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仕事道具を磨き上げるということ

「恋を何年、休んでますか。」
かつて伊勢丹にこんな広告のコピーがあった。

2月は3連休が多い。
軽井沢にスキーにでも出かけようかと思ったが、
それより仕事道具を磨きたいと思った。

仕事道具を磨き上げる行為を僕は何年休んでいただろう。

ナチュパラでも長年お世話になっている、カメラマンの各務真司さんに機材メンテナンスをお願いした。

「宇都宮さん、今日、帰れないですよ、覚悟しておいてください」

軽い気持ちで依頼したわけではなかったが、オフィスにやってきた彼の開口一番に思わず背筋が伸びた。

「整備の前に、まず整理が必要です」

たとえば1つのカメラがあるとすれば、その付属品は何があるのかを誰でもがわかるようにするため、上から俯瞰で写真をとり、番号を振ってそれぞれのモノを書く。

これを機材リストに格納しておくことで、そのカメラに慣れていないスタッフが撤収する時にも、収納し忘れている付属品がないかが一目でわかる。

またバッテリー1つにも、それぞれに名前と番号を振ったネームラベルを作って貼る。

ナンバリングをすることで総数をきちんと把握できる。
ちなみに角を丸くはさみで切るのは、シールが剥がれにくくするためだ。

機材バッグに収納するときのイメージも写真をとっておくことで収納の仕方にも1つの基準を明示することができる。

レンズの防湿庫にもそれぞれに名前を貼り、どのレンズをどこにしまうかを明確にする。それぞれのものに住所が生まれたような感覚だ。

整理を終えてから、整備が始まる。

メンテナンスにも道具が必要だ。
各務さんが幾つか必要なものを購入してくれておいた。

ここからは需要がかなり限られそうだが、趣味でも一眼レフカメラを持っている方のために、僕が教わったカメラとレンズのメンテナンス方法を共有したい。

〜カメラ編〜

レンズ編

いかがでしたでしょうか。お役に立てたら幸いです。

僕自身、恥ずかしながら、なんとなく自己流にやっていた簡易的な清掃ではなく、プロによる清掃方法の正解を教えられて身が引き締まる思いだった。

何か少しでもお役に立てたとしたら、そのお礼は僕ではなく、各務さんにいつかあなたが会う機会があったら直接伝えてあげてください。

昼頃から休憩なしぶっ通しで22時近くまで、まるで自分の機材かのように丁寧に真剣に向き合ってくれた彼には感謝の念しかない。

そして、1つ1つの仕事道具に名前とアドレスが与えられ、それらを磨き上げることで、不思議なほどそれぞれが再び輝きを取り戻したように見えた。

仕事道具に対して、再び、ときめきを取り戻したような感覚は、ある意味では恋に似ていた。

仕事道具のメンテナンスができていないかも・・・と思ったら、自分にこう問いたいと思う。

「恋を何年、休んでますか。」

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