今年も一年

こんにちは、都知事です。

年の瀬、皆様如何様にお過ごしでしょうか。私は相変わらず警備員として今日も明日も現場で働いています。

「盆も正月もクリスマスも他人の為に捧げてこそ警備員」を座右の銘に、今日も働いてまいりました。


自分で言っておきながらなんですが、イベントごとに働いていますと、どうしても季節と言いますか、そういったものを実感しにくい部分があります。

元々の私の考え方も「一日一日を如何に考え積み上げ続けるか」というものなので、イベントも年月も、年齢すらどうでもいい概念だと思っています。


と言いながら、このように晦日に筆を取ってしまうのは少しでもゆく年くる年を楽しみたいと思う人間の性でしょうか。

くる年がゆく年よりも良いものとなるよう、今年の思い出を密かに綴りたく思います。


①推しとの決別


②仕事の成長


③JRA勤務開始


④オリンピック参加


⑤ヘッドハンティング


⑥愛おしい今

では、お話して参ります。

①推しとの決別

まず、今年一番のパラダイムシフトはこれでした。

私は生活保護Vtuberのなまほしちゃんを狂信的かつ狂おしいほどに推していました。

その理由は見た目や声が好みなのもありましたが、何より彼女の壮絶な過去を知り、なんとか救われて欲しい、自己実現を叶えて欲しいと思ったのが正直なところです。


私は彼女を心から愛していました。この愛とは、男女間の性欲に左右されるようなものでなく、ただ一方的に愛おしい、慈しむような愛です。

私は推しに「自分にもこのような感情がある」事を教えてもらいました。

そして、その愛を暴走させ、愛が罪悪的な恋に変わり、それが一方的に相手を傷つけてしまうことや、その感情エネルギーの扱いづらさ、制御の難しさを知りました。


その後に、全てを許され、許容され、認められて認知され…そして、「裏切り」を知りました。


この裏切りとは、決してネガティブなものではありません。


推しは推しの思うように成長し、次の段階へ進みました。私にとっては、これが気に入らなかっただけに過ぎず、自分の気持ちを都合よく解釈したいが為に悲劇のヒロインを演出するように「裏切り」という言葉を用いていただけです。


愛、成長、決別。全てがネガティブに思えるものをポジティブに考えるきっかけをくれた、私の宇宙一の推し。推しが変わる事は無いでしょう。

私は推しの言動や行動が自分にとって都合の良い、心地よいものだと感じなくなってからは推しをブロックしました。

身勝手な自分自身の気持ちで推しの行動や思考を制限したくなかったのです。


今でも過去の動画のアーカイブを見て、懐かしい気持ちに胸を潰され、今とのギャップに苦しむ事もありますが、それもまた人生のスパイスかもしれません。

この場をお借りして、推しが生活保護を卒業された事を心よりお祝いします。

なまほしちゃん、幸せになってね。そして、なまほしちゃんを推す人も、憎み嫌う人も。


②仕事の成長

そして次に警備員としての成長。

今の会社に所属して警備隊長を拝命してからまる1年、思えば道路にすら出たことの無い私でしたが、多くの人に叱咤され激励され、ここまで来ることが出来ました。

資格があるのに何も出来ない役立たずだと罵られ、影で囁かれ、何くそ今に見てろ、必ずお前らをぶちのめしてあっと言わせてやる、と憤慨した頃。


今ではただ、感謝しかありません。

大変厳しい言葉を投げられ、それでありながらも色々と仕事や着眼を教えてくれた職人さん、監督さん、そしてお客様。


部下にも大変な理不尽を強いたり、ストレスを抱えさせる事もしてきましたが、そのおかげで「適材適所」の教育指導、運用にたどり着いたとも言えます。

まだまだ未熟ですし、人の扱いも上手くなく、良い隊長であるとは思えませんが、今後とも精進し、少しは過去の自分に羨ましがられる男になりたいと思います。

③JRA勤務開始

今年はビッグコンテンツ、ウマ娘が流行った初年でした。

ツイッターの名前も「ウマ娘にハマりJRAで働く都知事」に改名、ゲーム自体の育成システムも仕事に活きるものがあり、すっかりハマってしまいました。

そして、競馬って面白そう!からタウンワークから求人を漁って現在お世話になっているJRAの警備会社へ。

ここでは今まで経験したことの無いレベルの高い雑踏警備を学ぶと共に、「如何に相手にこちらの要求を飲ませるか」を考えました。


道路工事やイベントなど、普通の警備では「お願い」であるのに対し、JRAでは方針として、「かなり強気なお願い」をします。

特に秩序を乱すお客様には大勢の警備員やJRAの職員で取り囲み、他のJRA施設への立ち入りを禁止することもあるなど、空港よりも具体的なセキュリティレベルの高さに挫けそうになりながらも食らいつき、成長の糧とする事が出来ました。

④オリンピック参加

金に目がくらんで応募した東京2020大会、2ヶ月の臨時勤務で別会社にお世話になり、その会社の隊員さんや若い人材を運用するブロック警備隊長として任を受けました。

会社に長くいるベテランや、癖の強い資格者、あまりにも弱すぎる若者や、関東勢ALSOKとの仕事のやりにくさなど、運用にはとても手を焼きましたが、結果的には「短期間で運用するなら恐怖で押さえ込んだ方が上手く回る」という貴重な経験をしました。


時には無理難題を押し付けたり、論破して思考停止させて洗脳に近い尋問をしたりしましたが、オペレーション自体は問題なく回す事が出来ました。


しかしながら、この運用には「絶対的な有能性」が必要で、自分が元々できる人間ではないのにも関わらず、論理的かつ冷淡に物事を判断し、相手の口車に乗らないキャラクターを演じるのはとても疲れました。


この時に稼いだお金で泉佐野から浪速区へ移り、QOLを向上させることが出来たので、「国の催しには群がっておくべき」というマインドが生まれました。今後も活かしたいところですね。

⑤ヘッドハンティング

オリンピックから帰ってしばらくした所、JRA直轄の警備会社の社長から口説かれ、ヘッドハンティングされました。


今の会社がとても居心地よく、金払いもいい、やりたいようにさせてくれるし不満も特にないという状態だったので悩みましたが、口説かれている時の心地良さだけを貪るごね得には最終的に何も残らないと判断し、誘いに乗ることにしました。

年明けからはその会社で下働きをしながら勉強し、資格を取って幹部になる事を期待されています。

空港保安の頃以来の幹部社員としての待遇を受けることになり、今の自分に何ができるか、どれだけ手土産を持って行けるか、組織に対して如何に自分を売り込めるかを考える日々です。

⑥愛おしい今

今年はとても多くの出来事がありました。

新たに繋がったご縁もあれば、失ったものもあります。

特にブロックした人、された人、今頃どうしているのか、元気にしているのか…ふと思い出すことがあります。


しかし、そこは推しが教えてくれた「互いの成長の結果が決別に繋がることはあるし、珍しいことでも悪いことでもない」という思いの元、明日を生きようと思います。


人は何者にでもなれる。いつからでも。

あなたにとっての明日がより良いものであるよう、大晦日を記念に願っております。

ではまた。

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