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結局『タピオカブーム』とは何だったのか?

最近ニュースで知った。コーヒーが嫌いな中高生が増えており、彼らはどちらかと言えばティーやスムージーを好むらしい。
苦味の強い料理を食べる機会が減ったことでそういう飲料も嫌う傾向がある。また、外出先のカフェにて写真映えするドリンクが人気になり、白玉・ホイップなどのトッピングに向いているラテなどを注文する学生も多いと専門家が分析していた。

言われてみれば街中を歩くと、カスタマーのそんな要求に応えているファミレスや喫茶が乱立している。それに通ずる話で、最近書店で週刊誌を立ち読みしている時に『タピオカ屋の復活劇』という見出しの記事と出会った。
コロナ禍に入る寸前の一年間は、タピオカ屋さんが国内を席巻する奇妙な時代だった。今の若者は流行に乗れないと仲間はずれを食らった感覚に陥るので、みんな必死にそのブームをフォローしていた。東京を中心にそれ系の専門店が毎日増えていったが二年後には下火になり、個人営業店は半数が店を畳んだ。そんな中、今になって経営をV字回復させるのに成功している店もある。それらの店は今はタピオカではなく、新たにティー類をメインに売り出すことで若い客層を取り込んでいる。
筆者はこのご時勢に置いてけぼりにされないためにも、駅前のグリーンティー専門店を始めて利用してみた。

抹茶の喉ごし

店内はシンプルな内装で、唯一珍しさを感じたのは薄汚く所々が変色した壁紙だった。薄汚いといっても本当に不潔だという訳ではなく、白い石やタイルで作られた地中海周辺の国々でみられる内装様式を想起させるような涼しく開放感溢れる壁紙で筆者は気に入った。

丁寧に説明紙が敷かれてある

テーブルで待つこと数分、オーダーしたグリーンラテが運ばれてきた。飲んでみるとマイルドな舌触りで苦味やくどさはほとんど感じず、コーヒーや紅茶にはない粉っぽさはあるがそれも抹茶特有の喉ごしを演出する材料になっていた。しかし一つ誤算だったのが、グリーンラテ本来の味を楽しむために氷は少なめでオーダーしたがその割には案外多めに混入していたので、氷が半分以上溶けきった後は抹茶の味は大分薄くなってしまった…

あの流行を思い出す

台風が近づいていると言えどもまだ天気は持ち堪えているということもあり、店内には沢山の客がいてその中でも多かったのはやはり中高生だった。ニュースで言われていたことは間違ってはいない様子。

絵画が部屋の印象を一変させる

タピオカの時代は今から四、五年前。結局あの流行は何だったのか。改めて思えば『おいしいおいしい』と舌鼓を打ちながら飲んでいた人が実際は何人いたんだろう。周りがそうだから私も、という他責的な心理だけで何百万もの人達が一斉に経済活動を始めて一瞬でそれを終えて。少し恐怖を感じてしまう。
このグリーンティー専門店は三年後には、何専門店に切り替わっているのだろう…

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