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ゲームプロデューサーを構成した5大漫画

noteに慣れるために、ちょうど大好物な話題があったので乗ってみましょう。好きな漫画じゃなく、”自分を構成する漫画”というのが素晴らしい。となるとスラムダンクやFSSなどは除外され、小中学生の頃に出会った漫画たちをざざっと紹介…するつもりがやっぱり長文になったよねー。うーん、これ、後で一つ一つ丁寧に記事にしたいなぁ。

■No1 僕にとって漫画の神は藤子F不二雄先生

 「藤子・F・不二雄SF短編集」

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【魅力】日常の隣、延長にある少し不思議な世界とその結末に魅入られてください。僕はこの作品でSFの魅力、そして展開と結末の妙を学びました。

【オススメ】自分を構成するものであれば間違いなくドラえもんが筆頭です。ただし漫画となるとこれはもうドラえもんの作者、藤子F不二雄先生の「藤子・F・不二雄SF短編集」が筆頭!このSFという単語は「少し不思議」の頭文字のSFでして、このあたりなんて久保先生のBLEACHよりオシャレじゃないですか。SFがベースでシリアスな短編全ての結末に、あなたは驚愕することになるでしょう。大人が読んでも面白い構成で、この構成や展開の考え方は、今の僕の仕事でも参考にしています(ネタをパクるわけじゃないですよ)。海外の小説がベースになっている話もありますが、結末はF先生のオリジナルです。小学生時代、僕はこの漫画の魔力に”魅入られた”としか言いようがない作品です。

【あらすじ】上の表紙画像に描かれている少女は「ミノタウロスの皿」という話に登場。牛族が人間を飼育している惑星は、いけにえとして牛族に食べられることが最高の名誉とされる世界。そんな少女を救おうと主人公が宮殿に乗り込むが…


■No2 巨匠の原点は、僕の世界観バイブル

 「風の谷のナウシカ」

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【魅力】この世界に生きる全てのものに涙し、圧倒されます。僕はこの作品から世界を創造するとはどういうことかを学び、生きるとは何か?を突き付けられました。

【オススメ】映画とは内容が違うのは有名な話ですね。実は話としては少し難解で、漫画としては読みづらいのだけど、その世界観と表現力に圧倒されます。そもそもナウシカの美しさと強さと少しはかない描写は天才としか言いようがありません。宮崎監督、本当に聖女が大好きな方ですよね。僕が同じ思想持ってたら捕まってしまいそうですが。ちなみにヒットするエンタメというものは、その時代の世相を表すことが多く、これは空想世界の中に現実の世相を取り込むことにより、受け手が無意識に理解、納得できるからなのです。1980年代は高度経済成長と失われる自然、冷戦などがキーワード。ナウシカの世界はこれらの要素を含み時代への警鐘を兼ねた内容となっているわけですが、まぁ小難しく説明するよりも、読んでない方は是非読んでみてください。腐海、王蟲、世界の謎、そしてクライマックスと、発表から40年近くたつのにこれほど美しく切なく圧倒された作品はほとんどありません。ナウシカの世界派になったので、僕はAKIRAには行かなかったんだよなぁ。

【あらすじ】数千年前、火の七日間という終末戦争後により大地は汚染され、生き残ったわずかな人類は、汚染を広げる猛毒の森”腐海”と、それを守護する巨大な”蟲”たちの侵食におびえ暮らしていた。風の谷の族長の娘ナウシカは、列強の大国トルメキアとドルクの争いに巻き込まれる中で、腐海の偉大なる存在”王蟲”と心を通わせ、終末戦争の巨人兵器”巨神兵”に出会う。そして少女を待つ世界の謎とは…

