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余白

小1からずっと書道を続けてきて、今は豊田の先生に月に1度郵送で提出させてもらっている。
習字にどっぷり浸かっていた時期もあったけど、生活スタイルが変わって、今は子育てとお店の比重が大きくなった。だから毎月10枚ずつぐらい書いて出すだけ。
でもこれで良いと思っている。
また本腰を入れてやりたくなる時がくるかもしれないし、気分も落ち着くので、あえて毎月少しだけ筆を持つ時間をつくっている。

あと密かな楽しみなのが、先生との文通。
毎月のお手本と一緒に、仮名の作品のようなお手紙が届く。
70歳くらいで、みんなの反対を押し切ってインドに行ってしまうような先生。
パワフルだけど、自分が目立つことよりも後輩を育てることを考えている女性。
そんな先生が大好き。

先生に作品を選んでもらうと、たいてい自分が上手く書けたなあと思う作品とは違う作品が選ばれる。
私は一つずつの文字に注目しがちだけど、先生は全体のバランスや流れなどを見て、パッと選ぶ。
「全体のバランス」の内訳を細かく考えると、余白が大事なのかなと思う。
紙の白色と、墨の黒色のコントラスト。このバランスが上手くとれた時に、美しい作品ができる。

余白は、生活にも置き換えれると思っている。
余白の時間は、心を休める時間。目の前のことだけでなく、全体を見渡してみる時間。ふらっと寄り道する時間。
これは、その時その時の必要としている事柄を、補うための時間。

旅行の時も、1日1箇所だけ行く場所は決めるけど、あとは何も決めない。歩いてる途中で、気になった場所に時間を割く。この方が発見が多くて楽しい。


いつか先生と同じ感覚で作品を選べる時がくるのかな。
久しぶりに先生に会いたいな。

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