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成人したら1度はストリップを見ないと人生損するよ『女の子のためのストリップ劇場入門』

イメージが180度ひっくり返る

皆さん、ストリップと聞くとどんなイメージですか?

ステージの上で全裸の女性が誘惑し、オジサンたちが下世話なヤジをとばしたりするアングラで退廃的なショー?乳首も性器も丸出しで見せつけてくるのに触れもしない中途半端な風俗?

実は僕も初めてストリップを見るまではそんなイメージを持ってました。

実際遠い昔まだ日本全国に数百店舗も劇場があった全盛期の頃には、より直接的な性サービスに近いようなショーもあったみたいですが、今のストリップはそんなイメージからまるで程遠い、唯一無二のエンターテイメントショーに進化しているんです。

ストリップってどんなもの?

例えば僕が何度も足を運んでいる、ストリップの聖地浅草ロック座だと、約90分の1公演は7~8部の構成となっていて、各部に前半パートと後半パートがあります。

公演には色々なテーマがあって、例えば世界のダンスをテーマにした回だと、沖縄舞踊の部やフラメンコの部、アフリカンダンスの部などなど様々なダンスショーが繰り広げられます。

各部それぞれ、前半パートは複数人のダンサーさんが豪華な衣装や演出で見事なダンスを見せてくれます。ロック座はステージも照明もかなり豪華で、そんな中音楽に合わせて踊るダンサーさんたちもめちゃくちゃレベルが高い!

お客さんたちも手拍子なんかで一緒に盛り上げていて、この時はもうストリップを見に来てることを忘れてしまうくらい楽しいショーが見られます。

そこからいよいよ後半パートで、メインのダンサーさんのソロでのストリップショーになるんですが、ここも音楽や照明の演出と、何よりダンサーさんの表現力の凄さもあって、全てをさらけ出しているにも関わらず下世話なエロさは微塵も感じない。

むしろ肌や各パーツの美しさ、骨格や筋肉のしなやかさなんかが裸だからこそはっきりと感じられて、まるで美しい彫刻を見ているような感動を覚えます。

女性にもダンゼンおすすめ

ダンサーさんたちはみんな、美人やまるでアイドルみたいにカワイイ人たちばかりで、しかもステージとの距離もめちゃくちゃ近い。ショーが終わった後に一緒に撮影タイムなんかもあったりするんで、女性も一度見るとハマって、まるでアイドルファンのように通ったり推しを見つけて応援したりするそうです。

ハマりすぎて自分もストリッパーになったって人もいました。(笑)

それくらい、ダンサーさんたちは魅力的な方が多いんです。なんでだろうと考えてみると、彼女たちはみんなストリッパーであることに自信と誇りを持っているエンターテイナーだからなんですよね。

それに、アイドルのライブほどの熱狂大騒ぎはないですが、劇場が小さくてダンサーさんとお客さんの距離も近いので、手拍子や合いの手で一緒に盛り上げたり、リボンを投げて演出を盛り上げたりとみんなが一体になってステージを作り上げるところもストリップらしい楽しさです。

とは言えやっぱりまだ怖い、そんなあなたには

なによりもまずは本当に一度生で見てもらえたら、この他にはないエンターテイメントに感動してもらえると思っています。とは言えあまりにも未知の場所だと怖いですよね。

そんな時にオススメするのが菜央こりん先生の『女の子のためのストリップ劇場入門』です。

この漫画はまさに読んで字のごとく、女性である菜央先生が初めてストリップに足を踏み入れるところから、どんどん沼にハマっていく話です。どこに劇場があるかとか、劇場内やショーがどんな感じなのかとか、知りたいことがすべて書かれているので、これさえ読めばもうあなたは立派なストリップ通です。(笑)

あと、同じくストリッパーさんたちの魅力をより理解できるのがKUJIRA先生の『セカンドストリップ』です。

この漫画は、厳しい祖母の言いなりのまま優等生として決められた道を歩むことをやめて、自分の意思でストリッパーになった早苗と、スポーツに人生をかけていたのに怪我によって全てを失くし、その後スポーツライターを目指す朝子を中心としたストーリーで、彼女たちの葛藤とその生き方がとてもリアルに響いてくる作品です。

その中でも僕が特に好きなのは、朝子が「早苗がストリッパーになったのには、辛い過去とかどうしようもない事情とか、やめられない環境みたいなものがある」と勝手に思い込み、そんな世界から立ち直らせようとした時に、早苗が「ストリッパーであることは恥ずかしいことではない、自分が一番自分らしく輝ける場所がストリッパーという職業だっただけだ」と伝えたところです。

つまり、ストリッパーだって他のあらゆる職業と同じで、そこに上下も貴賤もなく、だからこそ誇りを持ってパフォーマンスをする早苗の姿は誰よりも輝いているんですよね。

この漫画を読んで、僕は実際のストリッパーさんたちがなんであんなに魅力的なのか、ものすごくしっくりきて理解できました。

そしてますますストリップショーを楽しめるようになりました。

この漫画は絵柄も可愛らしく少女漫画雑誌に載っていそうな優しいタッチで描かれているので、この漫画もリアルなストリップ描写も、きっと女性にも楽しんでハマってもらえるんじゃないかと思います。

一度勇気を出して入ってしまえば後は楽しむだけなんで、『セカンドストリップ』と『女の子のためのストリップ劇場入門』の2冊を読んで、是非最寄りのストリップ劇場を調べてみませんか。

新しい世界が、きっとあなたの人生に素敵な彩りを加えてくれますよ。

WRITTEN by 南川 祐一郎
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