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Netflix『離婚しようよ』
題名だけ見て夫婦間のシリアスな話だと思ったが良い意味で裏切られた。
難しく考えなければ、結婚は役所に紙を提出するだけのことだ。ところが離婚となると時には双方で弁護士まで入れる必要があるほどややこしい話になる。もっとも、手続き上は離婚も紙一枚の話ではあるのだが。
どうして結婚したのか。
振り返ろうとしても思い出せないこともある。
どうして別れることになったのか。
結婚しようと思った時のキラキラが失せてしまったとしても、これという理由が見当たらないこともある。
運命とか宿命とかいったものは、背負わされていると思えば重荷になるけれど、どうせなるようにしかならないのだから自由にやろうよと思えば大した問題にはならない。けれども当人にとっては大問題で、何とか逃れたいと現実逃避することだってあるだろう。
それが例えば大金持ちのように世間的には羨ましがられるような境遇だとしても、もしあなたが普通ではない家庭に生まれたとしたらそれを恨む瞬間はあるだろう。もっと普通になりたいと。
逆に普通の境遇であれば何か普通でないものを求めることがあるだろう。
どちらにしても、無理に境遇から逃れようとしても結局うまくいかない。神様が敷いたレールは誰にも動かせない。ポイントを切り替えるようには人生は切り替えられない。
***
このドラマの劇中劇で巫女ちゃんを演じ、三世国会議員の妻を演じる仲里依紗が可愛い。というよりも、松坂桃李が演じる三世議員の目から見た妻が可愛いと言ったほうが当たっているか。
そして仲里依紗の不倫相手となる錦戸亮が演じるパチアーティストが格好いい。その生き方が格好いい。
それに限らず、登場人物が皆、人間的な魅力に溢れている。
離婚の話なのかと思いきや話の中心には政治家や選挙のことが据えられていて、普通につくればクソ面白くない作品になるところだ。ところが登場人物達の愛らしさとコメディタッチの描き方によって軽~い作品に仕上がっている。もちろん悪い意味ではない。
夫婦、セックス、不倫、恋愛、子育て、男女のあり方、選挙のあり方、政治のあり方、男女同権、国と地方。良く噛みしめると結構重要な話題が散りばめられている。さらには政治家ファミリーや選挙の裏側や芸能や報道の裏側なども触れられている。まぁ盛り沢山な内容だ。
実力派の制作陣とキャストが全力で挑んだ楽しく笑えてシリアスで泣ける素晴らしい作品になっている。
いやぁ、個人的には最後に・・・。
おっといけない。ここでは言わないでおこう。
おわり
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