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【起業戦略】第12講 2CのMUSTとWANT

前回は、2Cのビジネスではまず「買ってくれる人」を見つけること、あるいは「買ってくれる人がいるモノ」を見つけることが重要だっていう話をした。

「買ってくれる人」というのは、自分/自社が提供するサービスと同じ目的が達成できる何かにすでに「お金を使っている人」「お金を使う予定がある人」のことだ。

今回は、2CにおけるMUSTとWANTについて話しておこう。以前、2B(法人向け事業)の話として、予算執行におけるMUSTをおさえなければならないという話をした。

2Cでは、どうか。

2Bほどクリアではないにせよ、やっぱり「買ってくれる人」に、MUSTは存在している。

「買ってくれる人」は、すでに代替となる何かを買っているよね(これから買う予定でもいい)。それを買っている理由、買う理由のなかにMUSTが存在している。

バッグでも、爪切りでも、ペットの餌でも、観葉植物でも、サプリでも、ガジェットでもなんでもいい。とにかく、買っている理由(=達成したい目的)があるはずだ。

ちなみに、消費財(消耗して買い直す必要があるもの)と耐久財(一回買ったらずっと使い続けるもの)、さらにちょっと特殊なところで定期購入材(利用するために定期的に購入しつづけるもの、サブスク)の区別も2Cのビジネスを考える上で、忘れてはいけない。当然だけど、ここで言っている消費材と、耐久財は、税務上や会計上のそれではないよ。定期購入があるかどうか、の区分だ。消費財であれば「(前回代替品を)買った理由」、耐久財であれば「これから買う理由」から責めることになる。

そして、買っている目的、買う目的を達成するために求められる機能は、絶対に必要な機能(MUST)、あった方がいい/あれば嬉しい機能(WANT)に分かれる。

より厳密にいえば、そのもの自体だけでなく、どこで買うのか、誰から買うのか、いくらなのかみたいなところにもMUSTはあり得るよ。もちろん!

さてそんなことをいいつつ現実には、2Cにおける購買だと、MUSTがない場合も、MUSTが曖昧な場合もわりとある。

コンビニに入ってなんとなくキャンディを買う時なんて、MUSTは何もない。
ただ気分転換に何かの行動を取りたくて、そのときのたまたまが、100円のキャンディを買うという行動だっただけという状況を思い当たる人も少なくないはず。

でもね、そういう偶発的な購買をあてにしては、事業は作れないよね。だから、それは置いておく。偶発で手にしてもらうことを目指すのは、あと1%売り上げを伸ばすための施策を考える時で遅くない。

新しいキャンディを売るなら、今「キャンディを買おうとしている人」を対象にするべきだし、その場合のMUSTは「キャンディであること」になる。WANTは、「目新しいフレーバー」「映え」「シュガーレス」「虫歯にならない」とか、色々あるかもしれない。

また、キャンディを売るなら、消しゴムを買おうとしている人を対象にしてはいけない。キャンディは、消しゴムと値段は変わらないかもしれない。でも、キャンディは、消しゴムとして、何一つMUSTを満たしていないからだ。

当たり前に聞こえるかもしれないけど、この手の話はそこかしこに溢れている。「コーヒー1杯分のお値段で」的なあれ。

コーヒー1杯を代替出来るのは、別のコーヒーか、別の紅茶や飲み物くらいでしょ。

「コーヒー1杯」の目的を「隙間時間のリラックス」みたいに定義して、「隙間時間のリラックス」目的の全然違う商材、たとえば動画サブスクとかをぶつけるみたいな発想もなくない。でもさ、それだけを目的にコーヒー飲んでるやつは、ほとんどいないよね。

という訳で「買ってくれる人」は、MUSTを満持っている。まずMUSTを満たさなければ、「買ってもらえない」。

2Cだって、2Bと実は何も変わらない。

だから、2Cのビジネスを企画するときには、まず「買ってくれる人」のMUSTを見つけよう!というお話しでした。

次回は、競合について話してみるよ!


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