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2023年12月の記事一覧

2023年に読んだ本ベスト10選

2023年に読んだ本ベスト10選

2023年も終わるということで、このあたりで2023年に読んだ本のベスト10冊を列挙していきたいと思う。2022年以前はツイッターでやっていたが、今回はnoteの方にも挙げようと思う。noteの方に書くとその作品の説明も書けるので便利だ。それでは早速挙げていこうと思う。

1冊目→三島由紀夫『春の雪』1冊目と言いつつ読んだのはごく最近である。思い浮かんだ順番で挙げているので最近読んだ本が先にくるの

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『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』5巻の感想

『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』5巻の感想

※『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』5巻までのネタバレがあるので注意!

久々によう実を読み進め2年生編の5巻を読み切ったので感想を書いていこうと思う。

毎度のことながら「なんでそんな試験するの?」と感じるような教育効果として疑問に思うレベルの試験が繰り広げられる。このあたりのエンタメ極振りな感じが逆に良い。この作品をもし評論家の人が読んだら「昨今の教育意識を反映していて云々」みたいな感

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三島由紀夫『春の雪』の感想

三島由紀夫『春の雪』の感想

※三島由紀夫『春の雪』のネタバレがあるので注意!

たまには三島由紀夫でも読むかと思い、『春の雪』という小説を読んでみた。なので今回はその感想を書いていこうと思う(以下の小説)。

この本は豊穣の海という三島由紀夫4部作の第1作品目となっている。wikipediaによると豊穣の海の最終作である『天人五衰』を入稿した日に三島由紀夫は割腹自殺したらしい。本シリーズはそんないわくありげなシリーズとなって

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村田沙耶香『信仰』の感想

村田沙耶香『信仰』の感想

※村田沙耶香『信仰』のネタバレがあるので注意!

村田沙耶香の『信仰』という短編集がkindle unlimitedにあったのでとりあえず読んでみることにした。村田沙耶香と言えば『コンビニ人間』で有名である。自分もコンビニ人間を読んで面白いと思ったのでとりあえず表題作の『信仰』という短編だけを読んだ。なので今回はその感想を書いていこうと思う。

この作品は主人公の永岡という女性が中学の同級生である

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京極夏彦『姑獲鳥の夏』の感想

京極夏彦『姑獲鳥の夏』の感想

京極夏彦の『姑獲鳥の夏』を読んだので感想を書いていこうと思う(以下の本)。

実は京極夏彦の本は初めて読むが、なんとなくのイメージとして怪異や幽霊といった不思議な存在が出てくる世界観を想定していた。しかし実際は結構理屈っぽい感じ科学や哲学っぽい話が多い。幽霊とかも出てこない普通の推理小説である。

京極堂の脳と心や認識の話の部分を読んでいてカントを思い出した。本書ではそれが不確定性原理という話に帰

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