#007 荘子のなかでブラブラ遊ぶ
今から20年前、大学のゼミのレポートの参考文献に、ネットの記事のURLを掲載したことがあります。その時、担当の教授から、「今後、こういう学生が増えてくるんだろうなぁ〜」と言って、溜め息をつかれたことがあります。それをいまだに覚えているということは、その一言が、よほど気に食わなかったんでしょうね!w
いずれ、紙に固執したお前らに対して、若者が溜め息をつく日がくるはずだ!
そんなふうに思っていました!w
それから20年後、世界中の論文がネットで閲覧でき、国立国会図書館のデジタルコレクションを覗けば、数百年前の古文書を読むことができるのですから、隔世の感がありますね!
それでは、昨日のつづき、中国の小説家・魯迅が授業した「中国小説の歴史的変遷」の内容を、Google Scholarで読んでいくことにしましょう!
魯迅は、次のように授業を始めます。
小説という名称について考えてみますと、もっとも古い例は、『荘子』の
小説を飾りて以て縣令を干[モト]む
という一句に見えます。「縣」というのは「高」、つまり「高名」のこと、「令」というのは「美」、つまり「美名」のことです。ただ、これは彼のいわゆる瑣細な言、つまり道術にかかわりのない言葉を指していっているのであって、のちにいう小説と同じではありません。というのは、孔子・楊子・墨子のような諸家の学説は、荘子から見れば、すべて小説といいうるからです。
前後の文脈がわからないので、「小説を飾りて…」の一文だけでは、なんとも言い難いですね…。仕方がないので、岩波文庫の『荘子』(全4巻)を購入しちゃいましたよ!w
『荘子』は、荘子(前369頃〜前286頃)の思想をまとめた書物です。そして、荘子は、以前紹介した「諸子百家」の道家の始祖です。
『荘子』は、内篇・外篇・雑篇で構成されており、内篇が7篇、外篇が15篇、雑篇が11篇あります。
・内篇
逍遥遊篇・斉物論篇・養生主篇・人間世篇・徳充符篇・大宗師篇・應帝王篇
・外篇
駢拇篇・馬蹄篇・胠篋篇・在宥篇・天地篇・天道篇・天運篇・刻意篇・繕性篇・秋水篇・至楽篇・達生篇・山木篇・田子方篇・知北遊篇
・雑篇
庚桑楚篇・徐无鬼篇・則陽篇・外物篇・寓言篇・譲王篇・盗跖篇・説剣篇・漁父篇・列禦寇篇・天下篇
内篇の中に「逍遥」の二文字がありますね。ちなみに「逍遥」とは「気ままに、ぶらぶら歩く」という意味らしいです。「逍遥」というペンネームの由来が、思わぬ形で知ることが出来るのですから、寄り道も悪くないもんですね。
ちなみに坪内逍遥の本名は、坪内雄蔵です。
では、「小説を飾りて…」の一文が出てくる全体の文章を見ていきたいと思うのですが…
それは、また明日、近代でお会いしましょう!
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