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「結の会」のお寺に集う人〜結を訪ねて〜


忘れられない訪問者

お寺では日々様々な思いを抱いた方々の訪問をお受けしています。結の会にまつわる3つのお寺にはどんな方が訪ねてきているのでしょうか。

東京 新宿区 東長寺

納骨堂の名が示す縁を絆いだ人々の物語

縁の会創成期から支えてくださったスタッフがいます。その人の名は本間龍二さん、戒名は大孫龍樹信士といいます。文由閣の完成を見ず、病に倒れ永眠されました。どれだけ会員の皆さまからの信頼が厚かったことか。檀信徒の皆様に訃報を伝えると縁の会を中心にお参りの方は尽きず、千本以上の花とうばが上がりました。

縁の会のために尽くしたその人を、まさに縁の会の皆様が供養なさる。当時のお一人お一人の姿が、忘れ得ぬ訪問者として記憶されています。その中には、今はすでに亡くなられ、お参りを受ける側となっている方も。氏の功績と、人柄を偲ぶ皆様の想いは、文由閣の納骨堂「龍樹堂」という名で受け継がれています。

文由閣の納骨堂「龍樹堂」にお祀りしている地蔵菩薩。その御前にお位牌がたくさん並ぶ 様子から「皆さんが一緒だから、寂しくないね」と亡き人に語りかける参詣の方も。

出会いは、こども食堂保育士を目指した高校生

以前、こども食堂のボランティアには、地域の高校から校外活動として生徒さんを受け入れていました。コロナ前のこども食堂は遊び場も用意していたので、生徒さん達の担当は見守り役。

ある日、ひとりの生徒さんを担任する先生から「生徒の入学願書の動画撮影に協力してほしい」と連絡が。聞けば、こども食堂のボランティアをきっかけに、保育士への進路を決めたとのこと。撮影の当日は、日が暮れるまでやり直しながら、カメラに呼びかける元気な声が寺務所まで聞こえたものです。何月か経った冬の頃。笑顔でやってきた生徒さんから頂いたのは合格の報告。思わず寺務所の皆が大歓声をあげることになりました。

<文由閣> みなさまがご訪問なさる理由

カラーお位牌の申し込み

今年の1月から受付を開始したカラーお位牌。「どんな色かしら」と文由閣の1階で新色の見本をご覧になる方、申込みなさる方をお迎えしております。

人気の色は、明るい洗朱や鶯色。龍樹堂では既に塗り替えを済ませたお位牌も並びつつあり、様々な方が集う多様性を納骨堂から感じることができます。

ペット共葬のご相談

ペットを愛する方が「詳しく知りたい」とお見えになるきっかけが「ペット共葬」。山内に張ってある「ペットと入れるお墓」のポスターに目を留めて、その足で文由閣へ相談に見えた縁の会の方も。ペットの存在がいかにその方を支えてきたのか伺うことが多く、今後もたくさんの方に知っていただきたいと感じています。

千葉 袖ヶ浦  真光寺

真光寺と東長寺を結ぶ2つの「碁縁の会」

東長寺には「東長寺碁縁の会」があります。真光寺にも「真光寺碁縁の会」があり、真光寺縁の会の皆さんが所属し、年に3回程度泊りがけで囲碁の会を開催しています。この会には毎回「東長寺碁縁の会」の皆さんも参加され、互いに研鑽を深め、夜は一杯やりながら懇親を深めています。長らくコロナのため開催していませんでしたが、今年から再開しています。

参加者の皆さんはひたすら囲碁に打ち込まれますが、朝は早く起きて、境内を散策したり、花々を楽しんだり、それぞれ思い思いに過ごしておられるようです。

東長寺碁縁の会の皆様。真光寺碁縁の会 も懇親会を楽しみに しています。

亡き児の悲しみを供養にきっかけは田植えイベント

そのお母さんはご長男と自然学校の田植えイベントに参加されていました。腰には瓶のようなものを下げておられました。その方とお話しすると、2番目のお子さんが生まれてまもなく亡くなられ、そのお骨をどうしても手元から離せないと言われます。

