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違う違う、俺の狙いはそうじゃないんだ…

相変わらず、コツコツとペーパーバスケットを作ってる。

まだ全然売れてはいないけれど、協会を訪ねてくる人を中心に認知度も上がってきて少しずつではあるけれど、「これが、〇〇が言ってたアレか!」「写真撮っていい?」「麦わら帽子も作れる?」みたいな感想もすごいねと褒めてくれたあとに言ってくれるようになってきた。

褒められるのは悪くはないけれど、これに関してはぼくびっくりするくらいうれしくない。

だってぼくはこの職人さんじゃなくて、マーケティングマネジャーだから。売れたり、PRの効果が見えないと全然うれしくない。

まとまった数ができたら、雑貨屋的なところに持って行ってみようかと思う。いくらかは協会の景観のために置いておくのは良いけど、ただあるだけだとぼくにはどうしても不良在庫に見えてしまうから、きちんと売れるものだという文脈で協会に置いておきたい。

それで、先日、教育関係の人が協会にやってきたとき、ペーパーバスケットがすごく良いという話になった。

あんなものは見たことがないと絶賛だった。君は手先が器用だねと一通り褒めちぎったあと、

小学校でワークショップしてみないか?

と言われた。

いや…うん…ぼくは視覚障害者のPRと視覚障害者コミュニティの活性のために新しいことをやって世間の注目を集めようと、要するに定期的に話題を提供して認知を上げようという戦略なのであって、単なるバスケットの作り方のワークショップは全然目的と違う。

だいたい、紙を丸めないといけないっていう下準備はちびっ子たちは絶対やらない、というかそこからやってたら1日で終わらない。となれば、ぼくが下準備をしてワークショップに臨まないといけないわけで、それって、つまり生徒分……あ…無理。

視覚障害PRまったく関係あらへんやん、と思いつつ、そういうアイデアや提案が出てくること自体は素晴らしいことなので、やんわり下準備大変やから実現は厳しいでという話をした。

そしたら「いやいやそこはさ、ストロー使えば良いやん」と、ええ歳したおじさんがキラッキラした目で言う。

この無垢な目、苦手だ…と思いながらもそのストローが麦わらの方のストローだと思って、それは全然ありだがこの国でそんなもの手に入るかねと噛み合わない会話を何度か交わした後、ようやくプラスチックのストローねと合点がいったんだけれど、それは悪手だ。

世界的に脱プラスチックの流れがあって紙とか環境負荷の少ないものとか生分解性のものを使うようにしようよっていう動きがあるじゃない。

クジラがプラゴミいっぱい食べて死んじゃいました、ウミガメがクラゲと間違ってビニル袋食べてます…とか単純に、人間がポイ捨てするから景観が良くないですって声が最近特に大きいやん。それってようやくみんなが世界的にそろそろほんまにヤバいからなんとかせなあかんって思ってるってことじゃない?

おたくの国、リゾートなんだから景観には気を配る必要があるわけじゃない。みんなきれいな砂浜、透き通る青い海を求めてやってくるわけだから。

そういうところ遅れてるというか、全然知らないんだよなぁ。自然を守ろうという意識はあるけれど、それが自分たちの生活とリンクしてないっていうか。

俺たちの国は美しいからね、と口にした数秒後にポイ捨とか平気でやるから、なんだろう。結局、世界の田舎感が拭えない。

事実上、閉鎖的な国になってるから外の世界のことを関心どうこう以前に知らないんだろう。だってテロリスト以外はみんなキリスト教だと思ってるんだもの。悪気なく。。

話が逸れたので、戻すと、ちびっ子なんて飽きたら絶対捨てるじゃない。そのへんに。せっかく作ったものでもちょっと編みこみがほつれたくらいで捨てちゃう可能性ってあるじゃない。ゴミじゃない、それ。

ちびっ子のクリエイティビティを刺激するのはとても良いけれど、同時に環境教育の機会も提供できるんだから、やるなら紙とかの方が良くないかい?って思うんだけど…。

そもそもそれはもはやぼくの仕事じゃなくなってる。

仮に引き受けたとしても障害者理解につながる道のようなものが全く見えない。

学校側とつながりができて、後々、視覚障害理解のイベントができると考えれば悪くないことかもしれないけれど、そのつながりは別にワークショップという方法じゃなくても達成できるんじゃないかと思ってしまう。

全然ぼくがやるメリットが見えない。

暇だったらそれも全然良いと思うんだけど、びっくりするぐらい暇じゃないんだよなぁ。

直接的に、視覚障害者を助けましょう!政府に補助金アップをみんなで訴えましょう!的に、ザ・生徒会長みたいな正論ばっかりアピールするのって全然響かないし、まず一般の人の関心も目にも留まらないから、まずは人の注目を集めて、間接的だったりサブリミナルに視覚障害者理解につながるメッセージをバラまいたり注入しようとしてるんだけど、思うようにはいかないなぁ。

あ、でも、視覚障害者の人が講師になってペーパーバスケットづくりのワークショップをするとかなら問題ないか。

それ、おもしろそうだな。

まず視覚障害者の人に作り方覚えてもらわない + 彼らのシャイさを克服して人前で話してもらわないといけないわけだけど、なんとかなるだろ笑

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