東長寺寺報「萬亀 -banki-」

新宿区四谷の東長寺が発行する寺報 「萬亀 -banki-」のnote版です。 htt…

東長寺寺報「萬亀 -banki-」

新宿区四谷の東長寺が発行する寺報 「萬亀 -banki-」のnote版です。 https://www.tochoji.jp/

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[特集]人とペットと東長寺

血縁や家制度に縛られない東長寺の個人墓。自分らしく自分で選ぶ、個人の生前墓というかたちは縁の会発足当時、世の中からは常識外と驚きの声が上がりました。 25年以上の月日を経て多くの方の支持をいただいており現代を生きる人々では、常識とされるものもしなやかに変化していると感じます。結の会ではこの度、新たにペット共葬を始めることとなりました。当初より多くの方に賛同をいただいたことに、新たな時代の息吹を見出しております。今回の特集では、開始に至った背景や仕組みをご案内いたします。 住

    • ツアー開催報告〜結を訪ねて〜

      会員の皆様と清凉院を訪問するツアーを初開催しました去る2023年11月半ばに催行した「秋の気仙沼 清凉院ツアー 2日間」。 結の会新規入会の方で分骨先に清凉院を選ばれた方を対象に開催し、7名の方が参加されました。 清凉院を護る三浦住職とご子息の賢道副住職、正道師が二日間にわたって同行くださり終始和気あいあいとした雰囲気に包まれる、素晴らしい旅となりました。 結ばれるご縁に感謝する旅「人が大好き」という三浦住職が、訪れる人を和やかに迎える清凉院。結の会・両墓制を支える分骨

      • [特集] 共に踏み出す わたしの一歩

        元日に発生した石川県能登地震に心の痛む年明けとなりました。 東長寺には水の苑の漆画をはじめ本院の羅漢堂・文由閣の慈嶽堂にある厨子や位牌壇など、輪島塗がいたるところに施されています。 それらを手がけた工房・輪島屋善仁から、工房の損壊や関係者の自宅全壊など深刻な被害の一報を受け、山内では地震発生直後より寄付金の呼びかけを行いました。 すでに皆さまよりたくさんのご支援を頂いております。 このような中で、過日東長寺は開創430年となりました。 変化の著しい現代において、ひとつの節

        • 動物保護団体 ちばわん様 保護猫追善供養のご報告

          1月31日に法要を執り行いましたこの度、曹洞宗萬亀山東長寺(新宿区四谷)では、動物保護団体ちばわん様の愛猫5霊の追善供養のおつとめをさせていただきました。 法要は、東長寺の住職を務める瀧澤遥風を筆頭に、3人の僧侶によって厳修されました。 ちばわん代表の扇田桂代様をはじめ、保護猫の一時預かりボランティアの方を含めた計6名にご参列いただきました。 保護猫たちが虹の橋を渡れるように今回ご供養をつとめさせていただいた5霊は、ちばわん様のボランティアで一時預かりをされている藤田様

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        • 「萬亀 -banki-」vol.145(2024年3月号)
          1本
        • 「萬亀 -banki-」vol.144(2023年12月号)
          2本
        • 「萬亀 -banki-」vol.143(2023年9月号)
          3本
        • 「萬亀 -banki-」vol.142(2023年6月号)
          3本
        • 「萬亀 -banki-」vol.141(2023年3月号)
          5本
        • 「萬亀 -banki-」vol.140(2022年12月号)
          4本

        記事

          禅の言葉を書き初めに〜暮らしをととのえるお寺のおはなし〜

          文由閣で不定期開催している寺カフェ。 そこで「一言写経」をしています。参加者に「人間関係」や「前向きになりたい」など悩みの種類を選んでいただき、悩みに呼応する短い禅の言葉をお坊さんよりご紹介。その説明に「なるほどな」と感じていただいたところで筆と墨を取り出し、小さな半紙に記すというもの。これまで「ほっとする言葉」がよく選ばれるということです。 いざ書くとなると「久しぶりに筆を持った!」と仰る方が多いのが印象的。御塔婆や御朱印への書き込みを日常的に行っている僧侶と異なり、多く

