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46歳男性会社員、K-POPアイドル(男)にハマって人生が変わる『おじさん、ドル活はじめました!』

突然ですが、推しのいる人生、送っていますか〜!?

私はバリバリ送っております!某アーティスト沼、プロ野球沼、そしてついに、令和になってから日本有数の底なし沼である宝塚歌劇沼にハマり、日々楽しく暮らしております。

推しがいることによって、私たちの人生は光り輝き、彩りを増す……!

その存在は、私たちの魂に強烈なドーピング効果をもたらし、前に歩き出すチカラをくれる……!

推し……。あゝ、尊き推しよ!!

はっ、すみません。ちょっと、この新型コロナウイルス渦中(2020年7月現在)で、あらゆるジャンルの推しに会う機会がなくなり、おかしなテンションになってきました…。

今日は、推しがいる人はもちろん、「推し?なにそれ美味しいの?」というような方にこそ読んで欲しい作品をご紹介します。シバタヒカリ先生の『おじさん、ドル活はじめました!』です!

中年おじさんがハマったのは、男性K-POPアイドル!?

吉成裕美智(よしなり・ひろみち)46歳。おそらく大きい企業で部長職をしている吉成さんは、テレビで男性K-POPアイドルグループ「APOLLO」を見た瞬間、「言葉に出来ない気持ちが込み上げる」という状態に陥ります。この気持ちは一体なんなのか…!?CDショップで偶然出会った先輩APOLLOペン(=APOLLOファンの呼び名)のマミコ(22)に師事しながら、自分の心に初めて芽生えた「推し」への気持ちを追求しまくる、「推し」を持つ者にとって分かりみ溢れる作品です。

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『おじさん、ドル活はじめました!』(シバタヒカリ/祥伝社)より引用

ドル活2

『おじさん、ドル活はじめました!』(シバタヒカリ/祥伝社)より引用

あなた自身の「好き」が見つかるかも!?

この作品、日々推し事(おしごと)に勤しんでいる人が読むと、「わっかるぅぅ!!」って、頷きすぎて首が取れます。私もポロリと取れました。なので、何かを推している人全員にぜひとも読んで頂きたい作品なんですが…。

実はこの作品、「好き」がなかなか見つけられない人にこそ読んで欲しい作品なのです!

ドル活3

『おじさん、ドル活はじめました!』(シバタヒカリ/祥伝社)より引用

素直な「好き」のパワーで人生が楽しくなる!

吉成さん、会社ではできる部長として周囲から尊敬を集めるような、いわゆる立場がある男性です。普通、一流企業の部長(46)は、自分が男性アイドルグループの沼にハマりそうになったら、「いやいやいやいや、会社でなんて思われるか」など、世間や家族の目を気にしていろいろ逡巡すると思うのです。

でも、吉成さんは違います。部下に「渋谷!!会食か何かですか?」って問われると……。

ドル活4

『おじさん、ドル活はじめました!』(シバタヒカリ/祥伝社)より引用

堂々としすぎぃぃ!!

そう!とにかく吉成さんは、とっても素直なのです!!

K-POPアイドルに心を動かされ「素直」に追求。

20歳以上も年下のマミコに「素直」に教えを請う。

会社でも家庭でも「素直」に推し事を報告。

自分の内なる欲求を「素直」に追求し続けた結果が、「好き」を見つけ、人生を豊かにすることにつながっているのです!

年を取れば取るほど、自分の中の「この年齢の男性・女性はこうあるべき」という謎の縛りに囚われるもの。吉成さんは、そんな「べき論」に囚われることなく、自分の興味のままにグングン好きを追求していくのです。

「いやいや、いまさらそんなに素直になれないし…。」って思うかもしれません。でも、この作品を読めば、「素直になる」ただそれだけで、どんなに人生が楽しいものになるかが、めちゃくちゃ良く分かるのです。

この作品には、吉成さんが「好き」に出会い、人生がぐんぐん楽しくなっていく過程が、とても丁寧に描かれています。吉成さん、そしてその周囲の人たちもがつられて一緒に楽しくなっていく感じ、この幸せインフレ・スパイラルの様子を読めば、「好き」のパワーに気付いて頂けるはず。

まずは、騙されたと思って、”素直”にこの作品を読むところから始めてみませんか…?

WRITTEN by 上原 梓
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