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ツール・ド・フランス優勝車種のオーバーホールも当店にお任せ♪■2023年02月06日更新

広島県広島市にある『動く』自転車屋【サイクルサービストグト】のnoteへようこそ!

ご覧いただきありがとうございます。
当店公式noteのリニューアル作業とお預かり車体のオーバーホール等で充実している『快適長持ち系自転車安全整備士』店長のノーリーです。
当店公式noteを見て下さった方がわかりやすいように、そして当店にご依頼いただいたユーザーさんにはご満足いただけるようにするため、いろいろと進めております。

■今回のオーバーホール車体はあの優勝車種

世界最大のサイクルロードレース『ツール・ド・フランス』にて、2020年、2021年と連覇を成し遂げたタデイ・ポガチャル選手(UAEチーム・エミレーツ)。
ライダーがとてつもないのは事実ですが、自転車競技は機材スポーツでもあるので車体も無視できません。
今回ご依頼いただいたのは、タデイ・ポガチャル選手とともに連覇を成し遂げた車種です。

◇ブランド
【COLNAGO】(コルナゴ)
◇年式
2021
◇車種
V3-RS DISC

独自の構造を持つ車体ですが、当店ならノープロォブレム!

■作業の様子を公開

まずは分解から。

汚れが溜まっているのがよくわかります。
ただしガタは無く、ペダルとしてのコンディションは問題ありません。

チェーンチェッカーとチェーンフックが兼用になっているものはオススメです。

専用工具引っかけ…

挟んで…

パチンと外します。

今回はリアギアの歯数構成を変更するので、このチェーンはサヨナラです。

比較的キレイなリアディレイラーですが、プーリーの汚れ等も落とします。

リアディレイラーも分解して…

できる限りキレイに掃除します。
こういう部分はけっこう見落としがちですよね。

もちろんクランクセットも抜き取ります。

BBも汚れが溜まっていますね。

クランクセット・チェーンリング(フロントギヤ)も分解します。

【SHIMANO】(シマノ)ULTEGRAは掃除しやすい構造です。
基本は同じくシマノの105で組んでいるのにクランクセットだけULTEGRAにする人もいるのはこれが理由のひとつかもしれませんね。

ボトルケージやアクセサリーも一旦外して…

徹底的に洗います。
100%は無理でも可能な限り汚れを落としましょう。

BBを抜き取ってある程度キレイにした状態↑

BBシェルにプレスフィットBBを受けるシェルをネジ込む構造です。
これがまた特殊な構造ですが…

現時点では【COLNAGO】(コルナゴ)の取り扱いはありませんが、当店ではちゃんと専用工具をご用意しています。

BB受けも外して洗浄しましょう。

BBシェル内部はこうなっています。
走行中の振動によってバリ等が取れることがあり、それが異音の原因になることも少なくありません。
こういう時に、ついでに取り除けるゴミは取り除いておきます。

乗り続けていればブレーキダストも溜まるものです。

油圧式ディスクブレーキはパッドクリアランスが基本的に自動調整であるため、パッドの減りは気付きにくいかもしれません。
これは結構減っている上、パッドが油分を吸っているので要交換です。

ブレーキ本体を外し…

ブレーキオイル交換の準備もします。

ブレーキローターとカセットスプロケットを外し、タイヤ・チューブも外します。
オーバーホールではタイヤを手洗いしておくのも当店のこだわりです。

ギヤ丁数を変えるので、カセットスプロケットも用済みとなります。

ブレーキローターに油分が付着すると、それがパッドに移って大変です。
入念に洗浄しましょう。

もともとのデキが良いのか、フレは僅かに1箇所発生していただけでした。
ただ、カラカラと異音が鳴るので何かなと思って探ってみると…

リムウォールに取れたバリが残っていて、これがゴミとなって異音を発生させていたようです。

ラチェット音が大きいホイールなので、なかなか気付きにくいかもしれません。
こうしてオーバーホールをすることで通常の点検では発見できないことも見抜くことができるのはメリットですね。