■No3 神の最高傑作に触れ、僕は人間を知った

 「火の鳥」

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【魅力】言わずと知れた名作、というか名作という単語ですらこの漫画を表現することはできません。というわけで人類史上最高傑作と銘打っておきましょう。生命、人間とは何か?あまりにも深く難解なテーマを漫画という形で我々に残してくれた漫画の神の傑作です。これでもかと畳みかけてくる人間の汚らしさと虚しさに打ちのめされ、生命の儚さを知るのですが、それでも生命とは美しく愛しいものであると感じてしまいます。

【オススメ】手塚治虫先生のライフワークだった作品で、遥か未来の話から遥か過去の話まで、時代毎に●●編と別れているのですが、それら全てが時空を超えてつながった、恐ろしいまでに緻密で壮大な宇宙規模の大河ドラマです。このスケールの作品は他に存在しないですよ。火の鳥という名前から連想できるかもしれませんが、永遠の命という古今東西不変で難解のテーマを軸に、生命、人間の本質に迫る物語は、漫画だからこそのわかりやすさで表現されています。漫画の神と崇められる手塚先生の全てが詰まっているといっても過言ではありません。作り手として見た時、それぞれの時代に合わせた命をテーマとした千差万別の物語は、驚きを超えて恐ろしさすら感じます。本当に人間だったのでしょうかね、手塚先生は。こんな大作に中学生で出会ったら、読み終えたとき放心状態になるのも無理はありません。代表的な物語は映画にもファミコンのゲームにもなった「火の鳥 鳳凰編」でしょうか。極悪な野盗である”我王”と献身的な仏師”茜丸”のあまりに人間らしくも数奇な運命を描いた物語で、人間や愛について語るのは当たり前であり、そこに思想、権力、宗教、救世などいう現実世界で切っても切れないテーマを扱っているため、大人になってから読むと、また違う魅力に気付ける作品です。というか手塚先生と同じ頭脳領域にいかないと、火の鳥の本当の魅力には気づいていないかも。ということは人類誰も気づいてないんだ、って話になっちゃいますね。他にも僕のオススメは「火の鳥 未来編」や「火の鳥 乱世編」など。特に日本史好きなら乱世編は興味深いと思いますよ。なにせ日本史史上屈指の悲劇のヒーローをあそこまでの悪として描いていますから。中学生ながら頭がパニックになりそうでした。それにしても手塚先生の場合、「ブラックジャック」「アドルフに告ぐ」などなど、火の鳥以外にもあまりに傑作が多すぎて大変です…

【あらすじ 火の鳥 鳳凰編】生きるため、虫より簡単に人を殺せる隻腕の野盗”我王”は、信心深く謙虚な仏師”茜丸”の命よりも大事な腕を切り裂く。茜丸は失意の中、それでも仏を造り続け、次第に名声を得ていくが、時の権力者と結びつき、火の鳥を掘ることを夢見る中で己を見失っていく。一方で我王は、火の鳥の呪いともいえる力に導かれ愛を知り、師に導かれ人間の本質へとたどり着く。そして二人の運命が再び交差するとき…


■No4 考えるな、感じろ そして愛を心に刻め!

【北斗の拳】

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【魅力】エンタメとは、漫画とはこういうものだ!と、一枚の絵で納得&興奮してしまうカッコよさが最大の魅力!指先1つで悪党がひでぶと爆死する世界は、レッドゾーンまで振り切ったトンデモ世界。核戦争後の荒野を舞台に「愛」を刻んだ男たちの戦いは、僕に強さとは何か、愛とは何かを学ばせてくれたのです、冗談ではなく。

