⑧アルベルゲ初心者
第一声は忘れちゃった。でも、日本人ですか、とかそんな感じだったと思う。これから今夜の宿探しをするということなのでご一緒させてもらうことにした。ラッキー。
私が今回の巡礼旅において最も不安だったのは、宿決めである。多くの巡礼者はホテルではなく、アルベルゲという巡礼者専用の宿泊施設に泊まる。ここはいわゆるゲストハウスのような施設で、ホスピタレロというお世話人にクレデンシャルを提示しスタンプをもらうことで宿泊ができる。公営と私営があり、食事の提供の有無やベッドの数、快適さ、料金などは様々である。巡礼者専用ということで比較的安価な金額で泊まることが出来るが、料金と快適度合は比例することがほとんどである。が、かと思えばドナティーボ(寄付)制やたったの5ユーロでもとてつもなく快適なところもあり、またその逆も然りなのでこればかりは運に頼るほかない。ただ現代は先人たちが残してくれた口コミがインターネットの大海原を漂っているので、それをヒントにするのも悪くない。
アルベルゲに泊まること自体への不安はないが、どのアルベルゲに泊まるのか決める過程に不安があった。入って一人で泊まるにはあまりにも不安な施設だったらどうしよう、男性ばかりで心細かったら? そんな時私は断って別の場所に行けるのか不安だった。だからこそ、アルベルゲ初日に言葉が通じる仲間と一緒に宿探しが出来ることが本当にありがたいと思った。私は人に恵まれるのだ!
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