それから何度かお話をし、また自然学校のイベントにも参加されていくうちに、このお寺ならお子さんを預けられると思われたのでしょうか、その3年後に真光寺縁の会に入会され、納骨法要を営みました。そもそも縁の会のお位牌は大人にお授けする信士、信女しか想定していませんでした。この時初めて童子という戒名をお授けしました。

爾来ご家族で自然学校のイベントや、お正月のご祈祷、春秋のお彼岸にお盆の法要など、真光寺の行事に欠かさずご参加いただいています。

田植えの後も様々な作業があるのが米作り。
真光寺のお米づくりも沢山の方の協力によって続いています。

おはなしを伺ったのは… 岡本和幸師

真光寺住職。長きに渡り東長寺におつとめの後、無人だった真光寺に移り復興。2004年よりお寺の周囲で里山再生を開始。甦った美しい棚田では毎年米作りのイベントに多くの参加者が集まる。

<イベント>6月はホタル鑑賞のチャンス!

真光寺で開催される定期イベントは、坐禅会、YOGA、仏像彫刻の会など様々。気になる方はお寺の公式HPからお問い合わせを。お米づくりに関するイベント情報は「上総自然学校HP」をチェック。6月は「田んぼの草取りとホタル観賞」が3回開催予定です。

宮城 気仙沼  清凉院

海の向こうからやって来たお寺と気仙沼の親善大使

気仙沼観光協会の職員だったアメリカ人のニシャント・アンヌさんと初めてお会いしたのは清凉院で開催したBBQでした。人の交流が大好きな住職の思いもあり宗派・宗教関係なくお寺でみんなで盛り上がりましょうという一席。最初はビックリした様子だったニシャントさんも「フレンドリーな禅寺!」と大感激。

以来、驚くような熱意で国内外へ清凉院情報を発信してくださり、国籍を問わず沢山の方がお寺を訪れ続けています。彼と家族のような交流を続ける中、震災と復興、仏教のお話しを多くの方へと絆ぐご縁が生まれています。

三浦住職(左)とニシャントさん(中央)。明るい人柄に、誰しも笑顔あふれる滞在になります。
ニシャントさんは浜わらす達とも仲良しです。

海に学び、海に生きる「浜わらす」の体現者

NPO法人浜わらす事務局長の天澤寛子さんは、元々清凉院のお檀家さん。東日本大震災の際、救援に駆けつけSVA※の事務所が開かれた場所(清凉院境内)を引き継ぎ、浜わらすを運営しています。小中学校への出張授業や、ビーチクリーン、海の活動の発表などその精力的な活動には目を見張ります。

津波が押し寄せた震災当時、幼子のお母さんであり妊婦でもあった天澤さん。その記憶が「抜け落ちる」ほどに困難な日々を過ごしました。それでも「自分にはやっぱり海が大事。地元の人たちと一緒に海で暮らす子どもたちを育てていく」と語ります。私も共に活動していますが、すごくまっすぐな心の方。大人も子どもも浜わらすをきっかけに、ぜひ会ってみてほしい。きっと、訪問の皆さんにとっても忘れられない出会いと体験になると思います。

海での出張授業を行う天澤さん。自らも海のことを学び続ける浜わらすみんなのリーダーです。

おはなしを伺ったのは…三浦正道師

父上の光雄住職、兄の賢道師とともに清凉院を護る一方、副理事をつとめる浜わらすの活動にも積極的に参加。数々の山内イベントの企画も行っており、自身のFacebookで情報を発信中。

<定期イベント>「坐禅×YOGA」を開始予定

清凉院では開催されるイベントの最新情報は三浦正道師のFacebookで配信されるので、ぜひチェックを。今後は坐禅とYOGAの会、お盆ハロウィーンを組み合わせたハロぉ盆を計画中。浜わらすのイベントは公式HPからLINEまたはFacebookにて確認&ご予約を。

『萬亀』No.142(2023年6月号)より


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曹洞宗萬亀山東長寺(新宿区四谷四丁目)の納骨堂にて、新区画として「ペットと入れるお墓」の受付を開始するとともに、全国の保護施設で亡くなった動物たちの遺骨の受け入れ、供養・埋葬を実施いたします。 
by PRTIMES


<お問い合わせ連絡先>
東長寺結の会事務局 
電話:03-5315-4015(9:30~17:00)
メール:toiawase@tochoji.org