしているとどうなるかを考えてみましょう。「血」は寝ている時に熱を放出しているとお話しましたね。夜更かしをすると、熱の放出が上手くいかないことになります。そうなると、肝に熱を持ったままの「血」が帰ってきます。肝を五行に当てはめると「木」になると「うさぎ小屋 vol.2」に書きました。熱が木に近づくと、どうなるでしょう? そうです、燃え上がりますよね。肝が燃え上がる状態には、例えば、肝が司るとされている感情「怒る」のコントロールが上手くいかなくなる状態があります。イライラしてしまうんですね。夜更かしをした翌朝にイライラしたことはありませんか? 中医学的にはこういったふうに説明できるんです。

「木」である肝が燃え上がると、五行の互いに調節し合う関係が崩れてしまい、「土」である脾が過剰に抑制されてしまいます。脾の持つ役割は、体内に取り入れた水分の行き先を決めることでしたね。この役割が上手くいかなくなると、皮膚の下に水分が余分にあるところ(=湿!)ができるのでした。さらに、湿は熱の放散を妨げます。湿によって妨げられた熱は、その脇から集中的に放出され、皮膚が炎症を起こしやすくなります。これがアトピー性皮膚炎の発生メカニズムでした。

「血」に関連して、これを食べるといいよ、と先生に教わったものを紹介します。まず、身体の中の熱を出しやすくする食べ物は、夏野菜や大根おろしだそうです。また、いい「血」を作るには赤色の食べ物が良いとされていて、クコの実やザクロがオススメだそうです。私も大根おろしを勧められたので、食べてみようと思います。皆さんもぜひ食べてみてくださいね。

今回は「肝」とそれに関連して「血」についてお話してきました。夜更かしをするとイライラするだけでなく、それはアトピー性皮膚炎の原因にもなってしまうということでした。この記事を夜中に読んでくれているそこのあなた、夜はしっかり寝ましょう!

喫茶とまり木 
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