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経済的不平等(ショートバージョン)

ポール・グレアム(Paul Graham)が執筆したエッセー「Economic Inequality: The Short Version」の日本語訳になります。

2016年1月

論争を招くようなことを言うときによくあることだが、私が書いたばかりの「経済的不平等economic inequality」についてのエッセーに関して、非常に大胆な解釈があった。誤解の余地がないほどシンプルなバージョンを書こうとすれば、問題を明らかにするのに役立つかもしれないと思った。

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多くの人たちが経済的不平等について話している。ほとんど全員が「経済的不平等が拡大すれば悪いことで、経済的不平等が縮小したらより望ましいだろう」と言っている。

だが、経済的不平等自体は悪くない。経済的不平等には複数の原因がある。多くは悪い原因だが、一部は良い原因である。

たとえば、高い受刑率や税金の抜け穴tax loopholesは、経済的不平等を拡大させる悪いものである。

一方で、スタートアップも経済的不平等を拡大させる。スタートアップが成功する創業者は、大金に値する株を手にすることになるだろう。

それと、高い受刑率や税金の抜け穴と違って、スタートアップは全体的に良いものである。

経済的不平等自体は悪くないから、私たちは経済的不平等を非難すべきではない。その代わりに、私たちは経済的不平等を引き起こす悪いものを非難すべきだ。

たとえば、経済的不平等を非難するのではなく、私たちは貧困を非難すべきだ。

経済的不平等を非難することは、ダブルで間違っているだろう。悪い原因だけでなく、良い原因にも害を及ぼすかもしれない。だが、さらに悪いのは、悪い原因を非難することが効果のない方法であることだろう。

経済的不平等の悪い原因を直接非難しないかぎり、私たちは経済的不平等の悪い原因をうまく修正しないだろう。

でも、私たちがすべての経済的不平等の悪い原因を修正したとしても、増大するテクノロジーのパワーにより、私たちは依然として拡大したレベルの経済的不平等を抱えているだろう。


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