カリブでもアマゾンUSが利用できるんだが…
カリブに来て間もない頃、こっちでもアマゾンUSで買い物できるんだよと言われた。
フロリダで仮の住所を登録してそこから週何便かこのあたりに届けてくれる業者があるらしい。その運賃もサイズによるけれど、たかだか1,000円そこらでそこまで高くないという。
セントルシアの先輩隊員から聞いた話だ。
それは良いニュースだ。
こっちで売ってるもの、例えばガジェットなんていうのは皆無に等しいし、あったとしても何年前のモデルだよというレベルのものが店頭に並んでいるのだから。
実際、その先輩隊員はデジカメを買っていて問題なく届いたのだそうだ。注文から1週間程度でセントルシアまで来たらしい。
アマゾンさんが使えるのなら、こっちでの生活は苦労しないだろうなと思ったのを覚えている。半年前の話だ。
セントビンセントでもその配送サービスは利用できる。つまりアマゾンUSで買い物できる。けれど、セントルシアでの事情はしらないけれど、ここセントビンセントでは関税が約50%かかる。
これは以前、セントビンセントの隊員が日本からの救援物資が届いたときに揉めた。
たとえば日本米2,000円相当なら1,000円の関税を納めないといけないという話になる。インスタントラーメンやみそ汁など諸々約20㎏ほど送ってもらっていたのだから正直に関税を収めようとするととんでもない額になる。場合によっては払えないかもしれない。
値切ろうとして揉めたけれど、最終的にはいくらかは値切れたらしい。
その1件以来、税関をいかに突破するかというのが我々隊員の中で1つのテーマになっている。
少し前に、Aさんのお母様とおば様がセントビンセントを訪ねてきたきたけれど、その時たくさんの救援物資をスーツケースに忍ばせてやってきた。無税で税関を突破して大量の日本食を仕入れていた。(1人あたり機内持ち込み1つ、預入荷物1つの計2つの荷物が航空会社のレギュレーションがあるから、運び屋としておば様はついてきていた。)
合法的に荷物を持ち込んだわけだが、どきどきする瞬間だ。
ぼくも、わけのわからんお金は一切払いたくないという信条でいるので、SIMカードを仕入れるときアマゾンUSを使う手もあったけれど、送料+関税がかかりそうな雰囲気があったのでイタリアからDMで送ってもらった。
DMとは手紙なので一般の送料以外かからない。
別に制度の裏をかいているわけではないけれど、結果的に巧妙に当局の目の届かない方法となった。
さて、それでアマゾンUSで買い物したとして、その商品に対しても関税がかかるのか、そもそもほんとに届くのか、という疑問が我々セントビンセント隊員の中にはあった。
誰かが試すしかない。
けれど、ファーストペンギンになりたくないわけではないけれど、特に買うものがないという膠着状況が続いていた。
そんな中、Aさんがカナダからスペシャルコーヒーを輸入した。
その明細が見出し画像なわけだが、コーヒー2袋に関税+送料で約3,000円も請求されている。関税は45%。
この額を安いとみると高いとみるかはそれぞれの価値観によるところだろうけれど、送料無料に慣れきっているぼくのような人間には到底受け入れられない。
Aさんはそのコーヒーをうっかり3か月のサブスクリプションをしてしまったいるから、少なくともあと2か月は毎月計およそ8,000円支払ってコーヒーを仕入れることになる。
よほど良いコーヒーなんだろう。ぼくは不憫で不憫で笑いが止まらなかった。
要するに関税が高いという話なんだが、例えばタイ産のツナ缶なんかは安いものなら1缶90円程度でスーパーで買うことができる。もう関税の基準がわからない。やはり嗜好品には高めに設定されているんだろうか。
それともツナ缶にもかなりの関税がかかってるのだろうか。ぼくの金銭感覚がカリブに適応してきてるのか。日本が安すぎたのか。わからない。さらなる調査が必要だ。
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