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恐怖と不安を克服するための10のヒント

恐怖は、危険から自分自身を守るための強力な生存本能ですが、あなたを制限するものでもあります。

しかし、現在のコンフォートゾーン(自分自身の居心地の良い空間)を離れ、新しいことに挑戦し、恐怖に立ち向かうことは、恐怖を克服するための最善かつ最速の方法でもあるのです。

恐怖と不安を克服するための10のヒント

1.恐怖の特定と理解

恐怖を克服するための第一歩は、自分の恐れていることを特定し、その理由を理解することです。

恐怖が何であるかを知らなければ、それに直面することができないので、このステップは重要です。

恐怖を理解することは、その恐怖がいつ、どのように、なぜ現れるかについての自己認識を発達させるのに役立ちます。

2.徐々に恐怖に立ち向かう

恐怖を乗り越えるためにはいくつかのアプローチがありますが、ほとんどすべてのアプローチはエクスポージャーセラピー(曝露療法)の原則を使用しています。

エクスポージャーセラピーは通常、ゆっくりと徐々に恐怖へ直面するのをサポートする不安障害治療のひとつです。

このセラピーでは準備段階として最初に、
・恐怖へのより効果的な対処
・リラクゼーションスキル
を構築することに焦点を当てて治療を進めていきます。

専門家のサポートは重要ですが、個人でエクスポージャーセラピーをおこなう場合は、小さく簡単な恐怖から徐々に大きなものに取り組んでいくことをお勧めします。

例えば、それぞれの恐怖を1-10の尺度で評価したリストを作成し、一番低く評価した恐怖に自分自身をさらすことから始めて、徐々にレベルを上げていく方法などがあります。

3.グラウンディングテクニックの実践

恐怖を感じる時、落ち着くための最善かつ最も簡単な方法の1つとして、グラウンディングテクニックがあります。

グラウンディングテクニックは、即効性、ストレスの軽減、リラクゼーション効果、自己コントロール機能の向上などが期待できます。

研究では、グラウンディングの実践がストレスや不安を軽減し、恐怖を乗り越えるサポートをすることを示しています。

4.恐怖に心配というエサを与えない

もしも、将来について「上手くいかないかもしれない」という考えを持っているのなら、その心配や否定的な思考が恐怖にとってはエサとなることを覚えておく必要があります。

"石橋を叩いて渡る"ことは決して悪いことではありませんが、あまりにも否定的な考えに偏り過ぎると、恐怖はより大きく、より強くなる可能性があります。

この場合、心配や否定的な思考ではなく、周囲の環境、人、行動、"おこないたいタスク"など、何か他のものに意識を集中することがポイントになります。

他のものに集中をすることで、恐怖にエサ与えない姿勢を保つことをおすすめします。

5.エクササイズを取り入れる

人は感情によって思考や行動が変化します。これをひとつのエネルギーとして考えると、恐怖や不安も高いレベルのエネルギーです。

エクササイズは、その感情エネルギーの利用方法であり、ストレスとコルチゾールを軽減します。

運動と言っても、恐怖や不安、ストレスを感じた時の感情のバランス調整のために5~30分のルーティンを取り入れる程度で問題ないでしょう。

6.信頼できる人たち

人間は社会的な生物であり、他者とつながりを持つことで幸せを感じられるものです。

この方法は特に、あなたの恐怖が社会的状況に現れない場合に有効な方法です。

研究では、社会的交流が心身の健康に非常に重要な影響を与えることを示しています。

友人、家族、大切な人との交流や活動によってストレスレベルを下げ、気分を向上させることで、恐怖や不安に対してプラスの効果をもたらすのです。

また、恐怖に直面して克服していく方法を、信頼できる人たちと一緒に実践するのも、効果的な方法です。

7.アクセプタンス&コミットメント療法(ACT)

