P209. 読書の秋『チョコレートコスモス』②
こんばんは!
今日の記事は以前途中まで感想をあげた恩田陸さんの著書「チョコレートコスモス」の感想の続きです。
前回の記事はコチラ
前回の112ページから一気に430ページまで読み進めました!
残りは80ページ程なので、次で最後の感想になると思います。
ネタバレ要素を含めた感想ですのでご注意くださいまし!
①劇団名「ゼロ」
W大学の学生11人で構成される劇団の旗揚げ公演が決まった!
なんと本番は2週間後。しかも劇場はそこそこ知名度のある中劇場。
様々なイレギュラーが重なって舞い込んできたチャンスだったが、準備時間も少なく作品への制約も多い中でメンバー達は困惑していた。
そんな折、ただ1人演劇未経験の新メンバー佐々木飛鳥が口を開く。
「名前、なんていうんですか」
劇団の名前、旗揚げ公演をするなら名前が必要だから。
「準備が間に合わないんじゃないか、演目はどうするか」
そう悩んでいるメンバーを尻目に、飛鳥は旗揚げ公演にもう出るつもりでいるのだ。
これまた好きなシーンなのですが、劇団として稽古をするだけなら名前は無くてもできるけれど、公演を打つ以上は名前が必要になるんですよね。
2、3人なら話し合って団体名を決めるのもそんなに難しくは無いと思うのですが、個性豊かな若い役者が10人もいたら全員が納得のいく名前を決めるってなかなか大変です。
その大変な命名の役は、新人の飛鳥に委ねられます。
この団体に名前をつけるとしたら何がいいか、と。
飛鳥の答えは「ゼロ」でした。
「まっさらというか、見えない大きなものが先にある、みたいな感じです」
かくして旗揚げのゼロ公演が決まったのでした!
②先入観なしに何かを鑑賞するということ
大きな執筆依頼を受けた脚本家の神谷だが、プレッシャーからかなかなか脚本を書き始めることができずにいた。
そんな時、知り合いから誘われて偶然足を運んだ劇場で行われる公演が
ゼロ公演「目的地」という作品だった。
ゼロというのは劇団名なのか、それともゼロ回目の公演を意味してるのか
神谷は見たことの無い団体の芝居に対して、何か情報を得ようとしている自分に気づきます。
いつの間にか、先入観なしに何かを鑑賞することができなくなっている自分。
「お前の夢見る力はとっくに衰え、枯渇しかかっているのだ。」
創作現場のあるあるでしょうか。
真面目に学べば学ぶほど、場数を踏めば踏むほど様々な制約やしがらみ、
誰かのルールに縛られて。
いつの間にか本当に自分が創りたかったものがなんなのかわからなくなってしまう時があります。
予算内でできるもの、とか
テレビ局の意向やプロダクションとの関係性とか考えて
可能性が狭まった状態で脚本を書くようになってしまって。
しがらみを何も気にせず書きたいように書け、と言われた時に書きたいものがあるだろうかとわからなくなってしまうんですね~
③彼女は造られていない
旗揚げ公演で稀有な才能を見出された飛鳥は、神谷が脚本を担当する大きなプロジェクトのオーディションに参加させられることになるが、そこでも注目を集める存在になります。
長く芸能界で経験を積んで成長していった「うまい俳優」や「天才」と呼ばれる人たちも「芸能界で評価される」という1つの型に嵌まった上での演技なのに対し、飛鳥のそれはあまりにも自然体。
まるで劇団のカラーだとかプロダクションの事情など関係なく
「登場人物になること」「お客に芝居を見せること」しか考えていない。
「役者を演じ」るのではなく「役を演じ」ている。
いよいよ役者にはたまらない、面白い表現のオンパレードです。笑
さっきの神谷さんの先入観のお話の対になるのがこの飛鳥のオーディションでの演技です。
本当なら役者が考えることは「登場人物になる+お客に芝居を見せる」それで良いはずなのに、それがどんなに難しいことか想像できるでしょうか?
造られていない今の彼女だからこそ創れる演技なんですね。
そしてこの演技が認められ飛鳥はこのビッグプロジェクトでたった4人の合格者に選ばれ、2次審査の台本を受け取ります。
しかし彼女はオーディションを辞退したいと言い出しました。
今はまだゼロで、地道に活動をしていきたい。
自分の知らないところでどんどん話が進んでしまうのは嫌だ、と。
こうして飛鳥は2次審査の辞退を申し出ますが、台本を返しに行く為に2次審査の会場に足を運びました。そこでまた凄いオーディションが・・・!!
ていうところで今430ページです。笑
全然うまく纏められないのですが、舞台のことにも興味を持ってもらえたら嬉しいですしそうでなくても単純に面白い作品なので読書の秋にオススメの1冊です☺
さて、明日には読み終えるかなー:)
今日も読んでくださりありがとうございました!
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ではまた明日!
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