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むくろ人形の不思議な話2【競艇場】

『競艇場』

怖い話とラベリングするほどではないけど、どうにも不可思議な話をまとめるシリーズです。

2019年6月16日にした話。

ある日、父が競艇場に行った帰りに「なんか、変なもん見たかもしれない」と言い出しました。

競艇場って、離れに“劇場”っていう、全国の競艇場の券買えるホールみたいなのがあるのを知っていますか?

親父、そこで割と身なりが小汚いおじさんたちに囲まれて、精神すり減らしながら予想していたんだそうです。(親父の名誉のために言うと、競艇場へは遊びできて、負けて、それ聞いた私が「劇場で取り戻してきて!」と無理やり居させたからです…)

「(しかし、みんな身なりに一つも気を使ってないもんだな…)」

とか思いながら辺りのおじさんたちを見ていたら、格好は周りと変わらないけど、どうにも変な人をひとり見つけたらしいんですよ。

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普通は船券や予想新聞を持っていたり、モニター見ながらあくせくしていたりするのもなのに、その人、人混みの奥で何にも持たず、ただボーッと立ってたらしいんですよ。横向いて。

親父「(…なんだあの人)」ってしばらく見てたら

パッ

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とその人こっち向いて、瞬間目があったらしくて、親父、気持ち悪くなって目そらしたそうです。

チノパンにポロシャツ姿。

親父そそくさとお茶買おうとして、ホールの後ろにあるレクリエーションスペースみたいなところに移動しようとしたんですよ。

そこ、行くには劇場の中から、親父も通った入り口を通るしかない。

で、親父通って、「お茶お茶」って自販機にコイン入れようとした時にふと横見たら。

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すぐ横に立ってたらしいんですよ。そのおじさんが、ボーッとこっち見て。

時間的にも、なりより立地的に親父の目に入らず移動することできないし、そもそもなんで親父が凝視されているのかわからない。

親父気持ち悪くなって移動したら、ずっと視線追っかけてきたそうです。

短いけどこれだけの話。

親父は当初、そういう存在という疑いすらなかったらしくて忘れてたそうです。

でも、冷静に考えて、瞬間移動したとしか思えない。

親父は幽霊的なもの本当に信じていないんですけど、多分見える人っぽくて、こういう、よくよく聞くと明らかにおかしい話に、何度も遭遇しているっぽいんですよね。

競艇場入り浸ってて、誰にも気づかれなくて、ふと見える親父と視線あって、本当に見えるのか確かめようとしのかもしれないですね。

おわり

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