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#物語の欠片 をやってみた感想とか|ショートショート企画

こんにちは、戸画美角とがびかくです。

このあたりで、ショートショート企画 #物語の欠片 をやってみた感想とかを気軽に書いてみたいと思います。

#物語の欠片 って何?という方は以下を読んで頂ければ幸いです。

最初に一言

最初に、一番印象に残ったことを一言。

『野生の(ショートショートの)プロが多すぎませんか?』

タイトル固定よりもさらに難しい条件が課せられてる中で、ものすごいスピードで完成度の高い作品を仕上げてくる方が多くいらっしゃって、大変驚きました。

私もショートショートnote杯で固定お題を完走しているくらいですから、ショートショートはそれなりに書き慣れているつもりだったのですが……いやはや、世界って広いですね。

企画メンバーとしての感想

最初に企画メンバーとしての感想、というか振り返りみたいなものを書いてみたいと思います。

コメント欄から立ち上がった企画

すでに何度も書いていますが、企画は新下彗さんのコメント欄からでした。

この記事は、新下彗さんが”ショートショートnote杯でボツにした発想を紹介する”という内容だったのですが、その中で『空飛ぶストレート』がテトリスの『I』という発想が紹介されていました。

 ピンチになった。
 みんながストレートを待ち望んでいた。
「キャー! ストレート様よー!」
 ストレートは、空から飛んできた。そして、そのまま一番右の壁沿いに、スッと着地し、一瞬にして全てを消し去った。
 画面には、「テトリス」の文字。

これを読んだ私は「この発想すごく面白い!」と思いました。

自分で作品を完成させてみたいという気持ちもあったのですが、いろいろ考えた結果、コメント欄でショートショートっぽいものを書くという行為に至りました(今考えるとかなり暴挙ですよね)。

それに対して、りみっとさんがこの企画のキッカケとなるコメントをされました。

その後、新下彗さんも面白そうというコメントをされ、

お試しでやってみよう、という話でまとまりました。

今読み返しても、面白くなるかどうかはわからないという不安が見え隠れしていますね(笑)

最初のお題

『言い出しっぺの法則』というのがありまして。

今回、「実際にやってみましょうか」と声を掛けたのは私だったので、私からお題を出してみることにしました。

最初のお題なので非常に迷ったのですが、起承転結の『転』までの冒頭文を固定するという内容にしてみました。

まぁ、今考えると全体の1/4ほどの文字数を使っているわけで、「大切な410字だぞ。よく考えろ?」と思わなくもありません。

ちなみに、気づいた方も居たかもしれませんが、私の『しゃべるピアノ』の冒頭を一部改変した内容となっています。

その男は毎日のように路上でピアノ演奏のパフォーマンスをしていた。

彼の演奏はそれは素晴らしく、ピアノでの演奏の限界を超えているようにさえ感じさせるその音色は人々を魅了し、多くの投げ銭による収入を得ていた。
しかし、ある日のこといつものように彼が演奏していると急に演奏が止まってしまい、それと同時に咳き込んだような音が聞こえてきた。

つまり、アナザーストーリーとして何があり得たのかというのが私のお題の隠れたテーマといいますか、実験的な要素になっていました。

多くの反響

私はこういった物事を大きく見せるような言い回しは好きではないのですが、”予想以上の反響をいただいて驚いた”というのがやはり正直な感想です。

このお題については、企画者である新下彗さんとりみっとさんの作品を含めて7つの物語が完成され、すべてのお題を対象にすると32個の物語が完成されています(執筆時点)。

また、お題も企画者以外からお二人が出題して下さいました。

正直、お題を作成したタイミングでは、企画メンバー内でこっそりやって終わりになると思っていたので驚きです。

これは実験的な企画です。

面白いかどうかは分からないけど、とりあえず試しにやってみようか、という段階ですので、(物語の続きが1つも書かれることなく)未完で終わる可能性すらあります。

「こ、これは実験的な企画であって、面白くなるかどうかは分からないんだからねっ!か、勘違いしないでよね!」みたいな必死感が伝わってきますね(笑)

すごくゆるい企画

思い返しても、すごくゆるい企画だったと思います。

参加は自由。
お題を出すのも自由。
募集の締切もなし。
実験的だから面白いかもわからないぞ。

おまけに企画メンバーにおけるコミュニケーションもnote内のコメント欄で完結していて、なんか各々自由にやってくれみたいなゆるい空気感だったように私は思います。

そんな適当さにも関わらず、なんだか不思議に方向性が定まっていって、そういうこともあるのだなぁと思いました(多くの組織がそうであるように、適当だと有象無象になることも多いので)。

参加メンバーとしての感想

さて、ここからは参加メンバーとしての感想を書いていきたいと思います。

お題を出す緊張感

おそらくお題を出された方は共感いただけると思うのですが、わりとドキドキしました(笑)

実験的な企画だから”面白い作品が生まれればラッキー”という感覚だったとは言え、やはり実際に”楽しめるバランスのお題を考えたくなる”というのが人情です。

ゆるすぎたら普通のショートショートっぽくなりそうだし、厳しすぎたら誰も作品を書かないか、全部同じような作品になってしまいそうで、バランスが本当に難しいと感じました。

様々な作品が生まれる楽しさ

自分が出したお題から生まれた #完成された物語 を読むのは本当に楽しいものだと思いました。

「どんな作品が生まれるんだろう?」

という不安と期待を持ちながらお題を出すわけですが、実際に完成された作品を読んでみると、自分では想像しないような展開が生まれていて驚かされるばかりでした。

これはお題を出した人だけが感じられる、特別な面白さなのではないかと思いました。

難しいお題に挑戦する楽しさ

私はこれまで出されたすべてのお題にチャレンジしています。

最初はお題を出す側だったので分かりませんでしたが、他の方のお題にチャレンジしてみて、これがどれだけ難しいものなのかを思い知らされました

タイトルの固定よりも遥かに難易度が高く、ショートショートを書き慣れていても難しく感じるのではないか、というのが個人的な感想です。

とくに私は『発想』が固定されるお題に大変苦戦しました……正直、諦めようかと思ったくらいです。

しかし、この”難しいお題にチャレンジする”というのが、なんだかクセになってしまいそうな面白さがあります……こんなに頭を悩ませているのになぜでしょうね(苦笑)

他の人の作品を読むのも面白い

ショートショートnote杯の時にも感じたことですが、自分がチャレンジしたお題について、他の方がどういうアプローチの作品を仕上げたのかを読むのが非常に楽しかったです。

やはり、自分が思い付かないような発想で書かれている作品が多く、「そういう視点が合ったか!」と気付かされる感覚が心地よかったです。これはアートを楽しむのと似た感覚があるように思います(あるいは叙述トリックに騙されたときの感覚にも)。

私は他の人の作品を読むと、思考が引っ張られてしまう傾向にあるので、”作品を書き上げるまでは読めない”というのが欠点というかモヤモヤしますが。

あとがき

といった感じで、個人的な振り返り・感想を気軽に書き連ねてみました。

なんとなく一段落したかな、という印象があって本記事を書き始めたのですが、この記事を書いている最中に新しいお題が出されました

『何かが足りない料理店』という発想で410字以内の物語を作るようです……これはまた忙しくなりそうですね!(笑)

私はわりと制限された超ショートショートに飢えているタイプなので、これからもお題が生まれてくると嬉しいなぁと思うばかりです。

ー了ー

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