フロントディレイラーも比較的キレイですが、普段の掃除では手が届きにくい箇所もあるものです。
もちろんこれを機に洗浄します。

フロントブレーキのローターはリアより大きいものを採用しています。

なのでこういうマウントが必要なわけです。
これももちろん洗浄します。

この車種の難所のひとつ、ヘッドまわりです。

コラムが丸ではなくカマボコみたいな形になっているのは…

これが理由です。
ケーブル類がステムからコラムに沿ってヘッドチューブ内部を通ります。

ブレーキホースを再利用する都合上、完全分解をするわけにはいかず、この隙間で何とか洗浄等を行います。

上側も同様です。
ブレーキホースの長さがちゃんと余ってくれていて良かったです。
これでホース長が足りないようだと、ホースを新品に交換して繋ぎ直すハメになります。

初期の組立でグリスがたっぷり使われていようで、全くサビがありません。
こういうことからも、初期の組立の大切さがよくわかります。

さすがにグリスは古くなり、汚れも溜まっているので一旦洗浄します。

その上で改めてグリスを塗布します。

ブレーキオイルは黒ずんでいました。

シマノのミネラルオイルは新品だとピンク色です。

カセットスプロケットの歯数構成を変えるため、新品に取り替えます。

メーカーさんから贈られてきた時点でスペーサーの向きもバラバラですが、何となく気持ちが悪いので向きも『11S』の表示の位置も合わせます。
※性能には直接関係ありません。

ブレーキパッドは新品になりました。

ローターとパッドの隙間をきちんと確保していますが、写真では隙間が無いように見えますね。

ディスクブレーキはこれくらいシビアな隙間で調整をする必要があるということです。

BB受けを装着して…

BBも圧入しました。
SHIMANOのロゴもいい感じの位置に合わせています。
(まあ、どうせクランクで隠れるんですけどね。)

チェーンリングボルトにサビ防止処理をしてクランクセットを組み付けます。

左クランクもセットしていき、自転車らしい形に戻ってきました。

汚れ防止にバリアスコートを施工。
これはユーザーさんのご希望によるオプションです。

素手でも脱着できますが、確実性を取るために専用工具を使ってリアディレイラーとエレクトリックワイヤーを接続します。

リアディレイラー接続完了!

フロントディレイラーも組付&接続が完了しました。

ペダルは洗浄後、サビ防止処理もしています。
100%は防げなくても、長持ちはしてくれるでしょう。

こういうネジ類も緩んでいないかチェックします。

輪行をなさるユーザーさんなので、ペダルのネジの焼き付きは避けたいものです。
当店では【WAKO's】(ワコーズ)のスレッドコンパウンドを使います。
ワコーズ製品の取り扱いもあるので、ご希望の方はご相談下さい。

電動コンポの充電中…。

充電が完了しました。

ついでにSHIMANO公式のファームウェアを最新の状態にアップデートします。

今回は前後ディレイラーと左右レバー、バッテリーが対象ですね。

実は当店では充電器にシマノのSM-BCR2を使っていますが、シマノのE-tube projectアプリの最新バージョン(ver.5)ではこの充電器が使えないようです。
ここでも互換性の壁が…。
この場合はシマノのE-tube projectアプリの旧バージョン(ver.4)を使わなければなりません。

パソコン(Windows)でファームウェアを更新する人は↓からダウンロードできます。

レバー側のエレクトリックワイヤーの取り回しにも工夫が必要です。

バーテープは基本的には再利用できないものです。
厳密に言えば、使えないことは無いけどクセが付いてしまっていたり、長さが足りなくなってしまったり等、様々な理由で推奨されません。
ですが、今回は買ったばかりのバーテープであることと、見た感じ再利用できそうでもあったので、ユーザーさんのご希望で再利用することになりました。
もちろん、それでも必ず再利用できるわけではありませんが。
運良く今回は何とか再利用できました。
再利用の割にはいい感じに仕上がったと自画自賛します。
化粧テープも上手く再利用できたのは大きいですね。