          禅の言葉を書き初めに〜暮らしをととのえるお寺のおはなし〜

          「結の会」をつらぬく思い〜結を訪ねて〜[最終回]

          廻りだすエネルギー様々な問題を抱える日本社会にむけて、東長寺が提案した現代の両墓制「結の会」。発足から8年を経て、たくさんの会員の方とご縁をいただく現在、明らかになってきた意義や、新たに見つけた思いをお伝えします。 [文由閣] 安心して過ごせる場所交流が生まれるお参り 都会の納骨堂である文由閣。 誰でも集まりやすい空間を目指し、昨年から結の会事務局スタッフの常駐を開始し、その後リニューアル工事も行いました。お参りに見える方に1階で休憩いただくことも増えて「今月も来られたよ

          「結の会」をつらぬく思い〜結を訪ねて〜[最終回]

          実りの秋に精進料理修行〜暮らしをととのえるお寺のおはなし〜

          秋は収穫の季節。 各地から届く旬の食材が店頭に並ぶと、豊かな恵みに心おどります。道元禅師は、坐禅やお経を読むことと同じく、食事を作ることは大切な修行のひとつと考えました。精進料理は皆様もよくご存知のことでしょう。食材だけにこだわるのは、身体のためのものです。一方、修行としての食事は、こころのためのもの。そこで、食欲の秋にぜひお伝えしたい「五観の偈(げ) 」というお唱えがあります。  五観の偈 一 計功多少 量彼来処 二 忖己德行 全缺應供 三 防心離過 貪等為宗 四 正事良

          実りの秋に精進料理修行〜暮らしをととのえるお寺のおはなし〜

          「結の会」のお寺の庭園〜結を訪ねて〜

          幾度でも訪れたい庭と園 厳しい暑さがやわらぎ、秋の気配が漂いだすと ようやく外へとお出かけできる心持ちになります 結の会にまつわる3つのお寺へ、お参りしてみましょう 東京 新宿区 東長寺今は目に見えない土地の記憶を思う庭 現在、外壁修繕工事のために囲いで覆われている文由閣。通常であれば、周囲の庭園には水が張られており、陽が出ている時間には水浴びを目当てにした小鳥たちが訪れるものですが今はそれが叶わず、がっかりしたように飛び去る姿が気の毒です。 かつて文由閣のそばには「紅葉

          「結の会」のお寺の庭園〜結を訪ねて〜

          [ 特 集 ]水の苑と輪島をつなぐ 漆と色彩の物語

          ついたち法要や、行事の際に参詣の皆様が行き来する水の苑の回廊。この場所を取り囲むように、15枚の「漆画」が配されています。よく見てみると、不思議な世界が描かれていることに気づくでしょう。浮かび上がる釈尊や禅僧の姿。そこに突如現れる、空飛ぶ円盤〈UFO〉。作品を手がけたのは、創造の旅路を歩み始めていた美術家と時代を越えた漆芸を探求し続ける輪島塗りの職人たちでした。 水の苑  「漆画の秘密」縁の会が発足して2年後に制作された漆画。誕生背景には、今も続く当山の思いがありました。

          [ 特 集 ]水の苑と輪島をつなぐ 漆と色彩の物語

          あなたの思いを装いに〜暮らしをととのえるお寺のおはなし〜

          寺の受付で、頻繁にいただくご相談があります。「お寺で喪服に着替えてもいいでしょうか」「喪服は何回忌まで着るのでしょうか」というお尋ねです。そこで、お寺とはどういう場所なのか、そして、なぜ喪服を着るのかを考えてみましょう。 お寺は祈りと修行、学びの場所です。葬儀や法要のためだけの「会場」としてあるのではありません。一方、結婚式を行うホテルやレストランでは着替えが可能な場合もありますが、それは「会場」という役割だからこそ。 祈りの場としてお寺を考えると、自宅から身支度を整えて

