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東京オリパラまでに差別禁止法を!

 現在、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルが行なっているキャンペーン「Love Beyond Genders」では、東京オリンピック・パラリンピック開催までに、LGBT差別禁止法の制定を国に求める署名活動を行なっています。

➡︎署名はコチラから
https://www.amnesty.or.jp/lp/lbg/

オリンピック憲章

オリンピックの理念・ルールを定めた「オリンピック憲章」には、

「このオリンピック憲章に定める権利および自由は人種、 肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的その他の意見、国籍あるいは社会的出身、財産、出 生または他の地位などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」(オリンピック憲章)

と記されています。

 五輪開催地には、オリンピックの精神( オリンピズム)に従って、スポーツを通じて平和でよりよい世界の実現に貢献することが求められています。

 東京都は、オリンピックの理念を目指すため、2018年10月に「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を制定し、その中で性自認・性的指向を理由とする差別を禁止しています。

(性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いの禁止)
第四条 都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない。(東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例)

 また、2015年に渋谷・世田谷区で導入がスタートした、同性カップルを公的に認める(同性)パートナーシップ制度は、現在(3月2日時点)、34の自治体にまで広がっており、LGBT含む、性的少数者の人が人権尊重され、保障される社会に向けた取り組みが進みつつあります。

 しかし、日本には、性的指向や性自認を理由とした差別を禁止する法律がありません。同様に、LGBTの人たちを保障する法律もありません。

 性的指向、性自認を理由に、個人が不当な扱いをされたり、不利益を被ったりするようなことは、決してあってはいけません。


LGBTの人権


 2019年に200の自治体を対象に、アムネスティが行ったアンケートによると、性的指向・性自認を理由とした差別解消のための施策について、国の方針がないと、施策を進めるのが難しいという回答が多数寄せられたそうです。


 キャンペーンサイトでは、誰もが安心して、自分らしく、生きられる。そんな社会をつくるために、以下の実現を目指すと書かれてあります。

1. 国や自治体で、性的指向や性自認を理由とした差別を禁止する法制度がつくられ、差別をなくすための具体策が講じられること。
2. 国や自治体の政策を変えるために、個人あるいは草の根で芽生えつつある運動がより一層強化されること。


 開催国である日本政府は、オリンピック憲章を順守すると誓約しており、アムネスティは、この約束を政府が守り、オリンピックの精神に則ったオリンピック・パラリンピックとなるよう、大会開催までに性的指向や性自認による差別禁止法を制定することを求めています。


 すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。(世界人権宣言)

性の多様性


 性のあり方は、身体の性だけでなく、好きになる性・誰を好きになるか(性的指向)、自分が感じている性(性自認)や、社会的な性(社会的にどうふるまうか)など、一人ひとりに個性があるように、多様です。

 性の多様性を理解し、LGBTの人が生きやすい社会をは、他者の人格や尊厳を尊重することにつながり、誰もが生きやすい社会になるのではないでしょうか。

SOGIハラ・アウティング防止施策


 2019年5月、企業にパワハラへの対策を法的にはじめて義務付けた、パワハラ関連法(労働施策総合推進法の改正案)が可決され、これにより、すべての企業等や自治体がSOGIハラ・アウティング防止施策の実施を義務付けられることとなりました。


 これは「措置義務」であり、もし対策を怠った場合、都道府県労働局による助言・指導・勧告等が行われることになります。指針はSOGIの暴露(アウティング)がないよう周知・啓発することや、SOGIもプライバシー保護に含まれる旨を特記しました。各企業等や自治体は、2020年6月以降(中小企業等は2022年4月以降)の措置の実施が義務づけられています。

※SOGI(「性的指向および性自認を表す概念・すべての人がもつ属性)
※アウティング (本人の了解を得ずに、他人のセクシュアリティーを暴露する行為)


LGBT差別禁止法を!


 LGBTに対する偏見や差別を解消し、性の多様性を認め合う社会の実現に向けて、6月17日までの今国会の会期中に法案が提出され、議論されるように、政府に求め、東京オリパラまでに差別禁止法を実現しましょう!

ぜひ、署名へのご協力とご理解のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

➡︎署名はコチラから
https://www.amnesty.or.jp/lp/lbg/


【参考資料】



電通ダイバーシティラボが2018年に行った調査によると、日本では約11人に1人が性的マイノリティであると結果が公表されています。

多様な性について考えよう!〜性的指向と性自認〜(法務省)

日本における LGBT の人びとへの差別 ~人権保障の観点から~
(公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 )

LGBTの困難の事例リスト第3版(LGBT法連合会)

第21回労働政策審議会雇用環境・均等分科会

LGBTに関する活動を中心に行なっています。ぜひ一人でも多くの方に関心を持っていただけたら幸いです。サポートはすべて活動資金に使わせていただきます。