シート周りのオーバーホールも抜かりはありません。

けっこうくすんでしまっていたサドルですが…

しっかり洗って、ある程度汚れは落とせました。
写真で伝わりにくいのが無念です。

シートクランプも特殊な構造です。

ヤグラも独特な形状を採用しています。

専用品なのでできるだけ長持ちさせたいものですね。

固着やサビ防止をねらってグリスアップしておきました。

もちろん、シートクランプも忘れません。

サドル高はそのまま変えず…

固定してカバーを被せます。

■完成!これがTDF連覇のスーパーバイクであるッ!

フロントライトとリアライト等の洗浄不要なものはユーザーさんからのお預かり時点で外してあります。
フレームの色と各パーツの色に、統一感と個性を両立させたカラーコーディネイトですね。

今となっては旧世代となってしまったアルテグラ8050のリアディレイラーですが、まだまだ余裕で現役です。

アルテグラ8050のフロントディレイラーも同じく旧世代となってしまいましたが、まだまだ活躍してくれるでしょう。
申し分無い性能です。

このフレームカラーのために作られたのかと思うほど、色的にバツグンの相性と言えるサドルですが、座り心地もユーザーさんの好みだそうです。

ハンドルバーエンド(右)には収納可能なバックミラーが付いています。

レックマウントの量持ちナロータイプに専用のベルキットを取り付け、合法的かつ洗練されたスタイルに仕上がっています。

ボトルケージの色を上手く使い分けつつ、携帯ポンプもスマートに持ち運べるようにしてあります。
技ありカスタマイズですね。

ブレーキダストをしっかり除去して新品のようにキレイになったブレーキ本体。
パッドも新品になっています。

ささやかな組み付けのこだわりですが、バルブ位置に対してタイヤのラベル、ブレーキローターのメーカーロゴ等の位置を合わせています。
できるだけ美しく仕上げたいものです。

ロードバイクだからSPD-SL(三つ穴)タイプを選択するという人は多いかもしれませんが、用途に合うものを選ぶのがベストです。
輪行やポタリングをメインとするならSPD(二つ穴)タイプが断然使いやすくオススメします。

キズのように見えて、実は塗装です。
キズさえもデザインとして取り込めるようなカラーリングで、純正のペイントだとしても同じカラーは世界に2つとありません。
まさにオンリーワン仕様と言えるもので、所有欲も満たされるでしょう。

特殊なヘッドまわりで注意点もいくつかありますが、プレミアム感は間違い無くあります。

ケーブルルーティングはこの通りです。

ハンドルバーエンド(左)にはジャンクションAを装備しています。
電動変速機を動かすバッテリーの充電もここで行います。

車種としては特殊な構造や独自設計を採用しているので、どうしても手間がかかることは否めません。
近年のスーパーバイクはだいたいそういうものです。
当店では今でもいつまでも知識・技術を培い続けているメカニックが、ユーザーさんの大切な愛車に真心を込めて作業させていただきます。
道具や環境の都合でできないこともありますが、ハイエンドバイクの整備作業もお任せ下さい。
当店ならユーザーさんのもとへ車体を受け取りに伺い、整備作業を済ませてお届けするという便利なサービスをご用意しております。

■自転車のご依頼・ご相談等はメールでお気軽にどうぞ↓

当店は出張修理等が多いため、決まった店休日や営業時間という概念がありません。
他店様が営業していない時間帯でも予約制にてご依頼等を承ります。
また、当店にて自転車の販売(防犯登録含む)も行っておりますが、他店様にてお買い上げの自転車の組立や点検及び調整、修理やカスタマイズ、オーバーホール等のアフターケアも大歓迎です。
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