指導案の書き方マニュアル③ 書き方の解説

「4 単元の評価規準」の書き方の解説
2で示した目標をどのように評価していくかについて記すところとなります。

基本的には、観点別(「資質・能力」の育成に係る3つの柱と対応)に分析的に評価していくことになります。具体的には、すべての教科において(特別の教科「道徳」を除く)、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点で評価することになっています。

これらの観点は、それぞれが独立して存在するものではありません。国語科においては、あくまでも言語能力(言語を用いて思考し、判断し、表現できる力)の育成が目標になります。
そのため「知識及び技能」は、「(領域ごとに身につけさせたい)思考力、判断力、表現力等」を支えるものとなります(または、よりよく表現するための術となるものとなります)。
そして、「主体的に学習に取り組む態度」は、例えば主体的に学習に取り組まなければどのような「知識及び技能」がベースにあろうと「(領域ごとに身につけさせたい)思考力、判断力、表現力」は身につかないように、能力育成のためには最も基盤となるものとなります(または、例えば学んだことを人生や社会に生かそうとしなければ育成された「思考力、判断力、表現力」は何の意味を持たなくなるように、能力活用ためにも基盤となるものなのです)。

上記のことを常に念頭におかなければ、楽しんで意欲的に本を読ませることが目的になったり(「主体的に学習に取り組む態度」のうちの主体性ばかりを目標とするもの)、漢字や文法を教えることが目的となったりしてしまう(「言語に関する知識・理解・技能」のみを目標とするもの)ような誤った国語科の指導を展開してしまうことになるのです。

「すべての教科において3つの観点で評価する」と前述しましたが、評価の観点が同じであるから全ての教科が等しく横並びであるということではありません。

国語科で育成された言語能力が基盤となってはじめて各教科の目標が達成されることを忘れてはなりません。国語科は基幹科目となるべきものなのです。

全ての教科の内容は言語で形成されているのです。国語科で育成された言語能力がなければ教科用図書さえも読めないことになるのです。
他の教科では、国語科で育成された言語能力を活用し、教科の特有の「見方・考え方」を働かせて「思考力・判断力・表現力等」を育成していくことになるのです。

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