へぇ、こっちの人も濡れるの嫌いなんだ
隣国セントルシアに研修でいたときに気づいたことなんだけれど、こっちも折りたたみ傘が普及してる。
これは正直びっくりした。
ぼくはてっきり折りたたみ傘なんて使ってるのは日本と台湾くらいだろうと思っていたから。(他の国に雨季に旅行したことないから知らないけど)
以前、アフリカ人にけっこうな雨が降っていたけど海行こうと言われて驚いたことがあったから。彼は豪雨で一瞬でびちょちょになるのは嫌だけれど、徐々に濡れることには抵抗がないようだった。結果は同じだと思うのだけど。
数分で止んだりする通り雨も多いこの地域では、折りたたみ傘は確かに理に適っているけれど、文化的にはルーツであるアフリカや欧米の影響を受けていると思っていたから。
欧米だと、傘をさすのはどういうわけかクールじゃないらしく傘を使わない人も多い。ぼくの友人知人も傘はささない。持ってすらない。
どうせすぐ止むし、すぐ乾くしみたいなことを言っていた気がする。
そんなことを言われると、ぼくは濡れることを過剰に嫌がっているのかなぁ??これは水に対しては潔癖ということなのかぁ??と思っていた。
そんなわけで、セントルシアで折りたたみ傘を見た時ぼくは、感覚的には日本に近いのかなぁと思った。
とは言うものの、実を言うと傘を持っている人すらそんなにいなかったりする。
理由は1日中雨ということはないし、すぐ止むことが大半という理由が主だろう。朝の出勤時に雨が降っていなければ傘は持たない人が9割だろう。(だって天気予報なんてないんだもの)
けれど、それは濡れることに抵抗がないということとイコールかというと全然そんなことはない。
夕方、仕事終わり、小雨が降った。それは後に豪雨へと変わるのだけれど、小雨の段階から雨宿りをする人が多くいた。
それまで、ぼくは同じ光景をいくらか見ていたはずなのに気づかなかった(豪雨のときしか見てなかったのかもしれない)けれど、ここセントビンセントの人は濡れるのを結構嫌っている。それこそ日本人ばりに。
すぐ雨宿りする。
ぼくは以前紹介した通りウォータープルーフのバックパックがあるから、中のものが壊れたり濡れたりする可能性がゼロだから、自分が濡れることにほぼ抵抗がない。着替えれば良いや、帰ったらシャワー浴びるしとしか思っていない。あくまで「帰宅時は」という話だけれど。
そういう安心感とマインドでいるから雨宿りしている人たちを見るとどこか滑稽に思えてくる。少し前のぼくは、東京にいたときのぼくは服が少し濡れるのも嫌がっていたのに。
いったい何を嫌がっていたんだろう。
彼らはいったい何を嫌がっているんだろう。
どうせ帰宅するしかないはずなのに。
何年か前に、昔のヨーロッパの人は雨が視覚的に見えてなかったんじゃないか説というのを読んで以来、(あいつらは雨が見えてないから雨を防ぐ傘という概念を理解できないんだと半ば本気で思っていたりした)ぼくも他の文化圏の人からすると見えていないものがあるのかもしれないと考えているんだけれど、ぼくにはいったい彼らの何が見えていないんだろう。
東京にいたころのぼくは、例えばスーツが濡れると明日の朝には乾いているのか?乾くのか?ということをとにかく気にしていた。あと、単純に革の靴や鞄を濡らしたくなかった。とにかくきれいなままでキープしておきたい欲があった。
湿度が高いとそういう思考になるのかもしれない。なんだかんだでヨーロッパはカラッとしてるイメージがある。
さて、カリブの人はいったいなにを気にしているのだろう。
Tシャツ?ドレス?ばっちり決めたメイク?
スマホ?書類?
突然の雨なんて彼らの人生で何百回と起こっているはずなのに、折りたたみ傘の存在も知っているはずなのに、なぜ傘を持たないんだ、君たちは。
いったいぼくは彼らの何が見えていないんだ、何を見逃しているんだ。
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