見出し画像

フィンランドの大統領選は2回投票してコーヒーを飲む

フィンランドの大統領選挙が近くなってきましたね。職場でもこの話題がちょこちょこ出てきます。

さてフィンランドの大統領選挙は計二回行われる時があります。二回投票制と呼ばれるものです。有名なのはフランス大統領選ですが同じ形式です。




二回投票制とは

1回目の選挙で50%以上の支持を集めた候補者がいない場合は上位2名による再選挙、つまり2回戦目に突入します。
そこで一騎打ちとなり過半数の票を獲得したほうが次期大統領となります。

Luku 5 - 54 §  Tasavallan presidentin valinta

Presidentiksi valitaan ehdokas, joka saa vaalissa enemmän kuin puolet annetuista äänistä. Jos kukaan ehdokkaista ei ole saanut enemmistöä annetuista äänistä, toimitetaan uusi vaali kahden eniten ääniä saaneen ehdokkaan välillä. Presidentiksi valitaan tällöin uudessa vaalissa enemmän ääniä saanut ehdokas. Jos on asetettu vain yksi ehdokas, hän tulee valituksi presidentiksi ilman vaalia.
(以下略)

(要約)一番目の大統領選挙において立候補者が過半数を超える投票を獲得した場合、次期大統領として選出されます。
誰も過半数を超える投票を獲得できなかった場合は1回目の選挙にて投票数を多く取得した上位二名による再選挙が行われます。
二回目の選挙においては多く投票数を獲得した候補者が大統領に選ばれます。もし再選挙候補者が一人の場合は再選挙せず大統領となります。

フィンランド憲法 Suomen perustuslaki


2024年の一回戦目は接戦の予感

Helsingin Sanomatより転載

ヘルシンキ新聞社の調査によると今回は上位3名の接戦となりそうです。
少なくとも過半数を獲得する候補者が出る可能性は低そうなので2回戦目に持ち越されることが予想されます。


フィンランド選挙の歴史

直近の選挙結果

現在の大統領サウリ ニーニスト(Sauli Niinistö)の選挙結果履歴を見てみましょう。彼は前回の2018年大統領選では過半数の票数62,7%を取得したため選挙は1回しか行われませんでした。彼の人気度が伺えます。

前々回の2012年、彼の初回選挙結果は37%で過半数割れ
その結果 Pekka Haavisto 氏と2回目の選挙に臨みました


過去はアメリカと同じ制度で大統領選挙を行っていた

1994年から現在にかけては直接選挙で候補者を選んでいます。
それ以前の大統領選、1919年から1987年にかけてはアメリカ同様の間接選挙を採用していました。

1987年までは間接、1994年から直接・・。となると間に一期空いてますね。

ちょうどその境目となる1988年の大統領選挙、間接選挙と直接選挙の両方を合わせてハイブリッド選挙なるもので大統領を選んでいました。
マウノ・コイヴィスト(Mauno Henrik Koivisto)が当選して2期目の大統領を務めたときの選挙がそれに当たります。

(解説すると長くなりそうなので今回はこの辺で。)


選挙に行ったらコーヒーを飲むフィンランド人

Vaalikahvi という単語を聞いたことがあるでしょうか。
直訳すると選挙コーヒー。選挙に行って投票した後カフェに行ってコーヒーを飲む習慣がフィンランドにはあります。

この習慣はとても長く続いているようです。特に年配の方はこの習慣を欠かしません。

フィンランドのカフェでは選挙日の日曜日はいつもより多くPulla(プッラ)を用意するとか。お年寄りが多く住むエリアではカフェが忙しくなりそうです。

結局最後はコーヒーで〆る。コーヒー大好きな国民性は伊達ではありませんね。