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【癌】大腸ちゃん、ステントか人工か。
父は一昨年の11月に膵癌と宣告された。
その事については、また今度かいていこうかなと思う。
そしてその腫瘍の一部が、大腸を圧迫し、うんちが出なくなっていた。
最近の父の口癖は、
”お腹が張ってる””うんちが出ない”
確かに、そこまで太っている訳ではないが、
お腹だけ出ている。
なんせ、うんちが出ないことが辛く食欲も湧かない。
体力が必要な身体にとって、栄養が取れないのはもう致命傷だ。
なんとかしないといけない。と言う話になり、
先生からのこれからの処置について家族で話を聞いた。
”腫瘍の一部が、大腸を圧迫して腸が膨らんでいます。この膨らみをなくすために、二つ方法があります。
一つは人工肛門、もう一つはステントです。”
そして、ここからそれぞれについての、メリットデメリットをつらつらと説明してくれる。
…
…
…
あー、話は入ってくるし、分かりやすいんだけど、
どっちを選べって難しいぞ先生。
しかもその返事を今日中にしなくちゃいけない、いやー酷だわ。
…ゆくゆく聞いてみると、前々日くらいには先生は直接父にその話をしていたようで、父と母の中ではこのことについての議論がされていたみたい。
私は、その話をあらためて先生から聞いて、
それぞれについての質問を何度もした。
今の癌がなくなる事を期待したいが、根治する事はない。
そして、今大腸の周りにいる腫瘍と今後も付き合う。
そうなれば、ステントじゃない方がいいんじゃないか?
私は人工肛門をすすめた。
…
父は違った。
どうしてもステンドが良いみたいだった。
話を聞くと、人工肛門だと外に出ることがいやになり、
もう生きる気力が湧かなくなる。
そう言っていた。
父は癌患者であることを自分から言ったりはするが、
それを周りから言われるのが辛いという。
人それぞれの価値観だが、
そこは父の言うことを聞くしかない。
(※父が言っている事は、人工肛門の方への軽視的な発言ではなく、
あくまで自分自身のモチベーションの話です。)
先生の話を聞きながら、
自分だったらどの選択をするだろう。
自分が目の前で画像を見せられて、今後この治療をします。と言われたら、
遠回しでも、回復が難しいと言われたら。
…そんな事を考えては、ふと隣を見ると
泣いている妹がいて、私もさらに心が苦しくなった。
結論、父はステンドを選んだ。
そして、もしかすると様子を見て手術に切り替えます。と言われた。
あとは父の選択と、病院を信じるしかない。
帰り道、母と妹と3人で話しをした。
”今後の事を考えると覚悟は必要だよ”
母はそう言った。
覚悟…
うん、覚悟ね…
できてるよ。そりゃ万が一何かあったら、って。
もしかしたら、自分の方が先にどうなるかも分からないし、
父の病気に関しても、いつどうなっても、
って心の準備はどこかでしてるよ…
でも、やっぱり先生に真っ直ぐ見られて、
あの真っ白な空間で、
先生と家族だけの空間は、緊張と不安を感じるし、
そんな状況で聞く話は、何倍も怖く聞こえる。
だから、妹の涙も仕方ないし、
大人で覚悟ができてる。って言ってもさ、ね。
…正直、きついよね。
しばらくは父が入院になるので、文字や電話越しにしかコミュニケーションできないけど、どうか大腸がちゃんと開通して、
美味しいご飯を美味しいと思えて
お腹の張りが気にならずに日常を過ごせて、
今日はこんなうんちが出た!と報告が聞ける日々が戻って欲しいな。
父が癌になって、
改めて食事の大切さを感じた。
というか、ちゃんと美味しいと思ってご飯を食べれることがどれだけ素晴らしいことなんだろうと思えた。
多分食事以外もそうだろう。
健康だと当たり前だと思えているものは、きっと当たり前じゃないし、
その瞬間瞬間に感謝するのは、
それはそれでハッピー度が高すぎてちょっと怖いけど、
それでも幸せの基準は高くなくていいや。と思った。
今日は新月。そしてひなまつり。
今後の事をお願いしつつも、健康でいられることに感謝して。
素敵な日々を過ごせますように。
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