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インドア派? それとも…

 混雑したところが嫌いだから外出しないと言うとインドア派だと思われる。
 しかし私自身は決してインドア派だと思ってはなく、むしろ気持ちはアウトドア派だ。ただ、家の中でやることにも好きなことが多く、なかなか外出する暇が無い。人混みが予想されるのであれば尚更だ。
 そんなだからいつまで経ってもインドア派と思われている。

 内か外かで言えば、宇宙が地球の外に広がっているのと同じように、僧が修行で内面を掘り進めた先にも宇宙がある。一見すると内面的な行いが、実はそうではない。そういったことは確かにある。

 人が「自分」という意識を通じて覚知したものが「世界」であり、その意味では内も外も同列なのだ。世界から「自分」を取り除くと、世界の極部的なコピーである「世界」はなくなるが、世界は無くならない。けれど人が把握出来るのは世界ではなくて「世界」。
「世界」はあなたであり、あなたは「世界」だ。
だから、あなたの外側にあると思っているものと、内側にあると思っているものはあなたの中で繋がっていて、内と外は表裏になっている。

 ここで大切なのは、外を見るにも内を見るにも、見たままを受け入れることだ。感じたことをそのまま受容するのは案外難しくて、思い込みや経験が邪魔をして、自分なりの解釈をしがちだ。自分なりならまだしも自分本位に受け止めがちだ。
 その受け止めが「世界」についてのものという自覚があれば良いが、世界についてのことだと誤解すると厄介だ。

 色々と理屈を付けて、これはこういうこと、と言い切る。さもそれが真理かの如く語る。歳を重ねるとやりがちだ。あくまで個人の意見として述べているつもりでも、その人の地位や所属によっては押し付けになる。
 同じ会社の社員であれば価値観を共有するのは当たり前じゃないかと思ったのだとしたら気を付けた方がいい。気を付けるというか、価値観の共有によって得られる効果は絶大だとしても、それは本当に共有・共感出来ている時だけだし、価値観が異なっていても仕事は出来るという組織の方が強い。
 企業であれば、社員同士が共有すべき価値観は利益を上げること。つまり判断基準はそれが利益向上に繋がるかだ。
 逆に言えばそれ以外はおまけ。
 もっとも、あなたの価値観と他の人の価値観は違って当然という価値観だけは共有したい。

 職場の雰囲気や働きやすさ、そういったことを社内に求めるのは違っている。達成感や感謝されるかどうか、そういったことを仕事に求めるのは間違っている。
 それらは全て、あなたが求めることではなく、会社や顧客からあなたが求められる事だ。達成感はあなた自身が目指すべき事で、元々その企業や仕事に備わっているべきものではない。

 技術が進歩して、社会が変遷して、今や世界よりも「世界」の影響力が強くなった。「世界」は「自分」、つまりあなた自身だけのもの。世界に比べたらめっちゃ小さなもの。
 それを忘れてはならない。

 インドアでもアウトドアでも、そんなことはどうでもいい。むしろ決めつけないほうがいい。
 要は「自分」の「世界」が世界と交わる点があることを忘れなければ、それでいい。

おわり
 


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