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保険営業はどう変わる?

リモートワーカーが増え、リアルで人と会う機会が減りつつある昨今。
保険営業はどう変わっていくのでしょうか。
今回はそんなことを書いていきます。

窓販はどう変わる?

少し前に一世を風靡した保険ショップ。
昔はめずらしくて、来店客も多かったのですが、コロナもあり、来店客は減少。ショップ数や競合も増え、コンビニや歯科クリニックのように市場に飽和感があると思います。
これ以上出店するエリアがなかったり、来店減少で店舗統合の動きもあります。
これからの伸びしろでいくと、やはりオンライン集客やオンライン店舗になると想定します。
窓販でありながら、リーズなどの施策を導入していたり、訪販とハイブリッドにしているようなところもあります。

訪販はどう変わる?

テレアポして訪問して、紙で契約していた訪販にも、デジタル化の波が押し寄せています。
オンライン化といっても、現状はZoom面談やオンライン契約程度。
見込顧客の発見やコミュニケーションといった面談までのプロセスのオンライン化が進みそうです。
また、海外のデジタル保険代理店のように、各種セールスプロセスの分業化、専業化が進むでしょう。
顧客とのオンラインコミュニケーションをして、アポを頂くインサイドセールスや、面談・プレゼンをするフィールドセールス、契約や保全をするミドルやバックオフィス、アップセル・クロスセルを行うフォローセールスなどに細分化していく保険代理店も出てくると思います。
フルコミッションモデルは、保険代理店経営において、赤字などのリスクは少ないものの、社保義務や、採用負担、2年で8割が辞めるなどの異常に高い離職率、赤字社員、ゾンビ社員などの諸々の課題があるため、スケールしにくいためです。
フルコミモデルでは2,6,2の法則で上位1,2割の優秀な社員が8割以上の成績を上げ、後はお荷物社員となる傾向があります。
その優秀な社員が他社に引き抜かれてしまうと売上げが激減し、その属人的な営業ナレッジも会社に残りません。
固定給+ボーナス型で、各人が得意な領域を担うビジネスモデルへの変革があると考えます。
直販(1社専属)も、海外のように、他社の保険も扱えるなどの、直販の代理店化もありそうです。

ネットダイレクト保険はどう変わる?

大量の広告費を投下し、ユーザーをランディングページに誘導しても、なかなかコンバージョンしないのが、ダイレクト生保。
コンバージョンしても、少額の保険です。
ダイレクト生保は、大量の顧客を保有する大企業との提携や、保険代理店への乗合販売、オンラインアドバイザーを加えるなどで、デジタルオンリーから、オンラインでのヒューマンタッチを加えたモデルを模索しています。
これにより、リードからの成約率や単価の上昇を目指していくでしょう。
一般顧客が自身で最適な保険を設計し、自ら申込むという行為が非常に難易度が高いため、やはりプロのプランナーからのアドバイスや設計、背中を押してもらうクロージングが必要になってきます。
保険知識ゼロの一般顧客が、自分で保険を申込むとなると、オンライン自動車保険のような感覚なので、第三分野の医療保険やがん保険のみの少額の契約になりがちです。
なぜこれらが多いかというと、ニーズが顕在化しており、給付金を自身が受け取れるからです。
入院手術時の痛い出費のリスクを解消したいと感じ、加入します。
でも本当に大事な死亡保障は、他益財であるため意識が薄いので、プロのプランナーからプレゼンを受けないとニードが顕在化しないものです。
仮に自ら加入する場合ですと、保障額数百万円、数百円の保険に加入となります。
これでは万が一の際に、ご家族を守れない可能性があります。
本当に役立つ保障に加入できるダイレクト生保が求められていると思います。

マーケットプレイスはどう変わる?

カカクコムやアドバンスクリエイトなどが行っている、保険商品の一覧やスペック比較ができるマーケットプレイスも、上記の理由と同じで、商品情報があっても正しい設計や選択ができない顧客が多いと想定します。
商品をみながら、わからないことをアドバイザーにオンラインで相談できたり、そもそも自分にはどんな設計が良いのかという商品選びの前段階が重要になるでしょう。
自分にはどのような保障がいくら必要と腹落ちした上で、その各カテゴリーの商品を比較検討しなければ、最適な保険を選ぶことは難しいでしょう。
Amazonなども保険販売への参入を計画していますので、彼らの場合はユーザーの各商品の購入履歴からリコメンドをしてくると想定しますが、どこまでのものが出てくるのか興味深いです。

ユーザーがより優位になっていく

今までの保険営業の世界は、ユーザーは保険商品知識もなければ、商品比較もできない、営業から言われるがままに入るという、情報非対称性の激しい業界でした。
これからは、オンラインマッチングプラットフォームが急拡大し、従来の窓販や訪販、ダイレクト生保、マーケットプレイスの領域のユーザーのシェアを獲得していくと想定します。
保険の場合は加入時よりもその後の保全や保険金支払い、見直しや解約返戻金の資産形成など、保険の機能を利用する納品時が重要であるため、担当者や担当会社の体制が大事です。
これからの時代、ユーザーの保険選びは、まずはプラットフォームに情報を入力し、何人かのプランナーからアドバイスを受け、その中から自身にとってベストと感じたプランナー(や保険会社・保険代理店)を選び、必要保障額の算出や公的保障の確認、最適な商品を選ぶことができ、契約後もオンラインで都度最適なアドバイスや保全が受けられる、そんなサービスが求められていると考えます。
たまたまの知り合いや紹介された保険プランナー、フラッと立ち寄った保険ショップなどから加入するのが正とは限りません。
窓販ショップは保険商品を選べるという、2.0の世界観を提供しましたが、これからは保険プランナーや保険会社・保険代理店を選べる3.0の時代なのです。
マッチングプラットフォームで、自分にとって最適な保険プランナーを見つけられる、そんな時代になりつつあります。

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