散歩で考える心理学 ―五感を解き放つ・感覚を絞る―

こんばんは、心太です。

今日は、夕方から出かけて商店街や路地裏巡りをして、コーヒー豆を買いに行きました。

夕方に昼寝から目覚めたときには、やっちまったあ…、と思っていましたが、今はすがすがしい気持ちです。

さて、前置きはこの辺にして、今日の主役はイヤホンです。
いや、正確にはイヤホンを外したときのことなんですが。


イヤホンを外そう

私は通勤中たいていイヤホンをつけ、音楽を聞きながら歩いています。
そのときどきで好きな曲だけを集めたプレイリストを作り、いつもの聞きなれた曲で自分の世界に半分入りながら移動しています。


今日、出かけ先でふと、イヤホンをしていない自分に気付きました。
どうりでいろいろな情報が入ってくるわけだ。
音だけじゃなく、色々な情報です。
不思議ですね、聴覚が解き放たれただけなのに。

いつも気に留めていない看板やお店を見つけたり、
車の下からこちらをうかがっている猫と目が合ったり。
それから草木の青臭さや排気口からの焼き肉の匂い、
やけにうきうきしている自分自身にも。
あと、写真を撮ろうとした猫に、逃げられてしまった悲しさも(笑)

それなりに長く住んでいるし、色んな道を歩いたつもりでいましたが、ひとつ通りを変えるだけで、そこは知らないものだらけでした。
人通りを避けた結果でもありますが、ひととの接触を減らす代わりに、町そのものや、ひとの気配をぼんやりと感じる楽しさを知った気がします。

雑色路地裏③

健康的な自閉

心理学っぽいことも一応書いておこうかなと思います(笑)
人ごみの中でイヤホンが手放せない、一通りの多い道では足元やまっすぐ前方しか見ていない。
帰り道はほとんどなにも考えずに、自動運転モードで行動している。

このように、ひとは情報や思考を一時的に手放すことができます。
これを、”健康的な自閉”と呼んだ先生もいました。
いわゆる、内向型の性格傾向の方は、得意とすることが多いように感じますね。

あ、余談ですが学問的には、内向型というのは暗いとかネガティブとか、人付き合いが苦手、という意味はありません。
単にエネルギーや意識、思考や感覚が内側に向きやすいというだけです。
明るく前向きな内向型の人も、社交的な内向型の人も普通にいます。

脱線しました(笑)
ひとは情報や思考の一部を手放すことができる、という話に戻します。
世界は刺激に溢れています。
それに、仕事や生活、家族や友人、恋人との関係など、考えることも山のようです。
ここに将来への不安、なんていう未来のことまで加わってきたら、…おー怖い。
ずっと浸っていたら疲れてしまいます

しがらみや余分な情報を手放し、自分の世界に閉じこもる(健康的な自閉をする)ことで、自分を護ったり何かに集中したりしようとしているんです。

ヘッドホン

どちらが良いか、ではなく、どちらも選べる

両極端にも思える、こころ在り方について書きました。
感覚を解き放ち、いま、ここに全開になること。
感覚を絞り、選択した物事に集中すること。

どちらにも得られるものと、損なわれてしまうものがあります。
単純にどちらが良いという話ではありません

少しだけいつもと違うことをしてみると、いつもの世界がいつもと違った世界に変わるかもしれません。
なかなか遠出もできず、気軽にできていたこともできなくなってしまっていますが、案外身近なところに新世界が広がっていた、そんな一日でした。

雑色商店街③

感性と五感を全開にしたからか、今日のコーヒーは特においしい気がした。


では、また。


心太

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