パラレルワールドにある会社たち
昨日、2年ぶりに “ 仕事 “ をした。週3のオフィス仕事。
私には、これまで2社の経歴があり、今回で3社目となるのだが、
「ここは、パラレルワールドか?」
と思うほど、これからお世話になる会社は、時代の先端を走っていた。
まさに、堺雅人さんが出演している「CRAFT BOSS」のCMに出てくる、
新しい風の吹きまくっている会社、といった感じ。
このCMは、2017年から始まったそうだが、3社目の勤め先は2015年設立。
社員の年齢層は30~40代。
外資系ともあり、おそらく設立当初から、紙やハンコ文化は無く、全面的にオンライン化を実現したことで、
「仕事は会社の自席でなければ出来ない」という昭和・平成時代の枠組みとは無縁の、フリーアドレス(個々の自席を持たず自由に席を選択できるスタイル)、在宅勤務が定着している。
会議も面接もZOOMで実施するし、対面の会議であってもZOOMを使用する。そうすることで、共有したい資料をZOOM上で展開でき、わざわざ印刷して配布する必要がない。
一方、私の前職は、まるで昭和のまま平成に突入したような会社だった。
社員の半分が50代、30代は空洞化、残り半分40代と20代という構成。
●席は部署ごとに固定席。頭上に部署名が記された看板がぶら下がる
●申請書の提出トレイが、ドア寄りの棚に設置され市役所のような雰囲気
●決裁を取るのに課長・部長、その他、大量の上長のハンコが必要
●紙文化。書類保管用キャビネットが大量にありオフィスを占有
●書類管理の手間が膨大
●データをメール添付するより、FAXを重視
●台風・雪でも、とにかく出社をしようと頑張る精神
●営業は、朝必ず出社し、帰りも必ず社に戻る
●「〇〇さん」と呼ばずに「〇〇課長」「〇〇部長」と呼ぶ
そして、勤続30年の先輩の引き出しの中には “そろばん“があった。
かつて社内で喫煙していた形跡残る、黄ばんだキャビネットに囲まれながら、Webマーケティングのベンチャー企業から転職してきた私に、部長が言った。
「我々も変わらなければならない。若いあなたに色々提案して変化を起こしてもらいたい。」
2015年のことだった。
世の中には、すでに様々なオンラインツールがあったが、
予算は無いと言い、メールも使いこなせない50代も多い組織で、何をどう変化させるか。
結局、私は、請求書のオンライン化を実現したのだが、
これを遂行するにあたり、
「仕事のやり方が変わると面倒」
という、変化に対する抵抗と、
「あれも出来なくなる、これも出来なくなる」
という、紙の利便性が失われることへの不満を、一身に浴びた。
そもそも、現場の多くの人が、旧時代的な組織の在り方やシステムに、違和感を抱いていないし、変えたいとか変わりたいと思っていなかった。
むしろ、新しいことを覚えたりすることの方が嫌だと思っていたりする。仕事に真面目な人ほどそうだった。
変化させるには、物理的にも意識的にも “捨てる“ ことを受け入れないと、新しいものは取り入れられない。
もはや、全部更地にして、一から作り直す方が簡単な気がした。
***
コロナで色々露呈した、日本の保健所や行政システムの時代遅れ。
河野大臣が取り組んでいる “ 脱ハンコ “ の取り組みを見ていても、
古い組織を変化させるには、ナタをふるうような覚悟で取り組まないと難しいことが分かる。
私が社会人になったのは、2006年。
そのほんの少し前まで、FAX、電話、ワープロ、電卓、帳簿、そろばんなどを活用して日本の社会は動いていた。
時代はどんどん変化する。
今を生きる全ての人々に、平等に与えられる変化の中で、
「どうありたいか?」自らの選択によって、見る世界、生活、暮らしに大きな違いが生じる時代になった気がする。
同じ日本で、同じ時代に生きているにも関わらず、
こんなにも会社によって、世界が異なるなんて・・・
パラレルワールドは、普通に存在するんだ。
驚愕の1日だった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?