アクセプタンス&コミットメント療法(ACT)では、恐怖に対する思考や感情に抵抗することは、単にそれらを受け入れるよりも大きな問題を引き起こすと考えます。

ACTでは、恐怖に直接チャレンジするのではなく、その恐怖と感情を頭の中でイメージトレーニングすることを実践します。

恐怖や心配に"慣れる"という意味では、ACTの手法は、イメージ上のエクスポージャーセラピーと言うことができるでしょう。

8.感情の波に乗る

多くの人たちは、身体に起きている恐怖を分析して対処するのではなく、恐怖そのものから抜け出す方法を考えようとします。

恐怖と不安の波に乗るには
・恐怖や不安がある身体の部分(心、胃、胸など)を意識して、どのような感情や感覚があるか認識する。

・恐怖や不安を大きくなったり小さくなったりする波のようなものとしてイメージし、心の中の波の色、大きさ、形を視覚化する。

・目を閉じて、波の大小、波紋、引き波などをイメージし、波が去った後の静けさと落ち着きに集中しましょう。

9.コンフォートゾーンを成長させる

認知科学において、居心地よく自然に振る舞える意識の中の範囲を「コンフォートゾーン」と言います。

あなたにとってのコンフォートゾーン(居心地が良い空間)が以前と比べて広がっていないと感じる場合、それはおそらく縮小しています。

恐怖の克服法の中には、あなたの世界をより狭めて対処をする方法もありますが、それはあなたのコンフォートゾーンをより小さく狭いものに制限する方法です。

反対に、コンフォートゾーンの外に出て、新しいことに挑戦していくプロセスは、自分の世界を広げて大きくしていくという恐怖の克服法です。

これを実践するには、自分自身のルーティンを変化させ、新しいこと、新しい場所、新しい人と接する習慣を身につけることです。

コンフォートゾーンの成長は、あなたの自己評価、自尊心、自信を向上させる効果も期待できます。

10.恐怖ではなく価値観に基づく

ほとんどの場合、人の最も深い恐怖は、最も強い欲望、価値観、ニーズと関連しています。

例えば、子供たちは多かれ少なかれ分離不安を持っており、これには、健全なアタッチメント(愛着)、愛情、育成と保護の必要性への欲求に関連しています。

このように、恐怖と価値観は本質的に関連していますが、恐怖に基づいて行動するのと、価値観に基づいて行動することの間には大きな違いがあります。

恐怖に基づいて行動することは、通常、望まないもの(拒絶や失敗など)から離れることを意味し、価値観に基づいて行動することは、望むもの(受容や達成など)に向かうことを意味します。

以下の文章を利用すると、"コアバリュー"と"コア恐怖"を特定できます。

・私は「A:コアバリュー」を大切にしているので、「B:コア恐怖」が怖いだけです

・コアバリューの「A」とは、より厳密に言うとどのようなことでしょうか?

・コア恐怖の「B」とは、より厳密に言うとどのようなことでしょうか?

・コアバリューに基づいて思考・行動することと、コア恐怖に基づいて思考・行動することには、どのような違いがあるでしょうか?

恐怖克服の進捗について

恐怖を克服するのにかかる時間は決まっているものではありませんし、個人差もあります。

先述の"恐怖を克服するための10のヒント"の実践やエクスポージャーセラピー(暴露療法)などを使用している場合、恐怖に対して脱感作(慣れによる効果)が機能するまでには多少の時間が必要です。

それまでは、次の進捗指標をポイントにして実践をおこなっていきましょう。

・恐怖の回避数が減少しているか?
・どのくらいの頻度で恐怖に直面をしているか?
・コンフォートゾーンの外で冒険できているか?
・どのくらいの頻度で新しいこと、新しい場所、新しいスキルを経験しているか?

研究によると、エクスポージャーセラピー(曝露療法)では、1時間から1時間半の長さのセッションで3~8回ほどで進捗に変化が見られることが報告されています。

すべての恐怖を克服すべきか?

もちろん、すべての恐怖に直面して、それを克服する必要はありません。

例えば、「ヘビやクモが怖い」というのは正常であり、それによって私たちは怪我などから身を守ることができます。

仕事や通常のルーティンの中で定期的にヘビやクモに遭遇する場合であれば、それについての恐怖を克服する必要がありますが、そうでない限り、この種の恐怖はあなたに多くの問題を引き起こす可能性は低いです。

専門家のサポート

恐怖によって日常生活に支障が出たり、自分の能力を妨げていることを感じる場合は、専門家のサポートを求めることが重要です。

恐怖は多くのストレスや不安障害を引き起こす可能性があります。

専門家は、あなたを恐怖に支配されている状態から、恐怖をコントロールするスキルと自信を身につけた状態に変化させるサポートをします。

恐怖や不安に苦しんでいる場合は、コーチやセラピストなどのサポートを求めることを検討してみてください。

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