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NES(夜食症候群)"夜の過食をやめる方法"

夜食症候群(Night Eating Syndrome:NES)は、床に就いても頻繁に目が覚めてしまい、"何かを食べてからでないと眠ることができない"という心の状態を言います。

NESは多くの場合、睡眠と食べ物への依存感、羞恥心、うつ症状などを経験しますが、現在は様々な治療法や対処法が存在しており、症状の改善をすることが可能となっています。


前回の記事では、NES(夜食症候群)の長期的な影響と類似症状をお伝えしました。

今回は、NES(夜食症候群)の治療法と、"夜の過食をやめる方法"についてお伝えしていきます。

NES(夜食症候群)の治療

NES(夜食症候群)の治療法は、主に投薬と心理療法があります。

適応する心理療法を以下になります。
・CBT(認知行動療法)
・認知再構築法
・DBT(弁証法的行動療法)
・トラウマを対象とする心理療法
・モチベーションインタビュー

心理療法では、いつ頃から夜間に食事をとってしまうのか、その理由、トラウマやその他の経験などを探っていき、対処方法、心身の健康を取り戻すための方法、自己コントロールなどを明確に提示していきます。

NESの状況に応じて、達成可能で現実的な目標を設定したり、より壮大な目標を設定していきますが、それは個人でおこなうよりも、専門家に助けを求めて計画的に進めていくほうが効果的なのは言うまでもないでしょう。

夜の過食をやめる方法

前述の通り、NESの治療は専門家の助けを求める方法も効果的ですが、自分自身でNESをコントロールする方法もいくつかありますので、ご紹介していきます。

日中の食事制限をやめる

ライフスタイルやダイエットなどで日中の食事量を制限すれば、夜間に空腹と食欲が高まるのは当然のことです。夜間に食べすぎてしまう傾向があるのなら、食物繊維の多い食品(玄米、寒天、昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いもなど)を昼~夜にかけて摂取することをおすすめします。(なるべくお菓子などを食べないよう心掛けましょう)

自分に合った健康的な食事をとる

食物に関しての知識や情報を調べてみましょう。料理などをしたことがない人は、料理についても学ぶと良いはずです。とくに日本料理(和食)を基本から学ぶことをおすすめします。

食事瞑想でゆっくり落ち着く

食事中に瞑想をすることにより、心が落ち着き、自己評価や自尊心が向上すると、食事への固執や食欲がコントロールしやすくなります。

食事瞑想中は、テレビやスマホを見たりせずに、食べることだけに集中しましょう。

食材がどこからきたのか?
食感はどうなのか?
何回噛んで飲み込んでいるか?
香りは?
舌はどのように動いているか?
どの歯でよく噛んでいるか?
喉や食道、胃に食べ物が通る感覚は?
お箸やスプーンの動かし方は?

上記のように、食事をするという身体の動きに意識を向け、身体中の連携を感じるトレーニングをすると良いでしょう。

睡眠についての正しい知識

よく「睡眠時間は○時間とると良い」という話がありますが、それは平均の睡眠時間であって、実際には個人差があるものです。就寝後すぐに目覚めてしまう人は、もしかするとショートスリーパーかもしれません。より詳細な睡眠についての知識は↓の記事をご参照ください。

ストレスのコントロール

ストレスは感情と結びついており、NESの症状もまた感情と深い結びつきがあります。自分に合ったストレスの解消や対策は、夜間の過食の抑制に効果的でしょう。

ストレスのコントロール方法は、たくさんの手法がありますので、いくつかご紹介します。

エモーショナル・ディスクロージャー

恐怖と不安の克服

グラウンディング

プログレッシブ・マッスル・リラクゼーション

エモーショナル・セルフケア

ストレスのコントロール方法は、シンプルに趣味を見つけたり、"ゴールを設定する"など、他にもたくさんありますので、自分に合ったものをチョイスしましょう。

概日リズム(体内時計)のコントロール

朝、起き上がったらすぐにブラインドやカーテンを開けましょう。朝一番の自然光は、一日が始まったという体へのサインです。起床後1時間ほどしてから少し散歩をするのも良いでしょう。

メラトニンは、体内で自然に産生される睡眠を調節するホルモンで、暗闇によって生成されます。ですから、朝から日中は自然光によってメラトニンの生成をリセットし、夜間は人工光を最小限に抑えることで、概日リズム(体内時計)を調節することができるのです。

概日リズム(体内時計)のコントロールによって、食事のパターンと総体的な健康の改善を期待することができます。

おわりに

NES(夜食症候群)や摂食障害は、あなたの生活を混乱させる可能性がありますが、適切なサポートや対応方法をおこなうことで、感情的な食事のサイクルを改善することができます。

また、NES(夜食症候群)や摂食障害について専門家に助けを求めることは勇敢な行為です。さらに、自分自身で症状をコントロールする方法を身につけていくことも素晴らしいことです。

症状に対して自分に合った療法やセルフケアを見つけ出し実践していく行動は、なによりも自己評価、自尊心、自信につながる行動です。

もしも、わからないことや御相談などがありましたら、いつでもご連絡ください。

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