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これまで一生懸命家族の為に働いてきた。時には思い切って自分の趣味に生きてみる『駅弁ひとり旅』

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

【レビュアー/堀江貴文

憧れる旅

奥さんと二人で都内で弁当屋を経営している主人公は、結婚10周年の記念に趣味の鉄道で日本一周するチケットをプレゼントされる。

一応本業の弁当屋の味の研究ということで駅弁ひとり旅になったわけだ。

主人公は連載開始当初は35歳と、いまの私よりも10歳も若いわけだがどう見ても年上に見える風貌。ちょいとメタボな体型で全国の駅弁を食べ歩く。時にヒロイン的なひとり旅の女性と知り合い一緒に駅弁の旅をする事も。

なんかこういう旅って憧れるよなあ。

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」並みにゆるい

テーマ自体が蛭子能収さんらがやってる「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」並みに緩いので、大したハプニングもヤマも無く主人公がいつも嬉々として駅弁を頬張るだけのユル漫画なのだが、なんとも言えない味があるんですよ。

そういう意味では孤独のグルメにも似ているのかも。もしかしたらドラマ化したらそれなりに人気が出るのかもしれないなあ。

しかし世界を見渡しても、全国の駅にこれだけの駅弁が普及しているのは日本だけかもしれない。イカめしとか峠の釜飯みたいな全国的に有名な駅弁も少なくない。味のバリエーションも豊富すぎるくらいだ。

どんな雰囲気か?

私は一世を風靡したなめこゲームのLINEスタンプにある、汽車に乗るなめこが駅弁を食べながら昭和のプラスチックの入れ物に入った、ティーバッグ入り緑茶を非常に懐かしく感じる。

あの風情が『駅弁ひとり旅』の雰囲気なのである。

まとめ

続編で台湾編があるが、台湾も日本領だった時期が長かったからか駅弁文化が根付いているようだ。もちろん中身はザ・台湾といった感じなのだがそれはそれで味があって良い。