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【起業戦略】第11講 個人消費者向け(2C )の新規事業企画は「買ってくれる人」が起点

今までの10回は、2B(対法人)での起業や、新規事業企画を中心に話をしてきました。

https://note.com/todomadogiwa/n/n4d915a86bf80


区切りがいいので、ここから何回かは2C(個人消費者向け事業)
について話をしていきます。


とは言っても、根本の部分は何も変わらないので、2B(法人向け事業)でのビジネスを考える皆さんにとっても、参考にしてもらえるところは随所にあるはず。

さて2Bでは、繰り返し「予算がついていないものは、売れない」「事業の企画をするなら、『何予算で買われるモノなのか』を起点に考えないとだめ」という話をしてきたよね。

2C(個人消費者向け)のビジネスの場合、別に「予算」があったり「予算計画」とか「稟議」「決裁権限」とか、そんなのは(たいていの場合)ない。

自分がモノを買う時を考えても、ふわっと、なんとなく買うことがほとんどで、厳密に比較表を作って意思決定するとか、そんなことはしないよね。

じゃあ、なんでも売れるのか?っていうと、そんなことはない。売れるモノもあれば、売れないモノもある

売れるモノってなにかというと、「買ってくれる人がいるモノ」なんだ。

禅問答みたいだけどね、でも「まず、「買ってくれる人」がいる」ってことが大前提。

「買ってくれる人を見つけてから、売る(モノを作る)」

これが鉄則だよ。

じゃあ、「買ってくれる人」ってなんだってことになる。それは、「今、何かにお金を使っている人」もっというと「自分がこれから売ろうとしているものの代替品(=同じ目的が達成できるもの)にお金を使っている人/使おうとしている人」ということ。

たとえば、「うどん」を売ろうとするなら、まず「今、うどんを買おうとしている人」を見つけるってことになる。

少し枠を広げて「蕎麦」「麺類」「食事」みたいなところ、「お腹を満たす」という目的にこれからお金を使おうとしている人でも構わない。

でもね、たとえ同じ程度の金額でも「ビニール傘を買おうとしている人」を見つけても意味はないんだ。購買を決めるのは、金額ではなくて、目的だからね。

起業家、VC、コンサル多くの人が間違えるのは、これ。
「この程度の支出なら、買ってくれるだろう」という目論見。

目的があってなければ、500円だって払わないのが消費者。

もう一つ、言っておくとお金が使われていない「ペイン」や「困りごと」「困っている人」を見つけても意味はないんだ。同様に、お金が使われていない「これがあったら便利と感じる人」を見つけることも無意味。

大事なのは、「自分が売ろうとしているモノが提供できる目的に、お金を使っているか、使う意思がある」こと。

「困っている人」と「買ってくれる人」の間には、天と地ほどの差があるよ。

「困りごとが解決できるんだから、ちょっとのお金くらい使ってくれるはず!」というのは、大いなる幻想だ。

さて、だから、起業するならまず「買ってくれる人」「買ってくれる人がいるモノ」を見つけるところから、はじめるべき。

モノを作ってから、買ってくれる人を見つけるなんてアプローチも、まあ、不可能じゃない。でも、成功する確率は確実に下がるし、それにお金を払ってくれる人が見つかるまでの時間もかかる。そして、二人目、三人目を見つけるのにももしかしたら、一人目を見つけるのと同じくらい時間がかかるかもしれない。

「買ってくれる人」を見つけてから、アプローチする方がよほど効率はいいよ。

ここで注意しなければいけないのは、「買ってくれる人」というのは、「実際にお金を払ってる人」「同じ目的モノをこれから買う予定のある人」っていうこと。

「○○っていう、誰もみたことのない、今までに存在していないすごいものを創ろうと思うんですけど、作ったら買ってくれます?」
「うんうん!買う買う!!」

みたいな人は、「買ってくれる人」ではない。

というわけで、今回は法人向け事業企画における「予算を起点にする」と同じように、個人向け事業企画では「買ってくれる人を起点にする」ことが重要というお話でした。

次回は、ニーズの考え方についてお話します!


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