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【企業向け】「マイナスをプラスに変える考え方~認知行動療法とは~」

いつもnoteをご覧いただき、ありがとうございます。

10月も終盤となり、日足もすっかり短くなりました。
日照時間が短くなることで、障がいのある社員の中には気分が落ち込む人や、不調を訴える人も多くいます。
面談をしても、なかなか改善に至らないケースも出てくることもあるでしょう。
この場合、雇用側の働きかけだけではなく、社員本人の考え方に変化をもたらす必要があるかもしれません。

そこで、今回のテーマは。

「マイナスをプラスに変える考え方~認知行動療法とは~」

障がいのある方の中には、物事をネガティブに捉えがちになったり、周囲の状況に精神面が左右されてしまうケースがあります。
そんな時、雇用側は面談をして話を聞いたり、改善策を配慮したりと対応されることが少なからずあるかと思います。
勿論、それで解決すればよいのですが、なかなか不調や落ち込みから復調しない方もいるのではないでしょうか。
こういった状況を改善するためには、不調になってから対応するのではなく、日頃から社員教育の一環として、セルフマネジメントの方法を伝えておくことが効果的です。
以前にもセルフケアの取り組みについてお伝えしましたが、今回はものの考え方を変えるための方法を考えてみましょう。

認知行動療法とは


「現実の受け止め方」や「ものの見方」を認知といいますが、この認知はその人の性質、特性、経験など人によって様々です。
「白黒はっきりしないときがすまない」「〇〇すべきである」「やっぱり私はダメなんだ」「自分がダメなのは世の中が悪いんだ」「きっともう良いことなんて起きない」etc.
こういった、否定的な認知の傾向があると、精神的な不調に陥りやすくなります。
認知行動療法とは、こういった否定的な考え方(認知の歪み)に対して、現実にそった柔軟でバランスの良い新しい考えに変えていくことで、その時々に感じるストレスを和らげる方法です。

例えば、「明日提出期限の仕事がある」場合、
「あと一日しかない」と考えると、不安・焦り・イライラが生じます。
しかし、「まだ一日ある」と考えたら、落ち着き、安心して仕事に取り組むことができます。
このように、考え方の違いによって芽生える感情が変わってきます。
それにより、ストレスの度合いも大きく違ってくるのです。

では、考え方を変化させるにはどうしたらよいでしょう。
まずは、考え方の傾向をその人自身が理解する必要があります。
「どうしても白黒つけないと気がすまない」とか「すぐ自分が悪いと考えてしまう」とか。
自身の傾向が判ったら、ストレスの要因になる出来事を分析してみましょう。
認知行動療法の主要スキルであるコラム法を基に、出来事を7段階に分けて考えてみます。

認知行動療法における7つのコラム法


①どんな出来事が起きたか
②それによってどんな気持ちになったか
③どんな考えが浮かんだか
④その考えの根拠は何か
⑤反対の事実はあるか
⑥柔らかく考えるとどんな考えが浮かぶか
⑦新しい考えによって気持ちに変化があったか

では上記の項目を、例を挙げて照らし合わせてみます。
例「同期入社のAさんと仲良しのあなた。ある朝、道の向こうにAさんを見かけたので手を振って挨拶したのですが、Aさんは挨拶を返さず行ってしまいました。」
①Aさんに挨拶したのに無視された
②仲が良いと思っていたのに悲しい
③Aさんに嫌われているのではないか
④前にきつい冗談を言ったとき、笑ってくれていたけど、本当は怒っていたかもしれない
⑤Aさんは目が悪いので、待ち合わせのとき、近づかないとわかってもらえないことがあった
⑥遠くから挨拶したから、見えなくて気づかなかっただけかもしれない
⑦少し気持ちが軽くなった。本当に怒っているのか判らないので、Aさんに話してみて、怒っていたら謝ろうと思う

あくまで一例ですが、このように分析し、順を追って考えていくことで、認知に変化をもたらす助けになっていきます。
この考え方を雇用側が理解していることで、面談の際にも柔軟な考え方を促すことができるかもしれません。
また、社員教育としてこの方法を伝えておくことで、社員自身の気づきにもなるでしょう。
こういった考え方がストレスや不調の軽減につながることがありますので、雇用側も参考知識として頭に入れておくと良いのではないでしょうか。
ただ、注意すべきポイントとして、何でもポジティブな考えに転換できるわけではない、ということも覚えておいていただきたいと思います。
起こった事象によっては別のアプローチが必要になる場合がありますので、都度判断することが大切です。

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