          あなたの思いを装いに〜暮らしをととのえるお寺のおはなし〜

          「結の会」のお寺に集う人〜結を訪ねて〜

          忘れられない訪問者お寺では日々様々な思いを抱いた方々の訪問をお受けしています。結の会にまつわる3つのお寺にはどんな方が訪ねてきているのでしょうか。 東京 新宿区 東長寺納骨堂の名が示す縁を絆いだ人々の物語 縁の会創成期から支えてくださったスタッフがいます。その人の名は本間龍二さん、戒名は大孫龍樹信士といいます。文由閣の完成を見ず、病に倒れ永眠されました。どれだけ会員の皆さまからの信頼が厚かったことか。檀信徒の皆様に訃報を伝えると縁の会を中心にお参りの方は尽きず、千本以上

          「結の会」のお寺に集う人〜結を訪ねて〜

          新任僧侶のご紹介 はじめまして 「塩脇完人」

          山梨県中央市の法久寺からまいりました、塩脇完人と申します。私は、駒澤大学仏教学科を卒業後、神奈川県にございます大本山總持寺で二年間修行をさせていただきました。その折に、ご縁があり本年三月十八日より東長寺様につとめさせていただくことになりました。この場をお借りして、東長寺檀信徒の皆様にご挨拶をさせていただきます。私の実家はお寺で、三人兄弟の長男として山梨県西八代郡市川三郷町の昌壽院で生まれ育ちました。私が僧侶になろうと思ったきっかけは、二つございます。 一つ目は、高校一年生の

          新任僧侶のご紹介 はじめまして 「塩脇完人」

          [特集]これから始めるお寺の集い

          この3年間、世界には大きな変化と沢山の我慢が溢れました。 暮らしとふれあいの制限がつづき、人と直に交流すること、人が集うことは、あらゆる面で影を潜めてしまいました。大切な人との別れや葬儀に際しても、思いのままに行動することは控えなければいけないということも。いまようやく、困難はその結び目をほどこうとしているかのようです。 暗く長いトンネルを抜けつつある人のように、わたしたちはこわごわと手探りで新しい暮らし方を探っている最中といえましょう。 恐れすぎず、油断せず、東長寺でも

          [特集]これから始めるお寺の集い

          [山内行事] 春彼岸会法要について

          「彼岸《ひがん》」はサンスクリットのpāram(パーラム)の訳語であり、菩薩さまが仏になるために行う修行を指す仏教用語「波羅蜜多」Pāramitā(パーラミッタ=pāra m(彼岸に)+ita(到った))と同じ意味を持つ「到彼岸《とうひがん》」という言葉が由来とされています。 「到彼岸」とは、此岸から彼岸に至ることと解釈され、煩悩の激流である海の「此岸《しがん》」から、「六波羅蜜《ろくはらみつ》」と呼ばれる修行によって海を渡りきり、「彼岸」という悟りの境地に入ることを意味し

          [山内行事] 春彼岸会法要について

          [山内行事] 大般若祈祷会について

          大般若祈祷会《だいはんにゃきとうえ》は、摩訶般若波羅蜜多経《まかはんにゃはらみったきょう》(大般若経)の経文をお唱え(転読《てんどく》)することにより、その功徳をもって世界の恒久平和や参列された方の平安などを御祈祷する法要です。 『大般若経』は、三蔵法師玄奘《げんじょう》(602〜664年)が晩年の4年余りの年月をかけて翻訳した、あらゆる仏典の中で最大規模を誇る経典です。大乗仏教の空思想に基づく般若思想を記録したもので、字数約500万字、全部で600巻となります。 玄奘三

          [山内行事] 大般若祈祷会について

          暮らしを彩る、癒しのお花〜暮らしをととのえるお寺のおはなし〜

          桜や、桃に菜の花、タンポポ、チューリップが咲く季節、春が訪れようとしています。モノトーンのような冬を経てから目にする春の花は、振りまくような鮮やかさがあります。 山内を飾る生花も徐々に春らしさを増してきました。東長寺住職の父、和夫大和尚はちょうど今頃に咲く黄色いチューリップが好きでした。 折に触れて、家族にそのように伝えていたので、今でも花屋さんにチューリップが並ぶようになると、墓前や自宅に飾り楽しんでいます。亡き人を思い起こし、こころ和ませる季節のお花。皆様にもそんな一

          暮らしを彩る、癒しのお花〜暮らしをととのえるお寺のおはなし〜