【オススメ】そう、とんでもなくアクの強い世界なんです。この世界の方程式は80年代前半を代表する「映画マッドマックス×ブルースリー×劇画」であり、そこに指先1つで悪党が爆死する拳法を入れ込んだという、これだけ聞いたらただのギャグですね。しかし本質は違うのです。つべこべ言わず体感できる「①悪党を吹き飛ばす圧倒的なカタルシス×②愛ゆえに」なのです!①のカタルシスはバトル系エンタメの歴史の頂点です。そもそも主人公のケンシロウがほぼ無敵のヒーロー状態。モヒカンでヒャッハーして善人を殺しまくっているブサイクな悪党が「あ~聞こえんな~」「息をするのもめんどくせ~」と読者のヘイトを1万倍にしてくれるクセの強いセリフをのたまうわけです。こいつらを読者に代わって圧倒的力で恨みを晴らしてくれるのがケンシロウ。だいたいこのケンシロウも人としてネジは吹っ飛んでいるというか、悪党に対して1ミクロンの容赦もありません。「お前の命はあと3秒」「ブタと話す気はない」とかとか、レスバトルも最強格で、煽りまくったうえでぶっ殺します。ブサイクには本当に容赦がありません。どっかの不殺を決め込む優男ヒーローとは格が違うわけです。そして声を大にして言いたいのは「②愛ゆえに、愛に生きる物語」であることです。雑魚ブサイク悪党とは打って変わって、イケメン強敵(強敵とかいて友と読むのが北斗の拳の常識です)たちとの戦いは、女性や人への愛をテーマにした戦いとなり、胸を打つ描写が目白押しです。まぁ、鬼の週刊誌連載だったので、ストーリーは後付けしまくりで大変なことになっていますが、そんなことは気にならないくらい、愛に生き、戦う男たちのカッコよさが際立っています。エンタメは世相を反映するという意味では、今の若い世代には合わない内容と絵だと思いますが、逆に今の世代に愛と強き男を教える教科書として、息子にも読んでほしいんですけどね…

※あらすじは割愛します


■No5 笑いの原点 80年代の脱力系ギャグ金字塔

【究極超人あ~る】

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【魅力】少年サンデーらしいというか、ゆうき先生らしいというか、脱力系の高校ギャグストーリー漫画です。大阪とは違う関東の笑いというか、コントをストーリー仕立てにしていると表現してもいいのかもしれません。大阪の人から見たらどうなんでしょう…?僕の笑いのセンスは、このあ~るがベースになっています。

【オススメ】他の方のお題を少し見てたら、「あ~る」が推薦されてて感動しました。これも有名な話だとは思いますが、作り手からすればシリアスなものより何十倍もギャグを作る方が難しいのです。そのギャグ漫画の中でも、他では味わえない空気を作るギャグというのが前代未聞。光画部という高校写真部の面々が、アンドロイドのあ~ると出会い繰り広げるドタバタ劇なのですが、独特の空気感とテンポを保つことにより、ストーリーもしっかり成立させるところが、ゆうきまさみ先生の強みで、他に同じ空気を出せる人は知りません。これは説明しようがないので、ぜひ読んでいただきたい。そもそも文化部を題材にするというのは80年当初はほぼ存在していないのではないかと思うし、発想からして凄い。ゲーム作りもこういった思いもよらない発想というのが必要なのですが、こんなに上手く生み出せません。今でいう日常系とは違い、高校を舞台にした非日常世界の中に、少年たちが憧れるシチュエーションが多数あり、胸躍りストーリーを楽しみながら笑いのセンスに引っ張られる作りになっています。僕がストーリー展開的に興奮したのは、光画部と生徒会の部室攻防戦ですね。本当にしょーもない理由で巻き起こる事件なのですが展開が燃えますよ。あんなハッピーな戦いを描くセンスはどこから来るんでしょうか。また今の萌え文化とは違いますが、ヒロインのサンゴは元気かわいい子で、ファンならみんな好きだったんじゃないかなと思う距離感も上手いです。

僕の時代的にはこの漫画の後に稲中卓球部やツルモク独身寮というギャグ漫画に続いていったのです。やっぱり関東の笑いなんですかねー。

※あらすじは割愛します


というわけで、僕を構成した5つの漫画ピックアップ、いかがだったでしょうか?なんだかんだで2時間以上記事を書いていて、自分の書くペースをつかまないと大変ですね。もしもまだ読んだことのない漫画があったとして、興味を持ってくれたらうれしいです。ではでは。


#私を構成する5つのマンガ

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